30球団ルーキー・ウオッチング

ミニッツメイド・パーク(ヒューストン・アストロズの本拠地)


友成那智さん

友成那智さん (0)

2007/08/28 19:56

◆球場データ

所在地:テキサス州ヒューストン
オープン:2000年4月7日(エキシビションゲームは3月30日)
球場の様式:開閉式の屋根を備えた天然芝の野球専用球場

球場名の変遷:開場から01年までは「エンロン・フィールド」。エンロン社が破綻したため02年2月にいったん「アストロズ・フィールド」に名前が変更されたが、ジュース会社のミニッツメイドがネーミング権を買ったため02年7月から現在の名称になった。
球場のタイプ:ニュートラルパーク

<ホームからの距離>

<ファアテリトリーの面積>
推定1万500平方メートル-やや狭い
<ファウルテリトリーの広さ>
やや狭い

収容人員:4万950人
芝:天然芝-暑さに強いバミューダ芝を主体にブレンドした芝を使用
芝の長さ-平均レベル
ダグアウト:ホームチーム一塁側、ビジター三塁側
<外野フェンスの高さ>
レフト5・8メートル
左中間3・0メートル
センター~右中間~ライト2・1メートル
<屋根が閉じられる時期>
6月から9月は湿度の高い猛暑の日が続くため屋根を閉じて試合を行うことが多い
<屋根の高さ>
最も高いところでは73・8メートルあり、打球が屋根に当たるリスクはまったくない
<形の特徴、その他>
(1)レフト~左中間が浅くセンターが極端に深い(センター最深部までは132・6メートルもある)
(2)左中間、右中間に膨らみがなく、意図的にたくさんの凹凸が作られている
(3)センター最深部のフェンスの前に傾斜度30度、高さ1・5メートルのスロープ(タルの丘)が作られている
(4)外野のファウルテリトリーがほとんどないうえ、ライン沿いのフェンスがトリッキーな形に作られている
<自然条件の特異性>
・6月以降は高温多湿の日が続き、激しい夕立ちに見舞われことが多いが、この時期は屋根を閉じて完全空調のもとで試合を行なうので、特殊な気象条件の影響を受けることはない

◆有利なタイプ・不利なタイプ

(◎=とくに有利、○=有利、△=不利、▲とくに不利)
<有利なタイプ>
◎右のホームランバッター(カルロス・リー、06年までのジェフ・バグウェル)要因:短いレフト線、浅い左中間
◎右のプルヒッター(クレイグ・ビジオ)要因:短いレフト線、浅い左中間、高いレフトフェンス
○守備範囲の広いセンター(ハンター・ペンス、06年までのウィリー・タベラス、04年のカルロス・ベルトラン)
<不利にならないタイプ>
□制球力のある投手(ロイ・オーズウォルト)要因:一発を食うリスクが少ない
□グラウンドボールピッチャー(アンディ・ペティット)要因:一発を食うリスクが少ない
<不利になるタイプ>
△フライボールピッチャー(ブラッド・リッジ、06年までのロジャー・クレメンス、03年までのビリー・ワグナー)要因:一発を食うリスクが高くなる
△守備範囲の狭いセンター(クレイグ・ビジオ)要因:センターが極端に深い
△この球場での経験が浅い外野手-タルの丘、トリッキーなフェンスのアングル
△新人投手-要因:失投がホームランになりやすい

◆データが示す球場傾向

ロジャーズ・センターにおけるここ3年間の打撃データ(04~06年、大リーグ全30球場の平均値との比較。例:本塁打+8%は本塁打が平均値より8%多いことを意味します)
04年  得点+0%  本塁打+8%   安打-1%  二塁打-11%
05年  得点-5%  本塁打+20%  安打-1%  二塁打-20%
06年  得点+3%  本塁打+17%  安打-1%  二塁打+1%
(ESPN com. MLB-ballpark factorの数字をもとに作成)
データから読み取れること
・ホームランが出やすく二塁打が出にくい

◆ホームチームの野球スタイル

アストロズの野球スタイル:昨年までは投手力で勝つ野球。攻撃面はビッグボール

◆ミニッツメイド・パークにまつわるエピソード

センター最深部の「タルの丘」に噛みついたクレイグ・ビジオ
この球場は、古き良き時代の懐古趣味を全面的に取り入れていることで知られる。それを象徴するのがセンターの最深部に設けられた「タルの丘」だ。これは傾斜度30度、もっとも高いフェンス前の部分の高さが1・5メートルあるスロープで、現存するプロ野球の球場で、フィールドの中にこのような急な傾斜が作られているのはここだけだ。しかし、ひと昔前には、初期(1912~33年)のフェンウェイパークや60年台までレッズが本拠地にしていたクロスリー・フィールドのように、整地して余った大量の土砂を外野のフェンス際に積んで傾斜を作り、ウォーニングトラック代わりにしている球場があった。ミニッツメイド・パークのセンター奥の傾斜はそれを真似たもので、タル・スミス球団社長の発案で出来たため「タルの丘」という名前がついている。

しかし、このフィールド内スロープは選手には不評で、04年と05年の2シーズン、センターを守っていたチームキャプテン、クレイグ・ビジオは「こんな馬鹿げたものを作られては困る。「タルの丘」に飛んだボールを捕球して、振り返りざまに内野に投げ返すとき、いつもひっくり返りそうになる。いつか大ケガする人間が出るだろうが、そうなってからでは遅いんだ。1日も速く撤去して欲しい」と、球団に強硬に撤去を求めたほどだ。しかし、ビジオがもとの守備位置であるセカンドに戻ってからは表立って異議を唱える選手がいなくなったため、いまだに「タルの丘」は健在で、この球場のシンボルの一つになっている。

ただ、ビジオはこの球場自体が嫌いな訳ではない。逆に驚くほど相性がよく、昨年はホームで打率2割9分8厘、本塁打15、二塁打25だったのに対し、ロードでは1割7分8厘、本塁打6、二塁打8と、同じ選手の数字とは思えないほど本拠地でよく打っている。この傾向は今年も続いており、8月15日までの数字を見ると、ビジオはホームでの打率がロードでの打率よりちょうど1割高く、本塁打、打点もホームでの数字がロードでの数字を大きく上回っている。これは、この球場がアストロズの看板だった2人の右打者、ジェフ・バグウェルとクレイグ・ビジオに有利になるようにデザインされた球場だからだ。

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