小関順二が高校野球を語る

スピード王・佐藤由規の落とし穴


小関順二さん

小関順二さん (9)

2007/08/09 23:51

 選手権2日目は大会ナンバーワン投手の呼び声が高い仙台育英高のエース・佐藤由規が登板、甲子園球場のスピードガン表示に「154キロ」を映し出した。春夏甲子園大会のスピードランキングベスト3は1位・寺原隼人(日南学園)、2位辻内崇伸(大阪桐蔭高)3位・松坂大輔(横浜高)、新垣渚(沖縄水産高)、山口俊(柳ヶ浦高)だったが、佐藤が単独3位に踊り出たため松坂など3人は圏外に追いやられてしまった。テレビ、新聞に大絶賛の嵐が吹き荒れるのは当然。しかし、待ってもらいたい。本当に佐藤は松坂や新垣に匹敵する快速球投手なのだろうか。
 素質のよさに文句をつけようとは思わない。しかし、1回戦の智弁和歌山高戦ではストレート、スライダーともに外角に集中、内角には数えるくらいしか行かなかった。腕を振って内角に投げたのは2回表、6番の浦田勇輝への1-3から2-3にした球くらい。これは149キロの目が覚めるような内角ストレートだったが、それ以外はまったく記憶にない。なぜ内角に、とくに右打者の内角に腕を振ってストレートが投げられないのか。それはデッドボールになることを恐れているからだ。
 佐藤は始動で上げた左足が軸足の後ろに回り込み、また腕を大きく外回りさせてバックスイングに入るため、体に過剰なねじれが生まれる。こういう投手は例外なく「ねじり返し」でボールを投げにいくので、左肩の開きが早くなる。正確に言えば、左肩を振って、右腕を出そうとするのである。右打者の内角を狙おうとすれば右側に抜けていく理屈がおわかりいただけると思う。
 スライダーのキレ味がいいのが救いで智弁和歌山高打線を2点に封じ込めたが、内角にこないとわかれば強力打線の帝京高あたりなら踏み込んで150キロ以上のストレートをとらえようとするはず。これは脅しではない。選抜大会での佐藤がそうだった。それから佐藤のピッチングには目覚ましい変化がないので、春の二の舞を演じる危険性は十分ある。2回戦以降はフンドシを締めてかかってほしい。

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コメント (4)

ハトさん

ハトさん (0)

2007/08/10 11:37

詳しい解説ありがとうございます。

素人的には、154キロ、17奪三振などの数字に目がいきがちなので
技術的な考察を書いてもらえると勉強になります!

次の試合を見る時は、内角にどんなボールを投げれるか注目して観戦してみます。

hourigawa_2007さん

hourigawa_2007さん (2)

2007/08/10 21:36

はじめまして。
佐藤投手は腕のしなりがきれいな印象がありましたが、
昨日の試合を見て、連投によるひじの故障が出ないか心配になりました。
周囲の影響で球速を意識せず、腹八分目の投球ができればよいのですが。

メルローさん

メルローさん (3)

2007/08/13 08:25

 松坂もそうですが、どうしても球数が多くなりますね。打たせて取れとは言いませんが、内角を使えれば、もう少し球数が減るかもしれませんね。

ともみさん

ともみさん (42)

2007/08/16 01:58

はじめまして。

昨日の彼は、その「落とし穴」に引っかかったような気が・・・
この経験を糧に、これからもがんばってほしいです!!



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