30球団ルーキー・ウオッチング

AT&Tパーク(エイティエンドティパーク=サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/07/09 19:04

◆球場データ

所在地:サンフランシスコの中心部に程近いサンフランシスコ湾に面した一角
オープン:2000年3月30日
改称:ネーミング権を持つ企業の合併等で名称が2度も変更されている。オープンから2003年まではパシフィックベルパーク、04年05年はSBCパーク、06年から現在のAT&Tパークになった
球場様式:オープンエアの天然芝球場
球場のタイプ:ピッチャーズパーク

<ホームからの距離>
レフト線:103・3メートル(339フィート)
レフトポールとセンターの中間点:110・9メートル(364フィート)
左中間:116・4メートル(382フィート)
センター左後方の最深部:123・1メートル(404フィート)
センター:121・6メートル(399フィート)
右中間の最深部:128・3メートル(421フィート)
右中間の突出地点:111・3メートル(365フィート)
ライト線:94・2メートル(309フィート)
バックフェンス:14・6メートル(48フィート)
フェアテリトリーの面積:公表データなし。かなり広い印象を受ける
ファウルテリトリーの広さ:平均レベル
収容人員:4万1503人
芝:天然芝-ケンタッキー・ブルーグラスを主体にブレンドした芝を使用
芝の長さ:平均レベル。手入れがよくイレギュラーバウンドが少ない
ダグアウト:ホームチーム3塁側、ビジター1塁側
外野フェンスの高さ:レフト~センター~左中間=2・4メートル(8フィート)、右中間~ライト=7・6メートル(25フィート)

<自然条件の特異性>
(1)以前使っていたキャンドルスティックパークほどではないが、海に面しているため風が強い
(2)デーゲームの時はホームからレフトに強い日差しが照りつけ、捕球を妨げる

<形の特徴>
(1)外野が広い
(2)ライト側観客席の後方が海になっているため130メートル以上の飛距離が出る本塁打は海に飛び込む。このうち、ジャイアンツの選手が打ったものを「スプラッシュ(水しぶきホームラン)」と呼んでいる
(3)右中間が極端に深い
(4)ライト側のフェンスがトリッキーな形に作られている

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=特に有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)

<有利なタイプ>
◎フライボールピッチャー(バリー・ズィトー、マット・ケイン、肩を壊す前のジェイソン・シュミット)要因:広い外野
◎守備範囲の広い強肩のセンター、ライト(03年のホセ・クルーズ、02年の新庄剛志)要因:広い外野
○新人投手-要因:失投が本塁打になりにくい

<不利にならないタイプ>
○球場の形を超越したパワーを備えたホームランバッター(バリー・ボンズ)
○右のプルヒッター(リッチ・オリーリア、モイゼス・アルー)
○広角に打ち分けるラインドライブヒッター(ランディ・ウィン)

<不利なタイプ>
▲長打を期待される左打者(J.T.スノウ、04年のA.J.ピアジンスキー)要因:深い右中間、風向き
▲守備範囲の狭い外野手(バリー・ボンズ、モイゼス・アルー)要因:広い外野
△肩の弱い外野手(ランディ・ウィン、デーブ・ロバーツ)要因:広い外野

◆データが示す球場傾向

AT&Tパークにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ30球団の平均値との比較。例:本塁打-10%はチーム本塁打が全30球団の平均より10%少ないことを意味します)

04年  得点+7%  本塁打-10% 安打+7%  二塁打+10%
05年  得点-3%  本塁打-8%  安打-4%  二塁打-9%
06年  得点-1%  本塁打-32% 安打-3%  二塁打+8% 
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)データから読み取れること
本塁打がかなり出にくい

◆ホームチームの野球スタイル

ジャイアンツの野球スタイル:04年まではボンズへの依存度が高いビッグボール。現在はボンズがいなくても勝てる野球を模索中。ベテラン主体の打線のため機動力に欠ける。

◆スプラッシュの数

ジャイアンツの選手が打った海に飛び込むホームランは「スプラッシュ」としてカウントされている。これまでに43本記録されているが内訳は以下の通りだ。
バリー・ボンズ(34)
マイケル・タッカー、シザー・クレスポ(各2)
ランディ・ウィン、ライアン・クレスコ、A.J.ピアジンスキー、ホセ・クルーズ、J.T.スノウ(各1)
※これ以外に相手チームの打者が14本記録しているので07年6月末現在、海に飛び込んだホームランの合計は57本

