アラーの国のフットボール http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries アラーの国のフットボール アラブ世界のデインジャラスなプレーオフ http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/138954 <W杯アフリカ予選:アルジェリア1-0エジプト>◇出場国決定戦◇11月18日(日本時間19日)◇スーダン・ハルツーム  W杯アフリカ予選C組は勝ち点、得失点差、総得点のすべてでエジプトとアルジェリアが並びW杯予選史上初のプレーオフとなり、第3国のスーダンで行われた。まさに両国のメンツをかけた戦いはヤヒア(ボーフム)の決勝ゴールで、アルジェリアが制した。 http://sns.nikkans... <W杯アフリカ予選:アルジェリア1-0エジプト>◇出場国決定戦◇11月18日(日本時間19日)◇スーダン・ハルツーム
 W杯アフリカ予選C組は勝ち点、得失点差、総得点のすべてでエジプトとアルジェリアが並びW杯予選史上初のプレーオフとなり、第3国のスーダンで行われた。まさに両国のメンツをかけた戦いはヤヒア(ボーフム)の決勝ゴールで、アルジェリアが制した。

 

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  予選の時から投石騒動があったりトラブル続きだった両国だが、試合が終わればスポーツマンらしくお互いの健闘を称え…などといった甘いものではなく遺恨は続く。試合後にはエジプトのファンがカイロのアルジェリア大使館に押しかけて抗議行動を行った。以前にもアルジェリアにあるエジプト系企業の事務所が襲われたり、アルジェリアから母国に避難しようとしていたエジプト人が空港で襲われそうになったりと暴力の連鎖は止りそうもない。両国のトップであるエジプトのホスニ・ムバラク大統領とアルジェリアのアブドルアジズ・ブタフリカ大統領が近く話し合いを行うようだ。

 両国の遺恨は20年前に遡るそうだが、今回の最終予選に絞ってみよう。最初に両国の対戦があったのは第2節(09年6月7日)で、アルジェリアのホームで行われた。この試合は3-1でアルジェリアが勝利し「大きなトラブル」はなかった。

 第4節(9月6日)を終えた時点でC組の順位は以下の通り。
アルジェリア(勝ち点10)
エジプト     (同7)
ザンビア     (同4)
ルワンダ     (同1)

 こうしてアルジェリアとエジプトの一騎打ちの様相を呈してきた時に、火種がまかれた。第5節アルジェリア-ルワンダの一戦を前にして、エジプト人のアナウンサー、アムロ・アディップ氏が「ルワンダがアルジェリアを『ぶち倒して』くれるのを望む」とCNNのインタビューで述べた。「ぶち倒して」の部分は実際には放送禁止用語レベルの強い単語だったようだ。この状況でエジプトが有利になるように「ルワンダにがんばってほしい」と心の中ではどのエジプトサポーターも思ってはいても、公共の電波を使ってアナウンサーが露骨に強い表現をしたことが問題となった。

 また、この時にエジプトのアルジェリアに対する文化的な優位性を主張する発言もあった。「エジプト人がアルジェリア人にアラビア語を教えた、アルジェリアを発展させたのはエジプト人」といった内容のようだ(歴史的な事実としての真偽のほどは分からないが)。誤解のないように付け加えておくが、エジプト人のほとんどはこの発言はいき過ぎだと感じ、共感をした人などはほとんどいないということだ。心の中で「すまん見過ごしてくれ」と思っていたというところだろうが、こうした、いささか度のすぎた発言が対立の火種となったのは想像に難くない。

 この発言を受けてアルジェリア側も黙ってはいない。過去の遺恨も一気によみがえったのか「あいつの舌を切れ!!」という過激な反応を見せたりして、その後は両国のメディアの応酬となった。この止まらない応酬にアラブ世界の“宿敵”イスラエルのメディアから「感情をしっかりコントロールしないといけない」などと言われる始末。両国とも(お前にだけは言われたくないよ)と思ったかどうかはともかく、この段階ですでにアラブ世界が大恥をかく形になる。

 第5節は結局は両国とも勝利をあげ、勝ち点がアルジェリア13、エジプト10と3差のまま第6節カイロでの直接対決(11月14日)となった。この状況下でアルジェリア代表がカイロ入りした時に起きたのが「エジプトのファンによる投石事件」だった。もっともこの事件のエジプト側の主張は「アルジェリアの自作自演」「万が一敗退した時に言いがかりをつけるための布石」というものだった。試合はご存知のようにエジプトが<注文通りの2-0勝利>をおさめ、エジプトの隣国スーダンでのプレーオフ(11月18日)に持ち込まれた。

