30球団ルーキー・ウオッチング

シチズンズバンク・パーク(フィラデルフィア・フィリーズの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/09/18 11:32

◆球場データ

所在地:ペンシルベニア州フィラデルフィア
オープン:2004年4月12日
球場様式:オープンエアの天然芝球場
球場のタイプ:典型的なヒッターズパーク
<ホームからの距離>

<フェアテリトリーの面積>
推定9750平方メートル(10万5000平方フィート)やや狭い
<ファウルテリトリーの広さ>
狭い

収容人員:4万3647人
芝:天然芝-ケンタッキー・ブルーグラスを主体にブレンドした芝を使用
芝の長さ:平均レベル。メンテナンスがよくイレギュラーが出にくい
ダグアウト:ホームチーム一塁側、ビジター三塁側
外野フェンスの高さ:
レフト~左中間~センター3・2メートル
センター左後方3・2~3・9メートル
センター1・8メートル
右中間~ライト:3・9メートル
<形の特徴>
(1)正方形に近い形をしており右中間と左中間の膨らみがまったくない
(2)外野はファウルテリトリーがほとんどない
<自然条件の特異性>
とくに大きなものはないが、向かい風が吹く日がほとんどないため、狭いうえに、飛球が伸びるケースが多い

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=とくに有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)
<有利なタイプ>
◎フライボールヒッター(ジミー・ロリンズ、パット・バール)要因:大きな外野フライが本塁打になる
○パワーのあるラインドライブヒッター(チェース・アットリー、アーロン・ローワンド要因:長打が出やすい
○強肩の外野手(パット・バール)要因:左中間・右中間が浅いためアシストの機会が増える
<不利になるタイプ>
▲フライボールピッチャー(06年のランディ・ウルフ、04のエリック・ミルトン)要因:一発を食うケースが多くなる
▲ハッスルプレーの多い外野手(アーロン・ローワンド)要因:左中間・右中間が浅いためフェンスに激突するリスクがある
△ホームラン狙いのバッティングをしてしまう打者(ライアン・ハワード)要因:結果的に三振と凡フライが多くなる

◆データが示す球場傾向

シチズンズバンク・パークにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ全30球場の平均値との比較。例:本塁打+13%は本塁打が全30球場の平均より13%多いことを意味します)
04年  得点+2%  本塁打+13%  安打-2%  二塁打+16%
05年  得点+16% 本塁打+29%  安打+12% 二塁打+13%
06年  得点+6%  本塁打+20%  安打+1%  二塁打+3%
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)
データから読み取れること
・本塁打が出やすく、それに比例して得点も増えるパワーヒッターに有利な球場

◆ホームチームの野球スタイル

フィリーズの野球スタイル:最近は典型的なビッグボール
打線の中軸にアットリー、ハワード、バールを据えたパワー・ベースボール

◆シチズンズバンク・パークにまつわるエピソード

(1)スモールボールで存在をアピールした井口資仁
井口が7月末にトレードでホワイトソックスからフィリーズに移籍したのは、MVP候補のチェース・アットリーが右手を骨折し、ひと月ほど戦列を離れることになったからだ。フィリーズに来てから井口は前半のスランプが嘘のようにコンスタントに当たりが出て9月13日現在で打率が3割を超えているが、チームへの貢献度は数字以上のものがある。とくに評価されているのはビッグボールに傾斜したチームの中で、スモールボールの重要性を改めて認識させるプレーを頻繁に見せていることだ。進塁打、バント、盗塁、相手の虚をついて一つ先の塁を奪う走塁、状況判断のいい守備-こういったものはフィリーズに最もかけている部分だっただけに、地元メディアは「イグチ、スモールボールでチームに貢献!」と絶賛している。残念なのは8月27日にアットリーが復帰して以降、控えに回っていることだが、フィリーズに来てからの活躍で井口の評価は再上昇しているので、今オフには3年以上の複数年契約で優勝を争う強豪チームと契約することになるだろう。

(2)打ちまくる強豪チームを作り上げた日本で本塁打王2回のチャーリー・マニエル監督
フィリーズは04年まで低迷が続いていたが、日本の野球ファンにはおなじみのチャーリー・マニエルが監督に就任した05年以降は勝ち越し続きで、3シーズン連続で終盤までワイルドカード争いを繰り広げている。マニエルが大リーグの監督になったのはインディアンスが最初だが、これは打撃コーチとしてメジャーで最も得点力のある打線作りに貢献したことと、トリプルAの監督時代にマニー・ラミレスをはじめとする数多くの逸材を育成した手腕が評価されたためだ。

もう一つマニエルの長所となっているのは、選手と気さくに接し、気持ちよく働かせるのがうまいことだ。フィリーズがマニエルを監督に起用したのは、打ち勝つチームを作るのに最適の人材という評価のほかに、鬼監督として知られるラリー・ボーワ監督(現ヤンキース三塁コーチ)のもとで、すっかり暗くなったチームの雰囲気を明るくできる人材と見ていたからだ。実際、監督になったあとのマニエルは、寛容で押し付けがましいところがまるでないため選手にはたいへん受けがよく、瞬く間にチームの雰囲気がよくなっている。監督と選手の間の垣根も取り払われ、いたずら者のジョン・リーバーなどはマニエルに「ミスター・インクレディブル」(人気のディズニーキャラクター。マニエルによく似ている)というあだ名を付けて、監督室のドアに、ミスター・インクレディブルの決めゼリフを紙に書いて張り付ける悪ふざけまでしている。

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