小関順二が高校野球を語る

強かった常葉菊川高


小関順二さん

小関順二さん (9)

2007/08/18 00:12

選手権10日目は第3試合の日南学園対常葉菊川高戦が、今大会最高と言ってもいい大熱戦で興奮した。選抜大会優勝校なのにその強さをほとんどの人がかえりみず、大阪桐蔭高や仙台育英高の強さばかり強調しようとした。そういう世間やマスコミに対して常葉菊川高は反論したかったに違いない。「小関さん、もっと私たちを見てください。そして、たくさんの選手を褒めてやってください」と。
 静岡大会で1打席も経験していない伊藤新悟が8回裏に代打で登場すると同点ホームランを左中間スタンドに叩き込み、さらに延長10回裏にはサヨナラ内野安打を放つという絵に描いたような逆転劇。全盛時代のPL学園や松坂大輔がいた頃の横浜高のような勝ち方をしたのだから、僕たちマスコミはいい加減に常葉菊川高の強さを認めたほうがいい。そして、選抜準優勝校・大垣日大高の強さも。「地味」だとか「華がない」とか勝手な思惑でつけたキーワードを取り下げないと、高校野球の本当の魅力は見えてこないだろう。
 常葉菊川高や大垣日大高とは逆に、実力以上の評価をされてきたのが第1試合の長崎日大高と対戦した京都外大西高だろう。2年前に準優勝したときの主力投手・本田拓人が3年生になって地力をつけただろうし、人気も高いから、どうしてもマスコミは大きく取り上げようとする。しかし、地力をつけたはずの本田に1年時のような輝きはなかった。
 佐藤由規(仙台育英高)と同様に、左肩の早い開きがあるからどうしても球が外角に集中し、さらに変化球が少ないから、打者は踏み込んでボールをとらえることに苦痛を感じない。8回に集中打を浴びるとついに本田の「運」は尽きた。正直に言えば、よくここまでこられたなと思うくらいだ。
 本田は今後、進学の道を選ぶと思うが、「投球フォーム」とか「技術」とか、これまで真剣に取り組んでこなかった分野に頭を悩ませないとこれ以上の成長はあり得ない。技術とは「心」であり「内面」なのである。本田はそのことに気づくことができるだろうか。

ソーシャルブックマークへ投稿(ソーシャルブックマークとは はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク

コメント (1)

メルローさん

メルローさん (3)

2007/08/19 07:04

 常葉菊川の各打者の腰の座ったフルスイングは魅力を感じます。そして各バッターの構えがいい。いかにも打ちそうな感じが漂っています。準々決勝はその常葉と大垣日大が激突。パワーアップした森田投手と常葉打線の対決、とても楽しみです。



トラックバック (0)

トラックバックは受け付けていません。