◆AT&Tパークにまつわるエピソード

(1)「バリー・ボンズのために作られた球場」と勘違いされている背景
この球場の名物は何といってもバリー・ボンズが放つ海に飛び込むホームランだ。これまでの生まれたスプラッシュ43本のうち34本がボンズによるものなので、ヤンキースタジアムがベーブルースのために作られたように、この球場も当初からバリー・ボンズのパワーが引き立つように設計されたように思われているふしがある。

しかし、そのような事実はない。もしボンズのためにデザインされたのであれば、ヤンキースタジアム同様、この球場も左のパワーヒッターに有利な右中間が浅い形になっていただろう。ところがこの球場は逆だ。右中間が何と128メートルもある。ライト線は短いが、フェンスが高いうえ、ライトからレフト方向に強い風が吹くことが多いためレフト側よりはるかにホームランが出にくい。

この球場のライト側が海にへばりつくような形になったのは、あくまでも狭い埋立地に球場を建設しなければならなかったからで、ボンズを意識したものではない。それでいながらボンズがこの球場の開場とともに、海に飛び込むスプラッシュをハイペースで打つようになったのは、99年のシーズンが終わったあとステロイドを使った筋力トレーニングを開始し、格段にパワーアップして新球場の打席に立つようになったからだ。ステロイドが球場の形を超越したパワーを彼に与えたのだ。

(2)守備面では評価が高かった新庄剛志だったが…
01年メッツで期待以上の活躍を見せた新庄剛志はトレードでジャイアンツに移籍し「1番・センター」に定着することを期待された。しかし、この球場でセンターの守備とトップバッターの仕事を両立させるのは至難の業だ。右中間が極端の深い構造になっているうえ、レフトのボンズの守備範囲が極端に狭いためジャイアンツのセンターは守備範囲の広い上にかなりの強肩でなくてはならない。一方、トップバッターとしてはボンズの前にランナーを溜めなくてはいけないので何よりも出塁率の高さを要求される。合格ラインは打率2割8分~9分、出塁率3割3分~4分といったところだ。

それまで何人もの選手が試されたが全員が不合格だったため、ジャイアンツは大きな期待を込めて02年の開幕から新庄を「1番センター」に据えた。しかし、守備には合格点が与えられたものの、思い切りのいいスイングと意外性が魅力の新庄はどう見てもトップバッター向きではない。開幕から打率が低空飛行を続けた新庄はひと月もしないうちにトップバッター不合格の烙印を押され、シーズン後半はケニー・ロフトンの加入で出番がほとんど無くなってしまった。

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コメント (4)

おっとっとっとっさん

おっとっとっとっさん (7)

2007/07/12 01:25

 イチロー選手によって、メジャーリーグのオールスターゲーム史上初のランニングホームランが生まれましたよね。
 右中間が深い、ということも要因だった、ということになるのでしょうか。
 そんな理屈抜きに、史上初ということをやってしまうイチロー選手って、やっぱりすごいんでしょうが。
 もしかしたら、球場の特徴を把握していたから、生まれたものかもしれませんが…。
 いずれにせよ、恐るべし、イチロー選手ですよね。
 

keiさん

keiさん (0)

2007/07/12 06:21

イチローがやってくれましたね!!!

AT&Tパークは、守りなれていない外野手には、たいへんな球場なんですね。

友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/07/17 11:20

おっとっとさんへ

イチローは球場の特徴を把握していたとは思えません。打ったあとホームランのつもりで走っていましたから。ゲーム後の記者会見で「この球場嫌い」といっていたのはその証拠です。私も打った瞬間ホームランだと思いました。気温が低い日はここまで打球が伸びないのかと正直驚きました。この球場でコンスタントに130メートル飛ばしてスプラッシュ・ホームランにするには特別な力(筋肉増強剤)が必要であることがよくわかりました。(トモくん)

友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/07/17 11:29

keiさんへ

ジャイアンツのセンターとライトは大変ですよね。ベテラン好きのセイビアンGMは昨年ボンズ・ウィン・アルー、今年はボンズ・ロバーツ・ウィンという守備範囲が狭い選手(ボンズ・アルー)や肩に問題がある選手(ウィン、ロバーツ)で外野を固めているけど、ピッチャーから文句が出ないんですかねえ。ジャイアンツはケイン、ズィト、ラウリーとフライボールピッチャーが多いので、年間で見るとかなり外野の守備力不足で失点しているんじゃないでしょうか。(トモくん)



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