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田家秀樹さん (0) |
2008/12/05 17:49
すさまじいコンサートだった。 数字だけを上げてみよう。演奏時間正味6時間10分。25分の休憩時間を入れると6時間半のコンサート。しかも歌われた曲数は何と80曲ちょうど。二部構成になってはいたものの、一部が42曲、二部が38曲である。普通のコンサートであれば、三回分だろうか。ありがちなメドレーなどない。一曲ごとに律儀に頭を下げ、イントロからアウトロまで演奏するという正真正銘の80曲だったのだ。 何度も繰り返すが、60歳である。 もちろん、コンサートの感動の度合いは、時間だけでは計れない。一時間でも衝撃的なコンサートはある。どんなに長時間やっても惰性にしか見えないものも中にはある。とは言うものの6時間80曲は、人間の肉体年齢という意味でも限界に近いのではないだろうか。もはや6時間立ちっぱなしでいることすら難しくないという人も多いはずだ。彼はアンコールの最後まで声が出なくなることも、足が止まることもなく、ステージを走り、飛び、かつてのようなアクションを繰り返しながら見事に歌いきったのだ。 80曲の内訳について話さなければ行けない。その中にはシングル盤として発売になった曲が40曲を数えた。つまり、70年代から80年代にかけて、それこそ日本中で歌われたヒット曲である。ソロになってからの曲ばかりではない。ザ・タイガース時代の曲も9曲を数えた。最新アルバム「ロックンロールマーチ」の全曲まで、掛け値なしの集大成だった。音楽人生を全て網羅してみせた夜だった。 日本の音楽シーンの中の沢田研二という存在について振り返ってみたい。彼が一員としてデビューしたザ・タイガースは、GSとと呼ばれた日本で最初のバンドムーブメントの中で最も人気のあったバンドだった。ビートズルやストーンズに憧れたロック少年たちの夢の形。それは、爆発的な社会現象になるに連れて、形を変え、商業的な画一化の中で急激に失速、一時のブームとして終わってしまった。 彼が、脚光を浴びたのは、むしろソロになってからだ。テレビのビジュアル効果を最大限生かしたコスチュームやアクション、歌謡曲としても親しまれるロックテイストのポップス。一作ごとに衣装や振り付けまでが話題になった男性歌手は彼が最初だろう。ビジュアル系の元祖は沢田研二と言って過言ではない。 ただ、僕等が彼に見ていたのは、そうしたメデイアも含めた商業的、芸能界的な最前線にいながら、彼が求めている音楽にロックを見ていたからだ。彼の曲を作っていた作曲家の多くがGSのメンバーであり、80年代に入ると佐野元春や大沢誉志幸なども加わっている。 ライブでもそうだった。日比谷野音などのコンサートはストーンズを意識したようなパフォーマンスだったし、アマチャアだった彼らを大阪で見つけ、プロの道を付けた内田裕也が毎年大晦日に行っていた浅草ニューイヤー・ロックフェスの常連でもあった。 70年代はロック不毛の時代だった。ロックバンドは長髪にジーンズが普通であり、良かれ悪しかれ反体制の匂いがした。当時、誰もが口にしていたのは”ロックの市民権”である。メジャーな音楽として認知されないという苦境の中で、ミックジャガーやロッドスチュアートなどのような華やかできらびやかさを備えた日本で最初のロックスターだった。 東京ドームのステージで彼は”夢と現実”という話をした。夢というのは、そうやって華やかさの極地にいた頃のことだ。彼が、そうした舞台に姿を見せなくなったのは、いつ頃からだろう。大手のプロダクションを離れて自分のオフィスを持ち、かつてのヒット曲ばかりを求められるテレビ番組には出なくなった。それでもコンスタントに新作を出し、コンサートは続けていた。地道な活動、それが現実、ということだったのだろう。 そうやって考えると、彼の生き方こそがロックだったのではないかと思う。無言の反骨とでもいうのだろうか。少なくとも自分の過去におもねることも、そこに引きずられることもない。彼が、NHKの特番で過去のヒット曲を歌う姿を見たのは21世紀になった時だ。言葉は忘れてしまったが、ここから先は”おまけ”的なことを聞いた覚えがある。で、還暦である。 大人のなり方には二つある。 時は取り戻せない。それは誰にもそうだ。ただ、一瞬でも取り戻したように思えることはある。それがこの一夜だったように思う。還暦。暦をゼロに戻すこと。彼は自分の音楽人生をゼロに戻すことに成功したのではないだろうか。祝・還暦、だった。
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ヨシ様さん (97) |
2008/12/06 01:22
私が生まれる前からスターでしたからね。32000人の動員に貫禄を感じました。 |
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田家秀樹さん (0) |
2008/12/29 17:19
ヨシ様・いつもありがとうございます。やっと今年の最大課題だった「小説・広島フォーク村」が終わりました。こんなにご無沙汰になることはもうないと思いますよ(笑)。 |
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