 エジプトとアルジェリアが暴力を伴う激しい対立状況となり、W杯チケット帰属の最終決定の場所がスーダン! 日本ではどう扱われたか分からないが、日本の外務省が日本人に「渡航延期、場合によっては退避の可能性も検討してください」と勧告している国(ダルフール州など)で行われるとは、もう状況設定からしてデインジャラスな空気に満ち溢(あふ)れている。ちなみに試合が行われたハルツーム州は「渡航の是非を検討してください」という勧告が出されている。

 それはともかく、アルジェリアにしてみれば自国の代表選手が実際に流血するなど大ケガを負っているのに、謝るどころか「自作自演」などと言われ、相手国で起きた事件の真相が闇に葬られそうということで憤激もすさまじかったのだろう。プレーオフに勝利し、W杯出場を決めたにもかかわらずエジプトファンを襲撃。投石事件に対する復讐という意味が大きいのか、積年のうらみという類なのか。バーレーンの友人の意見だが、もしアルジェリアがプレーオフで敗退していたらハルツームでの暴動はもっとせい惨なことになっていただろうとのこと。

 一方、北アフリカからはかなり離れた、しかし同じアラブ世界であるカタールのアル・ジャジーラTVはこの騒動に関して「アンリの神の手事件」を引き合いにして「あちらでもとんでもない事件が発生したが、ファン同士の暴力事件などはあまり聞かない。話し合いで物事が進んでいる」などと今回のアラブ決戦の暴力沙汰にはさすがにあきれ顔だ。

 今回のプレーオフの幕切れがエジプトの「神の手」によるゴールだったら、どうなっていたのか想像するだけでも恐ろしい。だからこそ、サッカーの神様は「神の手ゴール事件」の発生場所を少し北西にずらしたのだろうか。

※写真はW杯出場を決めゴールポストの上に座り国旗を広げ大喜びするアルジェリアの選手(AP)

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海島健 2009-11-22T21:47:27+09:00
惜敗バーレーン「日本を見習え」 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/137978 <W杯予選大陸間プレーオフ:(1)ニュージーランド1-0バーレーン(0)>◇14日◇第2戦◇ニュージーランド・ウェリントン※カッコ内は2戦合計得点  「バーレーンの夢、湾岸の夢、アラブの夢、アジアの夢。すべてが砕け散りました」と試合終了後にテレビのバーレーンスポーツのアナウンサーが語りだす。長期離脱中のFWアラー・フバイルらをゲストに迎えて特番が流れるが、バーレーンの首都マナマのカフェ「ベランダ」... <W杯予選大陸間プレーオフ:(1)ニュージーランド1-0バーレーン(0)>◇14日◇第2戦◇ニュージーランド・ウェリントン※カッコ内は2戦合計得点
 「バーレーンの夢、湾岸の夢、アラブの夢、アジアの夢。すべてが砕け散りました」と試合終了後にテレビのバーレーンスポーツのアナウンサーが語りだす。長期離脱中のFWアラー・フバイルらをゲストに迎えて特番が流れるが、バーレーンの首都マナマのカフェ「ベランダ」では、自国の敗戦を見届けた客が足早に消え、店内に残された筆者も脱力状態にあった。

 大陸間PO初戦(10月10日)とはうって変わり、動きも鈍くルーズボールがなかなか拾えない。NZに前半終了間際に先制を許し一瞬静まり返る店内。後半5分にPKを獲得。店内の客は総立ちになり、抱き合う準備は万全だ。しかし、DFアドナンのシュートは相手GKにがっちり止められる最悪の展開。ここから40分あったはずだが、このチャンスを逃したあとのバーレーン代表の空回りはひどかった。「また必ずドラマの再現があるはずだ」という期待と「もしかしてこのままズルズル終わってしまうのか、まさか…」という大いなる不安が交錯しながらも、時間表示はどんどん90分に近づき、ロスタイムへ。ついに、試合終了のホイッスルが鳴らされ、2大会連続のPO敗退という現実が訪れた。

 

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 バーレーン在住10年以上で、バーレーン代表サポーターを自認する筆者は、あふれる涙を止めることができなかった。06年W杯ドイツ大会アジア最終予選、10年W杯南アフリカ大会アジア最終予選。2回とも日本がバーレーンを総合成績で上回ってW杯出場権を先に確保。日本がバーレーンの目の上のこぶになっていた。それでも今回、バーレーンはグループ3位を確保して、湾岸の盟主サウジアラビアとのアジアPOを激闘の末勝ち抜いて、2大会連続の大陸間POに進出。筆者はW杯出場を信じきっていた。

