30球団ルーキー・ウオッチング

レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン(テキサス・レンジャーズの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/08/09 14:57

◆球場データ

所在地:テキサス州のダラス郊外(アーリントンはダラスとフォートワースの中間にある郊外都市)
オープン:1994年4月1日
球場名の変遷:開場以来10年あまり「ザ・ボールパーク・イン・アーリントン」という名称だったが、企業に命名権を売却することになり04年5月に「アメリクエスト・フィールド・イン・アーリントン」に名称変更。今季からレンジャーズが命名権の売却を中止したため「レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン」に再度名称が変わった
球場様式:オープンエアのオープンドア球場
球場のタイプ:典型的なヒッターズパーク
<ホームからの距離>


<フェアテリトリーの面積>
1万500平方メートル(11万3000平方フィート)
<ファウルテリトリーの広さ>
やや狭い

収容人員:4万9115人
芝:天然芝-高温乾燥に強いバミューダ芝の「ティフウェイ419」という品種を主体にブレンドした芝を使用
芝の長さ:長い(内野の芝が長くなり以前ほど打球が弾まなくなった)
ダグアウト:ホームチーム一塁側、ビジター三塁側
外野フェンスの高さ:レフト~左中間4・3メートル(14フィート)、左中間~センターライト2・4メートル(8フィート)
<自然条件の特異性>
(1)6月から9月まで猛暑の日が続き空気も乾燥しているためボールがよく飛ぶ。そのため球場の面積が広いのに典型的なヒッターズパークになっている。
(2)6月から9月のデーゲームは体感温度が40度を超えるため選手の体力の消耗が激しい
<形の特徴>
(1)外野が広い
(2)レフト~左中間が深く、右中間~ライトが浅い
(3)外野フェンスがトリッキーな形に作られている

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=特に有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)

<有利なタイプ>
◎左のパワーヒッター(ハンク・ブレイロック、ブラッド・ウィルカーソン、左打席のマーク・タシェアラ、04年までのラファエル・パルメイロ、05年のデービッド・デルーチ)要因:浅い右中間~ライト、高温乾燥でボールがよく飛ぶ、ホームラン風
○守備範囲の広い強肩の外野手(06年のゲーリー・マシューズ)要因:広い外野
○グラウンドボールピッチャー(大塚晶則、04、05年のケニー・ロジャーズ)要因:ホームランやヒットのリスクが減る
○ラインドライブヒッター(マイケル・ヤング、フランク・カタラナート、ケニー・ロフトン、06年のイアン・キンズラー)要因:外野の守備位置が深くなる、外野が全体に広い
○スタミナのある選手-猛暑(特にデーゲーム)
<不利なタイプ>
▲フライボールピッチャー(フランシスコ・コデーロ、朴賛浩)要因:ホームラン、ヒットのリスクが高い
▲新人投手-要因:失投が長打に繋がるため自分のペースで投げられない
△ほとんどのピッチャー-要因:ヒットが出やすい
△肩の弱い外野手(フランク・カタラナート、ケニー・ロフトン)要因:広い外野

◆データが示す球場傾向

レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ30球場の平均値との比較。例:得点+8%は得点が全30球場の平均と比較して8%多いことを意味します)
04年  得点+22% 本塁打+9%  安打+9%  二塁打+9%
05年  得点+8%  本塁打+26% 安打+4%  二塁打+3%
06年  得点+8%  本塁打+7%  安打+3%  二塁打+13%
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)
データから読み取れること
(1)本塁打だけでなくシングルや二塁打も出やすい打者に有利な球場
(2)本塁打の数と得点の増減が一致していない

◆ホームチームの野球スタイル

レンジャーズの野球スタイル:ビッグボール
先発投手陣をいつまでたっても整備できずホームランを打ち散らかして負けるゲームが多い

◆レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンにまつわるエピソード

(1)ステロイド選手の巣窟と化したヒッターズパーク
この球場はボールがよく飛ぶため、選手はパワーアップすれば本塁打が急増する。そのため、これまで打線の中核を担ってきた選手の中にはステロイドを常用して筋力をアップさせメジャー屈指のホームランバッターにのし上がった者が少なくない。そのきっかけとなったのは、ステロイドの伝道者=ホセ・カンセコの加入だ。92年のシーズン中にアスレチックスから移籍したカンセコはラファエル・パルメイロ、イヴァン・ロドリゲス、ホアン・ゴンザレスらに次々にステロイドのやり方を伝授。彼らはメジャーを代表するホームランバッターにのし上がった。これはカンセコが05年2月に刊行した暴露本で洗いざらい喋ったため広く知られることとなったが、その当時のレンジャーズの共同オーナーの1人が野球界のステロイド汚染浄化を強力に推し進めているジョージ・ブッシュ現大統領だったため、メディアの一部からは「大統領は自分のチームのステロイド汚染の実態を本当に知らなかったのか?」という声が上がった。

(2)グラウンドボールヒッターに変身しクローザーとして大成功した大塚晶則
この球場はクアーズフィールドについでピッチャーに不利な球場だ。他のチームで華々しい活躍をしていた投手もレンジャーズに来ると、たちまち防御率5点台、6点台に落ち込むケースが多い。そんな中で大塚晶則がレンジャーズに来てからこの球場で目を見張る好投を続けていることは賞賛に値する。大塚はレンジャーズに来てからの1シーズン半(07年7月18日のDL入りまで)、ロードでは防御率が2・91だが、ホームでは1・66というこの球場ではありえないような凄い防御率を出している。それを可能にしているのは抜群の制球力があることに加え、伝家の宝刀=タテ・スラを効果的に使ってゴロを引っ掛けさせるピッチングを繰り広げているからだ。

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