30球団ルーキー・ウオッチング

(11)田口壮(フィリーズ)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2008/01/07 13:20

今季は「左投手用の先発ライト」+「終盤のピンチヒッター、ピンチランナー、ピンチバンター」で起用されることになる、チャンスにメチャ強い38歳のクラッチヒッター(※数字はプレーオフの成績も含みます)。

カモにしている主要投手(5打席以上)
デービッド・ウェルズ(ドジャース)9打数、5安打(打率.556)、二塁打0、本塁打1、打点3
オリバー・ペレス(メッツ)8打数、4安打(打率.500)、二塁打0、本塁打0、打点3
ドントレル・ウィリス(マーリンズ)11打数、5安打(打率.455)、二塁打1、本塁打0、打点3
ビリー・ワグナー(メッツ)9打数、3安打(打率.333)、二塁打1、本塁打1、打点3

苦手な投手(5打席以上)
ライアン・デンプスター(カブス)7打数、0安打(打率.000)、二塁打0、本塁打0、打点0、四球0、三振0 
トム・グラビン(ブレーブス)14打数、1安打(打率.071)、二塁打0、本塁打0、打点0、四球0、三振0
アンディ・ペティット(ヤンキース)12打数、1安打(打率.083)、二塁打1、本塁打0、打点2、四球0、三振5

<チェック!>我々の印象にいちばん残っているのは06年ナ・リーグ優勝決定戦での「ワグナー殺し」だ。第2戦で9回代打勝ち越し本塁打、第6戦で2打点をたたき出す二塁打を放った活躍はアメリカのメディアでも大きく取り上げられていた。ただトータルで見るとワグナーのようなパワーピッチャーとは相性はあまりいいとは言えず6年間のトータルで見ると打率は2割4~5分くらい。技巧派投手に対しては3割近い打率を残している。

相性のいい球場(8試合以上)
ペトコパーク(サンディエゴ)打率.458、二塁打4、本塁打1、打点6、四球2、三振3(10試合)
ドルフィン・スタジアム(マイアミ=マーリンズ)打率.333、二塁打1、本塁打0、打点5、四球1、三振4(9試合)
ミラーパーク(ミルウォーキー)打率.329、二塁打6、本塁打0、打点12、四球8、三振10(33試合)

相性の悪い球場(8試合以上)
AT&Tパーク(サンフランシスコ)打率.095、二塁打0、本塁打1、打点4、四球0、三振3(10試合)
ドジャースタジアム(ロサンゼルス)打率.133、二塁打0、本塁打0、打点1、四球1、三振3(11試合)

<参考>新ブッシュスタジアム(セントルイス)打率.285、二塁打13、三塁打0、本塁打0、打点18、四球30、三振39(134試合)。旧ブッシュスタジアム(セントルイス)打率.285、二塁打23、三塁打2、本塁打7、打点41、四球21、三振46(158試合)

<チェック!>パドレス戦ではマダックス、ピービ、ラインブリンクをよく打っている。

よく打つシチュエーション(40打席以上)
満塁の場面…40打数、20安打(打率.500)、二塁打7、本塁打0、打点45
ランナーが三塁にいる場面…33打数、15安打(打率.455)、二塁打3、本塁打1、打点20

あまり打たないシチュエーション(40打席以上)
ランナーが一塁にいる場面…226打数、57安打(打率.252)、二塁打5、本塁打3
ランナーなしの場面…750打数、204安打(打率.272)、二塁打46、本塁打11

<チェック!>田口のクラッチヒッターぶりは驚異的なレベルだ。得点圏打率は3割3分7厘という高率で、代打の切り札としていかに貴重な戦力になっているかがわかる。

相性のいいアンパイア
ジム・ジョイス(06年10月13日もメッツ戦でワグナーから勝ち越しソロを打ったときの主審。0ボール2ストライクから3つ続けてボールの判定だったがひとつきわどいボールがあった。この審判はストライク率の低い審判の一人)

相性の悪いアンパイア
ジョー・ウエスト(05年5月6日のアストロズ戦で3三振したときの主審。田口は大リーグで3三振したゲームが2つしかないが、そのうちのひとつ。きわどいコースをストライクに取られて追い込まれ、空振りの三振2回のあと、最後はトレバー・ホフマンの速球をストライクと判定され見逃しの三振に取られている)

<チェック!>田口は審判の受けがたいへんいい選手のひとり。初めて打席に立つ際、ヘルメットのツバに手をやって必ずあいさつするのは田口だけだ。

よく打つカウント(平均と比較して、100打席以上)
0ボール1ストライク…打率.394(137打数、54安打、二塁打11、本塁打2)
1ボール0ストライク…打率.388(147打数、57安打、二塁打10、本塁打5)

あまり打てないカウント(平均と比較して、100打席以上)
初球…打率.275(167打数、46安打、二塁打4、本塁打3)

<チェック!>カウント別の成績でいちばん顕著な点は、初球に弱くて2球目によくヒットが出ていること。

よく打つ球種(07年)
速球(打率3割4分前後)

やや苦手な球種(07年)
スライダー(打率2割前後)

<チェック!>速球はシュートしてくるシンカー系のボールに強い。

<寸評>

田口はフィリーズ入りで出番が増えそうだ。役回りは、
(1)左打者のジェフ・ジェンキンズとプラトーンを組んで左投手用の先発ライト
(2)7回以降のピンチヒッター、ピンチバンター、ピンチランナー
(3)レフトの守備固め要員
以上の3つになるものと思われる。打順は昨年8月以降、井口資仁がやっていた2番が多くなると思われるが、シェーン・ビクトリーノの出来がよければ7番が多くなるかもしれない。フィリーズが田口を獲得したのは最大のライバルであるメッツのエース格、オリバー・ペレスに相性がいいことと「ビリー・ワグナー殺し」である点が大きな要因になっていると思われる。契約は年俸105万ドルの1年契約だが、09年はフィリーズのオプションになっている。足、パワー、肩にまったく衰えは見られないので、昨年並みの成績を出してぜひ日本人選手ではじめて40代でプレーする選手になって欲しいものだ。

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