 筆者にとってW杯予選の泣き笑いは、98年フランス大会の最終予選までさかのぼる。「ジョホールバルの歓喜」で知られる97年のアジア第3代表決定戦で日本はイランと対戦。筆者がバーレーンに赴任して間もないころ、当時所属していたジムの休憩室でバーレーン人と一緒に観戦した。周囲のバーレーン人がみんなイラン代表を応援するので「どうしてイランを応援しているんですか? 皆さん反日ですか?」などと間抜けな質問をしたものだ。そう、バーレーンには祖先がイランからやってきてバーレーンに長年住み着いているペルシャ系バーレーン人(国籍もバーレーン)がいっぱいいて、W杯予選ではしっかりイラン代表を応援しているのだ。激闘の末、岡野のゴールで日本がイランを破りW杯出場を決めた。さっきまでイランを必死に応援していたペルシャ系の筋肉マンたちは日本人である筆者に八つ当たりをするどころか、みんな温かく祝福の手を差し伸べてくれた。「初出場おめでとう」と。

 モハメッドとイブラヒムとフセインの顔がみんな同じに見えて誰が誰だわからないくらい、とまどっていた赴任直後のことだが、このとき握手してくれた人の顔ははっきり覚えている。

 もちろんこのペルシャ系バーレーン人がバーレーン代表も応援しているかどうかは個人差があるだろうが、とにかく筆者の日本代表がらみのバーレーン体験としては強烈かつ鮮明で、こういったすべての意味で暖かく祝福してくれた(ペルシャ系、アラブ系にかかわらず)バーレーン人に(今回の南アフリカW杯出場ももちろん祝ってくれた)お祝い返しする絶好のチャンスだっただけに…。

 こんなことを考えながら心の中で泣いているときに、バーレーンスポーツの解説者が日本のことに言及した。「日本は今でこそW杯出場常連国ですが、その理由は皆さんご存知ですか。それは日本が50年ほど前からプランを立ててそれを緻密(ちみつ)に積み上げてここまでやってきたからです。確かに今日の敗退はショックが大きいですが、バーレーンにはまだまだ時間がかかると考えるのが当然です」と、いきなり未来に向けたメッセージを発信した。何を根拠にこの人が「日本は50年前から」と言い出したのか定かではないが、いきなりお手本がアジアの他の国ではなく日本ということでびっくり。この発言を筆者に訳してくれながら「全くそのとおりだよなー」とうなだれるのもバーレーン人。いや、泣けてきます。

 喜びを共有できるのは、「初出場おめでとう」を言ってあげられるのは、一体いつになるのだろうか? またしてもW杯の扉は重かったが、その日がくることを信じよう。

 

※写真はマナマのカフェ「ベランダ」で観戦するバーレーンの人々(撮影・海島健)

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海島健 2009-11-14T23:39:35+09:00
決めてくれモハメッド・フバイル、劇的に http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/137746  バーレーン代表はシドニー合宿を無事終え、ニュージーランドとの大陸間プレーオフ第2戦(14日、ニュージーランド・ウェリントン)の2日前に現地入りした。悲願のW杯出場なるか。国民の期待が1日ごとに高まっている11月11日、バーレーン各紙に「バーレーンW杯出場を<決めた!>」という見出しが並んだ。この時期にエイプリルフール? いや、決してこの記事は「ウソ」ではない。ビーチサッカーのW杯アジア最終予選を...  バーレーン代表はシドニー合宿を無事終え、ニュージーランドとの大陸間プレーオフ第2戦(14日、ニュージーランド・ウェリントン)の2日前に現地入りした。悲願のW杯出場なるか。国民の期待が1日ごとに高まっている11月11日、バーレーン各紙に「バーレーンW杯出場を<決めた!>」という見出しが並んだ。この時期にエイプリルフール? いや、決してこの記事は「ウソ」ではない。ビーチサッカーのW杯アジア最終予選を勝ち抜いたバーレーン代表がW杯本大会(11月16日に開幕、UAE開催)出場を決めたのだ。1次リーグでは日本代表をPK戦の末下すなどで1位通過。準決勝でオマーンに6-1と圧勝し2位以内を確定しての出場となった。2位通過の日本も準決勝でイランを下し、アジアの2枠はめでたく日本、バーレーン両国のW杯出場となった。

 さて、<ビーチ>がつかない方のサッカー・バーレーン代表。大陸間PO第2戦の翌15日も同じタイトルが1面トップに無事並ぶのか、それとも…。こればっかりは神のみぞ、いや、アラーのみぞ知るだろう。

