プロ野球担当・大塚仁の部屋

キャンプ周遊記(沖縄編)


大塚仁さん

大塚仁さん (9)

2008/02/15 02:41

 2月1日もバレンタインデーも東京にいる私ですが、その合間をぬってキャンプ地を駆け巡ってきました。

 根来コミッショナー代行が2、3日と沖縄キャンプを視察。それが終わったと思ったら今度はパ・リーグ小池会長が6~8日に視察しました。通常であれば、そうした方々がキャンプを視察したところでさしたるニュースになるはずもなく、従ってがっちり取材に行くこともありません。ですが今年はパウエル問題なるものが勃発し、リアルタイムにお二方の話を聞かなければならないケースが生じたため、ほぼ密着に近い形で同行取材することになったのです。

 まあそこで2人がどうしたとかはさておいて、結果として短期間に多くの球団のキャンプを見て回ったというのは初めての経験でした。球団の担当記者は当然ながら担当球団のキャンプに密着するわけで、1カ月キャンプ地に張り付いて来る日も来る日も同じ球団の練習やら紅白戦やら練習試合やらを飽きるほど見続けます。最後の方には、選手と同じで「早く帰りてえ~」という思いが非常に強くなり、最初は喜んで食べていた現地の食事もいい加減にうんざりしてきます。

 ですが今回は、あちこちのキャンプ地を短期間で回るので、いわば「おいしいとこどり」というか、新鮮さが消えないうちに次のキャンプ地に向かうことになります。帰りてえ、と思う間もありません。しかもいろんな球団のキャンプを比較しつつ見るというのは、担当記者にはできない芸当であり貴重な経験でありました。

 2月2、3日に行われた根来代行の視察は、かなりの急ぎ足でした。2日の正午ごろに沖縄入りし、その足で横浜・宜野湾、中日・北谷を視察します。翌3日は朝一番で名護に向かい日本ハムを見た後、阪神・宜野座、ヤクルト・浦添と回り、翌4日の朝一番に東京に戻っていきました。

 最初の訪問地・宜野湾についた時は雨が降ったり降らなかったりの微妙な空模様でした。傘はほとんど差さずにすむような状況ではありましたが、その前に強く降った時間帯があったのか、メーン球場のグラウンドにはシートがかぶせられ、選手たちは室内練習場に場所を移して練習を行っていました。室内での練習というのはやはり活気に欠け、取材する方にとってもあまり歓迎できません。「中田、場外弾」のような状況はまず起こりえないですからね。選手もやはりストレスを感じながら練習しているようです。

 ですが次の訪問地、北谷ではそんな雨が降ったり降らなかったりの状況もお構いなしの練習が延々と行われていました。たいていのチームは打撃ケージを2個置いて、順番に入れ替わりながらフリー打撃を行いますが、中日はその打撃ケージが3個あります。中央の1個はマシンでした。それとは別に、ファウルグラウンドにもマシン打撃を行う場所があります。これだけで単純に通常の倍の時間、打撃練習を行っていることになります。

 顔ぶれを見ると若手ばっかりで主力はどうしたのかなと思って球場の外に出ると、マイクロバスから汗だくの荒木選手がバットを持って降りてきました。なんでも室内練習場でさんざん打ち込んできたんだとか。この時間は主力が室内、若手が屋外のメーンで練習という状況だったのです。雨がどれだけ強くなろうとも、メーン球場での練習が中断されることはありませんでした。

 そして中日の練習は噂どおりに時間が長い。各球団の練習メニュー表はパッと見どこもそれほど大差はなく、午前中はウォーミングアップ→投内連係練習→バントシフト、とかいうチーム練習が主体で、午後になると選手が4つぐらいのグループに分かれて、ティー打撃→フリー打撃→走塁→守備という流れを時間をずらしながら順番にこなしていきます。その1つずつはたいてい15分とか20分単位なのですが、中日の場合はそれがなんと1時間。最後までやれば4時間です。こりゃあ毎年優勝するはずだわ、との声があちこちから漏れていました。横浜との違いも、同じ日だったのでより鮮明に映りました。

 翌3日も雨。日本ハムは予想通りの中田フィーバーで、訪れる人はだれもが中田の打撃を見てから帰るような状況でした。彼は体が横に大きいため、グラウンドのどこにいてもすぐに分かります。広い札幌ドームといえど、スタンドのファンもすぐに見つけられることでしょう。順調に結果を出して、ぜひ開幕から1軍でバリバリと活躍してほしいものです。

 阪神・宜野座はキャンプ地の中央に位置する巨大な宜野座ドームが存在感を放っています。たいていの室内練習場は、雨で全選手と取材陣が終結してしまうと通路も十分に確保できないような状況ですが、この広大なドームはあれだけ多くの阪神担当記者を収容してもびくともしない容量を持っています。キャンプ時期以外はフットサル場によく使われるとのことですが、コートは余裕持っても4面は取れるでしょうから、きっと大会も開催可能でしょう。阪神キャンプが宜野座市にどれだけの経済効果をもたらしているかがうかがえる充実した施設でした。

 浦添・ヤクルトの主役は号泣王子こと佐藤由規。彼の行くところ常にファンや報道陣がついて回ります。「他の選手も取材したいんですけど、彼をノーマークにするわけにもいかなくて…」という担当記者の嘆きにつくづく同情を覚えました。青木、宮本の五輪代表コンビや新外国人など、通常ならもっと紙面をにぎわすはずの選手の情報が伝わってこないのは、担当記者の体は1つしかない以上無理もないこととはいえ、ちょっと寂しい気もしました。

 オリックスの宮古島キャンプにも行きましたが、パ小池会長もパウエル問題について中村勝広本部長と球場外で話し合っていたのがほとんどでろくに練習も見ておらず、従ってそれを追いかけるわれわれもほとんど見てません。ただ午前9時半に球場に着くと、もうブルペンで加藤、平野らの主力投手がバンバン投げ込んでいたのが印象的でした。聞けば「早出ブルペン」というのがオリックスの定番で、全体練習が始まるころにはたいていの投手がある程度投げ終わっているそうです。早出特打ちというのは普通ですが、早出ブルペンって。これがメジャー式、コリンズ式ということでしょうか。ヒルマンはそんなのやってなかったけどな…。

 どこのキャンプ地も、今年は沖縄の雨の多さに苦労しているようでした。例年雨が多い石垣島でキャンプを張るロッテは(行ってませんが)それこそ大変でしょう。まあ帰ってきてガンガン雪の降る東京を目の当たりにしたときは、雨の沖縄もまだマシなのか、とは思いましたが…。

 まもなく宮崎にも行って参ります。

ソーシャルブックマークへ投稿(ソーシャルブックマークとは はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク

コメント (2)

おっとっとっとっさん

おっとっとっとっさん (6)

2008/02/21 16:26

 中日の練習は長い、と、いろんなところで目にしましたが、なるほど、他のキャンプと比較していただけるとよく分かりますね。
 中身も濃そうっ。
 
 ヤクルト佐藤投手取材にまつわる、担当記者さんの言葉は、考えさせられました。

大塚仁さん

大塚仁さん (9)

2008/02/25 12:12

>>おっとっとっとっさん
 読者もたまには佐藤投手以外の記事が読みたいんだろうなということは、担当記者もよく分かってると思います。どこに行くべきか、どのネタが本当に大事なのか、彼らは常にそうした迷いを抱えつつ取材をしていることでしょう。その決断にあたって大事な材料になるのが読者の方の声です。ここでも社へのメールでも投稿でも、ご意見はどんどんお待ちしていますよ。



トラックバック (0)

トラックバックは受け付けていません。