森流野球考

「準備」と相手へのプレッシャーの差~第4戦を見て~


森祇晶さん

森祇晶さん (0)

2007/10/31 23:23

 点差以上に、中日の力が勝っているのではないでしょうか。中日が王手をかけた日本シリーズ第4戦をナゴヤドームで観戦し、そう感じました。

 3勝1敗という結果から言っているわけではありません。何と言いますか、中日に余裕のようなものを感じます。いや、日本ハムの方が、中日にプレッシャーをかけ切れていない、と言った方がいいかもしれません。

 そう思える場面は第4戦にも随所に見られました。

 まず、1回表の守りです。井端の失策から陥った2死二塁のピンチでセギノールを迎えました。貧打に苦しむ日本ハム打線の中、唯一、当たっている打者といっていいでしょう。ここまでの戦いでは中日ウッズより、よほど怖い存在になっています。

 中日バッテリーは外角のボール球を続けました。基本は敬遠で、振ってくれれば幸運という策です。一塁が空いているとはいえ、初回でもあり、走者をためるリスクが伴います。しかし、日本ハム打線では、このリスクがほとんどないと言っていいでしょう。

 その通り、続く小谷野を三振に打ち取り難なくピンチを脱しました。3回にも2死二塁からセギノールを歩かせ、いい当たりだったとはいえ小谷野を右飛に抑えました。この5番打者では、中日投手に、四球で走者を増やすというプレッシャーを与えられません。比較的、楽な気分でピンチに対することができるでしょう。

 日本ハムは5番打者を日替わりしています。第1戦は工藤、第2戦は高橋、第3戦は工藤、そして、この日の第4戦は小谷野になりました。小谷野は第3戦まで無安打。決して好調を買われて抜てきされたわけではありません。5番以降に恐怖感のある打者がいない。これは中日を非常に楽にしています。


 こうした戦力の問題だけではありません。「準備」でも中日のプレッシャーを軽減してしまっています。

 2回裏の攻撃。2死から出塁した荒木が、井端の初球で盗塁を決めました。2死一塁で走者が荒木とあれば、盗塁を警戒する必要があります。しかし、バッテリーはけん制もクイックもなく、あっさり決められました。

 吉川は高卒ルーキー。今日は非常によく投げたし、立派な投球内容でした。彼を責めることはできません。これは日本ハムの準備、そして指示が徹底されていなかったのでしょう。

 荒木はシリーズ3個目の盗塁です。もちろん彼の足、技術は素晴らしいのですが、日本ハムが荒木を警戒し切れていません。

 交流戦では日本ハムの3勝1敗でした。日本ハムはこのデータ、内容を洗い直したのでしょうか。どうも、勝ち越したという事実に甘んじていたような印象を受けてしまいます。

 一方の中日はデータを洗い直し、戦いに生かしています。荒木の盗塁しかり。谷繁のリードしかり。これはクライマックス・シリーズから感じていたことです。阪神、巨人に対しても、公式戦とは違う組み立てで攻めるなど、過去の対戦を糧にしています。この差も大きいでしょう。


 さて、これで日本ハムは第5戦に中4日でダルビッシュを先発させるしかなくなりました。一方の中日はエース川上を万全の中6日で第6戦に回すでしょう。

 こうした面からも中日が有利と言えます。しかし、短期決戦は何を契機に流れが変わるか分かりません。

 第4戦の中日も危ない場面がありました。5回にセギノールの内角を攻め切れず、二塁打を浴びました。四死球でいい場面で真ん中に球が入りました。これを契機に一時は同点とされました。単に打たれたという結果ではなく、投手の意識の欠如が問題です。こうしたミスから大きく流れが変わることは多々あります。

 ここから、どんな展開になるのでしょうか。みなさんも一緒に、じっくりと勝負の行方を見守っていきましょう。

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コメント (1)

hourigawa_2007さん

hourigawa_2007さん (4)

2007/11/02 05:38

第5戦を日ハムがとって、6戦以降で両チームの頭脳戦を期待していたのですが、今年も早期決着してしまいました。
4年前から、パリーグがプレーオフを実施してから、7、4,5、5戦で決着がついていますが、
ポストシーズンの長期化が日本シリーズの短期決着と、何か因果関係があるのでしょうか?



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