 バーレーン代表が母国出発直前に行われたトーゴ代表戦(11月6日)では、いくつかの収穫があった。マンチェスターCのFWアデバヨールらの欧州組はいないアマチュア主体のチーム相手とはいえ、5-1の圧勝は壮行試合としては申し分ない。この試合で攻撃の中核となったのがMF(FW)ファッタイだ。いつもよりは少し後方のポジションであるボランチに入り、ボールをもらうと軽やかなボールタッチで相手を抜き去り一気に前線に駆け上がりチャンスを演出する場面が目立った。自らも2得点を決め調子のいいところをアピールした。今季から所属しているヌーシャテル・ザマクッス(スイス1部)では出場機会が減っているこのMFはマチャラ監督からも合格点がもらえそうだ。ファッタイはニュージーランドとのPO初戦(10月10日、バーレーン・マナマで0-0のドロー)には出場できなかったので、さらに相手を混乱におとしいれる<秘密兵器>となりそうだ。

 マチャラ監督はここ数試合、オマル(右MF)、サルマン・イサ(左MF)、ファッタイ(トップ下)、リンゴ(左MF)を1つ下の位置で起用している。各選手のポリバレント性を育むとか、けが人が出たときの緊急事態にも少ないコマでやりくりできるようにという配慮なのだろう。またチームが劣勢に立たされた場面でダブルボランチと2枚のサイドバックで超攻撃的に仕掛けることも可能になってくる。繰り返しになるが個人的にはファッタイは先発で起用されるのか、された場合の位置がどこになるのかがとても興味深い。そして、あまり想定はしたくないが、バーレーンが劣勢に立たされた場合にどう戦うのかも。

 それはさておき、このトーゴ戦で先発し途中で交代でベンチに下がるときに観客から盛大な拍手を受けた選手がいる。オマルの変わりに今までの右SBから右SHで起用されることのモハメッド・フバイルである。バーレーンの英雄アラー・フバイル(右ひざ靭帯のけがで6カ月の離脱中)の兄である。この拍手は彼がつい最近、結婚をしたために贈られたもの。NZとのプレーオフの初戦と第2戦の間という大事な時期に式をあげた。筆者もマタム(宗教行事を行う集会所)で行われた婚約記念夕食会に招かれ、おいしいマッチブースを手づかみでいただいてきた。アラー・フバイルはドイツで治療中だったため会えなかったが、フバイル兄弟のお父さんとも話ができた。「これだけのお客さんのためにマッチブースを用意するのは大変なんだよ」などとうれしそうに語っていた。代表選手もたくさんお祝いに訪れる盛大なパーティーだった。

 

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 筆者は「バーレーンと日本で一緒にW杯にいこう」と記帳もさせていただいた。前座(ビーチW杯)は2枠を日本とバーレーンで決めたし、もう行くしかない。モハメッド・フバイルさん、14日のゲームはお祝い代わりのパスがたくさんくるでしょう。失意の弟アラー・フバイルの代わりにあなたが決めてください、劇的に。

※写真は婚約記念夕食会でのモハメッド・フバイル(中央スーツを着た男性)(撮影・海島健)

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海島健 2009-11-12T22:35:30+09:00
代表の皆さんへ、ごほうびは「ひ・み・つ」 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/136600  悲願のW杯出場へバーレーンにとって運命の一戦となる大陸間プレーオフ第2戦(11月14日、ニュージーランド・ウェリントン)が迫っている。初戦を0-0で引き分けて、今回がまさに決着の時となる。プレーオフ第2戦の13日前にあたる11月1日、国内リーグに所属する15人の選手が集合し国内でトレーニングを開始。海外からバーレーンリーグに戻ってきたばかり若手有望選手(アブドラ・ダキール、リンゴ、イスマイル・ア...  悲願のW杯出場へバーレーンにとって運命の一戦となる大陸間プレーオフ第2戦(11月14日、ニュージーランド・ウェリントン)が迫っている。初戦を0-0で引き分けて、今回がまさに決着の時となる。プレーオフ第2戦の13日前にあたる11月1日、国内リーグに所属する15人の選手が集合し国内でトレーニングを開始。海外からバーレーンリーグに戻ってきたばかり若手有望選手(アブドラ・ダキール、リンゴ、イスマイル・アブドゥルラティフ)や中軸と言っていいベテランクラスの選手(フセイン・アリ、マフモッド・ジャラル、モハメッド・フバイル)もおり、なかなかの顔ぶれである。海外組9人の合流を待ちつつ準備を進める。難航していた親善試合の相手もようやく決まり、スケジュールはほぼ固まった。

11月1日 バーレーンリーグ所属の代表15人が練習開始
11月6日 親善試合トーゴ戦
11月7日 ガルフエアーのチャーター機でバーレーンを出発(一部サポーターも同乗)
11月8日~12日  オーストラリアのシドニーで合宿
11月12日 ガルフエアーの同機にてニュージーランド・ウェリントン入り
11月14日 大陸間プレーオフ第2戦

 

