小関順二が高校野球を語る

藤川球児に共通する森田貴之の動き


小関順二さん

小関順二さん (9)

2007/08/21 07:36

20日に行われた準々決勝、大垣日大高対常葉菊川高戦は選抜大会決勝戦の再現でもある。選抜では常葉菊川高が勝ち、初の全国制覇を達成したが、夏はどうだったのか。結果はご存知のように常葉菊川高が6対1で大垣日大高を破り、昨年秋の東海大会、今年春の選抜大会に続き対大垣日大高3連勝を飾った。
 田中健二朗(常葉菊川高)、森田貴之(大垣日大高)による投手戦が続き、まるで結末が読めない展開のままイニングは8回へと進む。「熱戦」とか「手に汗握る」というのではない。熱を帯びる前に得点機会が摘み取られいくという印象なのである。3回表には大垣日大高が吉岡規仁の右前打で先制、5回裏には常葉菊川高が石岡諒哉の三塁打、伊藤新悟の右前打で2点挙げるが、それさえ「熱線」には結びつかない。極めて粛々と試合は7回まで進行していった。
 ゲームが大きく動いたのは8回裏。常葉菊川高が怒涛の攻撃で、大会屈指の本格派、森田に襲いかかった。長谷川裕介、相馬功亮、石岡の長短打に大垣日大高ディフェンス陣のエラーなどが重なり、決定的ともいえる4点が入るのである。森田には気の毒だが、試合が初めて熱を帯びたのがこのイニング。それほど静かな印象を与えたのは、もちろん両校のディフェンス陣が固かったからである。
 その中でも森田のピッチングが強く心に残った。昨年秋の東海大会も選抜大会も見ているが、森田を「ドラフト候補」と思ったことは一度もない。しかし、この夏のピッチングを見て僕の中の評価は「A」にまで上がった。よく「腕が振れる」という表現をするが、この森田ほど腕が振れる投手は高校球界を見回してもいない。選手権での最速は148キロ。さらに120キロ台と130キロ台の「遅速2種類」のスライダーを操り、打者を圧倒する。どうしてこれほど成長したのか。否、森田を見る僕の目が曇っていたのか。しかし、選抜の段階で森田自身、「将来はバッティングを生かしていきたい」と言っていたので、「成長」という言葉を使ってもいいと思う。
 技術的には、バックスイングに行くときの早さに注目した。「忙しい動き」とマイナス評価していたが、これは“ある投手”に共通する動きでもある。それは阪神の藤川球児(阪神)だ。カミソリのようなボールの伸びはこの動きにヒントがあるといってもいいだろう。ちなみに、藤川のストレートは高めに行くことが多いが、森田のストレートは低めが多い。いずれにしても、負けることによって鮮烈な印象を刻んだ森田は、今年の高校生投手の中でもトップランクに位置づけられることは間違いないだろう。

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コメント (1)

メルローさん

メルローさん (3)

2007/08/21 08:11

 森田投手。春はあまり印象がなかったのですが、夏は目立ちました。右打者への内角にも制球良く投げ込めるし、見ていて気持ちの良いピッチャーでした。



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