30球団ルーキー・ウオッチング

エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/08/23 17:49

◆球場データ

所在地:ロサンゼルスの南郊、アナハイム市。ディズニーランドに隣接している
オープン:1966年4月19日
球場名の変遷:97年までは「アナハイム・スタジアム」。97年に命名権が企業に売却され「エジソン・インターナショナル・フィールド」に名称が変更され、04年に現在の名称になった
球場様式:オープンエアの天然芝球場
球場のタイプ:ややピッチャーズパーク
<ホームからの距離>


<フェアテリトリーの面積>
1万200平方メートル(11万平方フィート)平均よりやや広い
<ファウルテリトリーの広さ>
平均レベル

収容人員:4万5050人
芝:天然芝-バミューダ芝を主体にブレンドした芝を使用
芝の長さ:平均レベル(夏は強い日射と乾燥で生育が悪くなりグラウンドが硬くなる)
ダグアウト:ホームチーム三塁側、ビジター一塁側
外野フェンスの高さ:両翼のポール付近-1・2メートル(推定)、レフト~左中間~センター右奥-2・4メートル、センター右奥~ライト-5・5メートル
<自然条件の特異性>
(1)砂漠気候のためシーズン中はほとんど雨が降らない
(2)夏場は強い日差しでグラウンドが固くなりボールが高くはねる
<形の特徴>
(1)左中間が深く、右中間が浅い
(2)右中間からライトにかけてのフェンスが極端に高い

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=とくに有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)
<有利なタイプ>
◎クッションボールの処理に慣れた強肩のライト(ウラジミール・ゲレーロ)要因:二塁打をシングルにできる
○守備範囲の広いセンター(ゲーリー・マシューズ、00~03年のダリン・アースタッド)要因:深い左中間、ライトがクッションボールを取りそこなったときのカバー
○グラウンドボールヒッター(ショーン・フィギンズ、ケイシー・コッチマン)要因:夏場に硬くなるグラウンド
○打球への反応の速い遊撃手(オーランド・カブレラ)要因:ゴロで内野を抜けるヒットの減少
○センター方向に打球が飛ぶ比率の高いパワーヒッター(ウラジミール・ゲレーロ)要因:打球が伸びる、センターのフェンスに膨らみが無い
<不利なタイプ>
△右のプルヒッター(オーランド・カブレラ)要因:深い左中間
△左のラインドライブヒッター(ギャレット・アンダーソン、ダリン・アースタッド)要因:ライナー性の本塁打が高いフェンスに当たって単打になる
△フライボールピッチャー(アービン・サンタナ、05年までのジャロッド・ウォシュバーン、97~99年の長谷川滋利)要因:高温乾燥の夏場はボールがよく飛ぶ

◆データが示す球場傾向

エンゼル・スタジアムにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ全30球場の平均値との比較。例:得点-3%は得点が平均値より3%少ないことを意味します)
04年  得点-3%  本塁打+6%  安打+2%  二塁打-14%
05年  得点-8%  本塁打-10% 安打-5%  二塁打-2%
06年  得点-9%  本塁打-20% 安打+3%  二塁打-4%
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)
データから読み取れること
・長打が出にくく得点が入りにくい(本塁打は本来出やすいが、数が少ないのはエンゼルスが典型的なスモールボールのチームだからだと思われる)

◆ホームチームの野球スタイル

エンゼルスの野球スタイル:典型的なスモールボール

◆エンゼル・スタジアムにまつわるエピソード

(1)不利な球場にも見事に適応して見せた長谷川滋利
この球場で活躍した日本人選手は、何といっても長谷川滋利だ。長谷川は97年にエンゼルスと契約し、01年までエンゼルスに在籍したが、はじめは、球質が軽いフォーム中心の投球だったこともあって今より左中間がずっと浅かったこの球場で一発を食うことが多く、97~99年までの3年間はホームでの防御率が4・42であるのに対しロードでは3・36と本拠地球場との相性が悪かった。そうなった最大の要因は本拠地での被本塁打が多いことで、この3年間に許した本塁打42本のうち28本をホームで打たれている。クレバーな事で知られる長谷川は、速球の威力を増す努力を重ねる一方で、ボールを動かす(速球の軌道を変える)ピッチングや、決め球のスライダーを引っ掛けさせて効果的にゴロを打たせるピッチングに磨きをかけて、フライボールピッチャーから脱皮。

エンゼルスでの最後の2シーズンは、ホーム防御率が3・01、被本塁打が6であるのに対し、ロードでは防御率4・42、被本塁打10と、本拠地での数字がロードよりはるかによくなっている。こうした長谷川の努力は、メジャー有数のピッチャーズパークを本拠地とするマリナーズに移籍したあと、大いに花開くことになる。

(2)ドジャース野球を展開してエンゼルスを常勝軍団に変身させたマイク・ソーシア
エンゼルスは62年の球団創設から40年たった00年くらいまでは、資金力があるにもかかわらず、プレーオフに進出したのが3回しかなく、ライバル・ドジャースの後塵を拝し続けてきた。しかし2000年にドジャースの正捕手だったマイク・ソーシアが監督に就任してからは常勝軍団に変身。今ではプレーオフ進出が当たり前のチームになった。その強さの秘訣はドジャース野球を徹底的に実践していることにある。

ドジャース野球=機動力野球(スモールボール)である。ソーシア監督になってからのエンゼルスは、徹底的に足を絡めた野球で勝機をつかみ、1、2点のリードをメジャー随一の陣容を誇るブルペン陣を次々に繰り出して勝つパターンが実に多い。いかに徹底したスモールボールのチームであるかは、盗塁成功数、ヒットエンドラン成功数が毎年ダントツの1位である半面、チーム本塁打の数ではリーグ14球団中10位以下であることを見れば明らかだ。今季もエンゼルスはア・リーグ西地区のトップを快調に走っているが、盗塁成功数とバント成功数は1位でも、本塁打ではリーグ14球団中13位だ。

ホームランに頼らない野球のエンゼルスは、ホームランに頼ったビッグボールのチームに強く、ヤンキースには04年から3シーズン連続で勝ち越している。今季も4勝2敗とリードしているので、「ヤンキースが力負けする唯一のチーム」という最強伝説はしばらく続きそうだ。

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