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 さて、招集のかかった海外組(ベルギー1名、スイス2名、カタール4名、UAE2名)の合流時期である。マチャラ監督としてはトーゴ戦までには、ということで、バーレーン協会の役員がカタールとUAEに飛び、所属クラブの会長にできる限り早めの代表合流をお願いした。今回の対戦は「湾岸代表」のバーレーンという側面を持っているため、この両国からの協力は期待できそうだが、どうだろうか。とりあえずは「バーレーン協会さんの事情はよくわかりました。いいでしょう。同じ湾岸の同胞として協力しましょう、インシャーアッラー」との返事をもらったらしい。

 気になるW杯出場が決まった場合のごほうびだが、まさに「想像を絶するもの」になりそうだ。実は前回のW杯ドイツ大会への出場権をかけた大陸間PO(対トリニダード・トバゴ)で失意の敗退をしてしまった時に、残念賞が与えられていたのだが、それが各選手へ「豪邸1軒」だった。今回、史上初のW杯出場を果たしたら「何か」をあげることになったが、それが何かは「ひ・み・つ」なのだそうだ。

 具体的な金額や物をぶらさげられたら舞い上がる選手や、逆にプレッシャーを感じる者もでてくるかもしれないから、なかなか賢いやりかたかもしれない。それにしても暗黙の了解として、前回のもの以上だろうということはバーレーン国民もわかっているのだが、一体なんなのか。テレビ番組のクイズにしたいような難問である。

 まさか「そりゃー君、W杯出場そのものこそが最大の報酬に決まっとるじゃないか。わかんなかったかなー。国の英雄になり、これが本当のプライスレスだよ」なんてオチにはならないとは思うが。


※写真はバーレーン代表マチャラ監督

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海島健 2009-11-03T15:18:44+09:00
名古屋のゴールで悲劇、58歳サウジ男性ショック死 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/135730 <アジアCL:アルイテハド6-2名古屋>◇10月21日(日本時間22日)◇準決勝第1戦◇サウジアラビア・ジッダ  日本でもアジアCLに対する注目度は高まっているようだが、湾岸地域では熱の入り方が違う。特にサウジアラビアの場合、W杯予選で敗退したという事情もあり、「せめてクラブではアジアの頂点を」という思いもあるのだろう。恐らく、日本のファンには想像もつかない盛り上がりとなっている。 h... <アジアCL:アルイテハド6-2名古屋>◇10月21日(日本時間22日)◇準決勝第1戦◇サウジアラビア・ジッダ
 日本でもアジアCLに対する注目度は高まっているようだが、湾岸地域では熱の入り方が違う。特にサウジアラビアの場合、W杯予選で敗退したという事情もあり、「せめてクラブではアジアの頂点を」という思いもあるのだろう。恐らく、日本のファンには想像もつかない盛り上がりとなっている。

 

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 名古屋をホームに迎えたアルイテハドは、前半こそ数的優位をあまりうまく生かせず多くのチャンスをふいにして1-2とリードを許したが、後半は5発で爆発。この大勝によって第2戦(10月28日)で決勝進出を決めたら、決勝までサウジアラビアには戻らず日本滞在という「ゆったり」プランはかなり現実的なものとなってきた。
 翌朝の各紙は当然ながら威勢がいい。

 「アルイテハド地震が6度も名古屋を襲う」(アッカブ紙)
 「名古屋ドルフィン、アルイテハド海にて溺れる」(アシュラク・アル・ワサット紙)
 「今日のこのアルイテハドのパーフォーマンスこそがサウジアラビアの実力」(アル・メディナ紙)
 「アルイテハドはJリーグ勢のマッチブース(=湾岸エリアの炊き込みご飯)になることをきっぱり拒否」

 などと、サウジアラビア勢がアジア最大のライバルJリーグ勢を地元で「撃沈」した喜びが伝わってくるものとなった。

 今回の対戦はサウジアラビアのファンからは2つの意味で注目を集めた。1つはアジアの盟主の座。過去2度アジア王者(04年と05年)に輝いたアルイテハドvs2連覇中のJリーグ勢(07年浦和、08年G大阪)の「代表」名古屋という意味で、事実上の決勝戦とも呼ばれた。
 もう1つはAFCベストプレーヤーをめぐる戦い。両チームに所属する候補者MFモハメッド・ヌールvsDF吉田麻也の戦い。初戦に限ってはモハメッド・ヌールの圧勝(後半にハットトリック達成)で、ベストプレーヤー候補として1歩リードした印象だ。「ストイコビッチ監督も(ヌールのすごさは本当に予想外。すばらしかった)と絶賛」などと報道されアルイテハドのファンもさぞかし気分が良かったことであろう。

