30球団ルーキー・ウオッチング

マカフィー・コロシアム(オークランド・アスレチックスの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/07/23 15:08

◆球場データ

所在地:カリフォルニア州オークランド。サンフランシスコ湾の東岸
オープン:1966年9月18日(フットボールのレイダーズの試合)。アスレチックスがカンザスシティからオークランドに移転したのは1968年
球場名の変遷:1996年までは「オークランド・アラメダ郡コロシアム」だったが97年に命名権が設定されて以降「ユーマックス・コロシアム」「ネットワークアソシエーツ・コロシアム」「マカフィー・コロシアム」と球場名が変わっている
球場様式:オープンエアの多目的スタジアム。フットボールのレイダーズと共同で使用
球場のタイプ:ニュートラルパーク(有利不利のない球場)
新球場:アスレチックスは2011年にオークランドから40キロほど南に位置するフリーモント市に建設中の新球場「シスコ・フィールド」に移転する予定。シスコ・フィールドは収容人員3万2000~3万5000規模で、野球だけに使用される天然芝のオープンエア球場。それにともない球団名もオークランド・アスレチックスからフリーモント・アスレチックスになる可能性が高い

<ホームからの距離>

フェアテリトリーの面積:1万34平方メートル(10万8千平方フィート)
ファウルテリトリーの広さ:極端に広い(5万7000平方フィートくらいある)
収容人員:3万4077人
芝:天然芝-バミューダ芝主体の腰の強い芝を使用している
芝の長さ:よく刈り込んであるが、芝が強く密に生えているため打球はよく失速する
ダグアウト:ホームチーム三塁側、ビジター一塁側
外野フェンスの高さ:2・4メートル(8フィート)、左中間、右中間のみ4・6メートル(15フィート)
<自然条件の特異性>
夏場のデーゲームは晴れて気温が上がりボールがよく飛ぶことが多いが、日が傾きだすと急に冷たい海風が吹いて気温が下がりボールが飛ばなくなる
<形の特徴>
(1)ファウルテリトリーがたいへん広い
(2)左中間、右中間が浅く、外野が狭い

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=特に有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)
<有利なタイプ>
○守備力のある一塁手、三塁手(エリック・シャべス)要因:広いファウルテリトリー
○強肩の遊撃手、三塁手(エリック・シャべス、ボビー・クロスビー)要因:ゴロを失速させる芝
○広角に打てるパワーヒッター(エリック・シャべス、フランク・トーマス)要因:浅い左中間、右中間
○グラウンドボールピッチャー(ティム・ハドソン、マーク・マルダー)要因:ホームランリスクが減る、ダブルプレーが多い
<不利にならないタイプ>
□肩の弱い外野手(シャノン・ステュワート)要因:狭い外野
<不利なタイプ>
△長打を狙ってスイングが大きくなる傾向のある打者-要因:ファウルフライが多くなる
△三振逃れのファウルが多い打者-要因:ファールフライが多くなる

◆データが示す球場傾向

マカフィー・コロシアムにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ30球団の平均値との比較。例:得点-1%はチーム得点が全30球団の平均より1%少ないことを意味します)
04年  得点+1%  本塁打+9%  安打-2%  二塁打-2%
05年  得点+6%  本塁打-11% 安打+2%  二塁打+13%
06年  得点-8%  本塁打-15% 安打-2%  二塁打-7%
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)
データから読み取れること
すべてが平均レベルでハッキリした特徴がない

◆ホームチームの野球スタイル

アスレチックスの野球スタイル:投手力で勝つ野球
ここ数年はトップレベルの投手力と平均レベルの打線で常に好成績を上げている。攻撃面では四球と出塁率を重視するのが最大の特徴

◆マカフィー・コロシアムにまつわるエピソード

(1) ホームゲームでは好投した藪惠壹
阪神のエースだった藪が05年アスレチックスと契約し、1シーズン、マカフィー・コロシアムで投げている。この甲子園球場によく似た形をした球場で、藪はコーナーを狙いすぎて四球でランナーを出す場面が多く見られたが、要所を変化球を駆使して三振やダブルプレーで切り抜けるケースが多く20試合に登板して2勝0敗1セーブ、防御率3・14というまずまずの数字を残している。特に注目すべき点はホームで28・2イニング投げていながら被本塁打が1つしかなかったことだ。ただ、藪にとって不運だったのはアスレチックスが四球を出さない投手を好むことと、投手陣の世代交代をはかっている時期だったためホームゲームで好投しているにもかかわらず、シーズン後半は登板機会を満足に与えられなかったことだ。
(2)「最強の貧乏球団」にふさわしい本拠地
アスレチックスはこの10年間、平均をはるかに下回る予算でヤンキースと比べても遜色のない好成績をあげてきた。これはマイケル・ルイスのノンフィクション「マネーボール」に詳しく書かれている通り、天才GMビリー・ビーンが、スターではない隠れた好選手をただ同然で取ってきていい働きをさせていることが最大の要因になっている。「安く使えるいい選手」の共通点は、飛びぬけたパワーや脚力がないが選球眼がいいこと。突出したパワーや足がある選手はそれがウリになって年俸が高くなるが、四球の多い選手はいくら多く選んでもほとんど年俸に反映されない。ビーンGMが目をつけたのはそこだった。そのような発想をするGMにとってマカフィー・コロシアムはうってつけの球場だといえる。なぜなら特別な能力を要求されない、どんな選手にも不利にならない没個性な球場だからだ。

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