 こうしたバックボーンがあるだけに、熱狂度は常識を超えたものとなる。それが悲劇を呼ぶことになった。アルイテハドのサイトなどによると1-1の前半34分に名古屋の中村がゴールを決め1-2と勝ち越しを許した場面で、テレビで試合観戦をしていたモハメッド・カーセム・アル・ヤマニさんという58歳男性が心臓発作を起こし死亡したという。ヤマニさんはアラムコという大企業に勤務する人だったそうだが、そうした一般の人を巻き込むすさまじいまでの熱狂はスタジアム以外の様々な場所でも共有されているということなのだろう。試合の翌日の朝、多くの人がこの男性ファンに祈りをささげた。恐るべき湾岸の熱狂。これがアラーの国のフットボールなのだ。

 歴史的大勝を飾ったカルデロン監督は試合後、「今日の試合は私がアルイテハドを率いてからベストゲームの1つ。アジアのベストチームの監督でいられて光栄だ」とコメント。ハットトリック達成のモハメッド・ヌールは「大きな夢にかなり近づいた」と述べた。同じ湾岸のUAEで今年の12月に開催されるクラブW杯出場に向け、大きな追い風が吹いていることは間違いないであろう。

※写真はアルイテハドに逆転負けし、頭を抱えて引き揚げる名古屋田中(左端)ら(共同)

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海島健 2009-10-27T18:18:46+09:00
アルイテハドが名古屋を倒して名古屋観光? http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/134740  アジアCLの準決勝で名古屋と対戦するサウジアラビアの名門クラブ、アルイテハドは、同国代表が南アフリカW杯出場を逃した「償い」を果たすべく、タイトルを本気で狙っている。今回ばかりは国の全面バックアップも得られそうで、Jリーグ勢3連覇にとって最大の壁となって立ちはだかりそうだ。  アジアCLを勝ち進んだクラブは過密日程に悩まされるが、今回ばかりはサウジリーグもサウジアラビア代表もアルイテハドに全面...  アジアCLの準決勝で名古屋と対戦するサウジアラビアの名門クラブ、アルイテハドは、同国代表が南アフリカW杯出場を逃した「償い」を果たすべく、タイトルを本気で狙っている。今回ばかりは国の全面バックアップも得られそうで、Jリーグ勢3連覇にとって最大の壁となって立ちはだかりそうだ。

 アジアCLを勝ち進んだクラブは過密日程に悩まされるが、今回ばかりはサウジリーグもサウジアラビア代表もアルイテハドに全面協力の形をとる。まずは代表を含めた本来の試合スケジュールを紹介しよう。

10月4日 アル・ハズム戦(サウジリーグ第5節)
10月11日 (主にU23による)アル・アンサール戦(2部チーム、プリンス・フェイサル・ビン・ファハッド杯GL)
10月14日 チュニジア代表-サウジアラビア代表
10月22日 アル・ワフダ戦(サウジリーグ第6節)
10月24日 (主にU23による)ウフド戦(2部チーム、プリンス・フェイサル・ビン・ファハッド杯GL)
10月29日 アル・イティファック戦(サウジリーグ第7節)

 このスケジュールに名古屋との対戦が21日(ホーム)と28日(アウェー)と入ってきた。そのため、サウジリーグ第6節と第7節は延期。
 また、サウジアラビア代表はチュニジア代表戦の前にジッダで合宿となったが、これに対してアルイテハドの会長は「今回ばかりは勘弁してください」と協会にリクエスト。協会会長のアミール・スルタン・ビン・ファハッド氏もさすがに今回ばかりは協力することにして招集を見送った。サウジアラビア代表のW杯不出場により今の時期、代表の活動の重要性が減ったのがアルイテハドには幸いしている。つまり、わがバーレーンがアルイテハドを助けたようなものだ。…それはいい。ともかく、これらによって、過密日程から一転し10月11日以降(「アルイテハドのA代表」に限れば10月4日以降の17日間)は10日間ほどかけて名古屋対策に専念できることになった。

 

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 そこでアルイテハドは14日にハラス・アル・フドゥドというエジプト1部リーグのチームを招待して、親善試合を決行。これはクラブ所属のほとんどすべての選手を出場させる(Aマッチデーのためオマーン代表のMFアハメッド・ハディドとモロッコ代表のFWヒシャムは各代表で活動)試運転のようなゲームだったようだ。大一番を前に名古屋の偵察隊の目にあまり自分のチームの姿をさらさないようにしているかのようにも見える。一方でガブリエル・カルデロン監督は日本にスタッフを派遣し名古屋の試合をしっかり偵察させているとも報道されている。

 「名古屋は月曜日(10月19日)に100人のサポーターと一緒に乗り込んでくる」との情報も新聞などにしっかりでていて、一大決戦の日が近づいていることを実感させられる。

 サウジアラビア代表でもあるMFモハメッド・ヌールは「サウジアラビアの選手は南アフリカW杯を逃して本当にがっくりきている。だからこそ、クラブアジア王者のタイトルは絶対とるよ」と「償い」を誓った。

 それはそうだろう。アルイテハドのアジア連覇から4年の月日が流れた。代表もW杯出場を16年ぶりに逃した。09年ガルフ杯準優勝、07年アジア杯準優勝、07年ガルフ杯4強どまりなど大国サウジアラビアはここ最近は代表もクラブもタイトルになかなか手が届かないのだ。ガルフ杯のタイトルでさえ4大会前の03年大会にまでさかのぼらないといけない。国を挙げての必死ともいえるアルイテハドのバックアップもなるほどとうなずける。

 もし、名古屋を2戦合計で勝ち抜けた場合は、2戦目の名古屋での試合の後はサウジアラビアには戻らず11月7日の決勝までそのまま日本滞在の「ごほうび」を与える仰天プランもあるようだ(当然その間のサウジリーグのゲームなどは延期か?)。
 名古屋との初戦はFWナイフの長期離脱やDFハマド・アル・モンタシェリ累積警告での出場停止という不安材料はあるものの、すべてはタイトルのためにと準備はほぼ完了したようだ。

※写真は05年トヨタ杯でのアルイテハド対アルアハリ(右がアルイテハドMFチェコ)

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海島健 2009-10-20T01:55:53+09:00
大陸間POはアラブ世界vs白人国家の代理戦争? http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/134058 <W杯予選大陸間プレーオフ:バーレーン0-0ニュージーランド>◇10日◇第1戦◇マナマ  W杯へ最後の関門、大陸間プレーオフ初戦は、バーレーンサポーターの大いなる落胆でゲームセットとなった。ホームで行われる「大一番」ではなぜか得点できない赤の軍団。9月5日のマナマでのサウジアラビア戦以上にオールホワイツ(ニュージーランド代表)を圧倒的に攻め立てたが、ことごとくフィニッシュに失敗した。湾岸系のあるテ... <W杯予選大陸間プレーオフ:バーレーン0-0ニュージーランド>◇10日◇第1戦◇マナマ
 W杯へ最後の関門、大陸間プレーオフ初戦は、バーレーンサポーターの大いなる落胆でゲームセットとなった。ホームで行われる「大一番」ではなぜか得点できない赤の軍団。9月5日のマナマでのサウジアラビア戦以上にオールホワイツ(ニュージーランド代表)を圧倒的に攻め立てたが、ことごとくフィニッシュに失敗した。湾岸系のあるテレビ番組では「きっかけさえつかめれば、6-7点入っていてもおかしくない試合」と評されたほどだ。

 シェイク・サルマン・ビン・ハマド・アルカリーファ皇太子もご観戦になったこの「世紀の紅白戦」。3万5000人の大観衆が期待したのは「格下」ニュージーランド相手に楽勝だっただけに、バーレーン本国のサポーターはドローの結果に、うなだれるばかり。試合の労をねぎらい「まだまだいけるぞ」と大いなる拍手をゲーム後にしたのは国外からのバーレーンサポーター、たとえばクウェートからの応援団(クウェートサッカー協会が組織したグループとアル・カディ-シアが組織したグループが目立った)だったのが印象的だった。

 

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 バーレーンサポーターが楽勝を、最低限でも勝利を期待したのはいくつかの要因がある。
 (1)サウジアラビア相手の超劇的(ロスタイムンに失点したが直後に同点でドロー)なアジアPO勝ち抜きで更に自信を深めたこと。
 (2)バーレーン代表にもけが人などはほとんどなく、比較的暑さの残る季節にホームで初戦を迎えられたこと。
 (3)相手はFIFAランク100位前後のチームであり、あのタイ代表なんかにもコロッと負けるくらいのレベルといった表面的なインフォメーション以外のニュージーランド代表に対するまともな情報不足。

 そして(1)~(3)にもまして大きかったのがマスメディアによる「煽(あお)り」。今回の場合はバーレーン自国のメディアというよりも、周辺湾岸各国のメディアが「煽った」と言えそうだ。バーレーン-ニュージーランドという大陸間POの組み合わせは、アジアのアラブ勢、特にGCC諸国にとってはGCC代表vsよそ者白人国家ととらえられており、「頼んだぞオレたちのバーレーン!! ニュージーランドなんか軽くぶっ倒してW杯出場だ」といった勢いで特番が組まれ応援されている。アジアのアラブ勢のW杯出場ゼロという不名誉は何としても避けたいだけに、気合の入ったサポートをしている。

 GCC諸国で共通して視聴されるスポーツ番組には、アル・ジャジーラ・スポーツ(カタール系)やアル・カス・スポーツ・チャンネル(カタール系)、アブダビスポーツ(UAE系)、サウジスポーツなどがある。これらの局のほとんどがこの大陸間PO関連のニュースを扱っており、同胞の湾岸バーレーンを全面的に応援してくれている。これらの局のアナウンサーやキャスターたちは、たとえばカタール人であれば「われらが誇る強力カタール代表を倒してのグループ3位確保のバーレーン代表、あなたたちにやれないわけはない。どう考えても大勝でしょう」となり、UAE人なら、「ここ最近はUAE代表よりもはるかにいい結果を出し続けるバーレーン代表。我々が以前に到達したW杯にあなたたちが出られるのは保証しますよ!!」となるのだから、試合前にテレビ番組がすでにお祝い状態となってしまう。

 マチャラ監督がいかに選手やサポーターに慢心を諌めたところで、こういった特番を繰り返し見ることになるバーレーンサポーターが高揚した気分でスタジアムにやってきたとしても責められないだろう。ゴールを決めきれない選手に落胆の声をあげ、励ましてあげられたのも前半まで。後半になってもチャンスで外すといつしか罵声や怒号になり、萎縮した選手がまたはずしまくるという負のスパイラルが止まらないゲームだったといえよう。

 一緒にスタジアムにいったマナフ君が「いや、どうしてバーレーン代表はここ一番のホームで弱いんだろ? まず点とれないよな。不思議だよね」などと首をかしげていたが、バーレーンサポーターの「応援」スタイルが自国代表の足をひぱっているのは否めない。 過去のデータがそれを証明してくれる。バーレーンの真の意味での「絶対に負けられない戦い」=過去2大会のプレーオフの結果を列記してみよう。

ドイツ大会アジアPO(対ウズベキスタン)
2005・10・08(A)ウズベキスタン1-1バーレーン
2005・10・12(H)バーレーン0-0ウズベキスタン
<アウェーゴールでの勝ち抜け>
 
ドイツ大会大陸間PO(対トリニダード・トバゴ)
2005・11・12(A)トリニダード・トバゴ1-1バーレーン
2005・11・16(H)バーレーン0-1トリニダード・トバゴ
<マナマの悲劇…W杯出場を逃す>

南アフリカ大会アジアPO(対サウジアラビア=KSA)
2009・09・05(H)バーレーン0-0KSA
2009・09・09(A)KSA2-2バーレーン
<リヤドの奇跡…アウェーゴールで勝ち抜け>

南アフリカ大会大陸間PO(対ニュージーランド=NZ)
2009・10・10(H)バーレーン0-0NZ
そして、第2戦は?
2009.11・14(A)NZ?-?バーレーン

 ホームの4試合はなんと得点ゼロである。これで3回のうち2回は勝ち抜けは奇跡的かもしれない。バーレーンのPO勝ち抜けがいかにアウェーでの戦い=アウェーゴールにかかっているのかの証明ともいえよう。今回も1-1とか2-2の引き分けで勝ち抜けたりすると、PO4試合4引き分けでW杯初出場の珍記録達成になるが、可能性はかなりありそうだ。

 というわけで、クウェートからの応援団同様、筆者も初戦0-0の結果にもかかわらず「これはいけるぞ」と思わずにはいられなかったというのが本心だ。ホームで無失点のドローということは、次は引き分けなら敗退することはない。1-1以上の引き分けなら勝ち抜けだ。仮に1点を先制したらニュージーランドは90分以内で最低2点を取らないと敗退が決まる。逆にバーレーンは先制を許しても、追いつけば勝ち抜けることができる。
 そんなアウェーゴールのルールも有利に働くが、何といってもシュートをはずしても自国民の罵声は全く聞こえない(時差+10時間の地球の裏側)のは大きなアドバンテージだと思う。いや、冗談でなく。のびのびと異国の地ではつらつとプレーするバーレーン代表が目に浮かぶ。

 ガルフエアーさん、今からでも遅くはありません。ご検討中のアウェー戦格安ツアーは今1度よくお考えください。バーレーンサッカー協会さん、まちがっても1000人規模の大型格安弾丸ツアーとかを企画しないでください。バーレーン人の皆さん、新型インフルエンザ大流行の折です。アウェーの一戦は無理に高いお金を払ってまでウエリントンまでいったりせず、マナマ市内のマクハ観戦あるいは自宅観戦にしましょう(=それだけで皆様の「熱い」ハートは選手の心に届くはず)と願うのは、異邦人の僕くらいだろうか。

※写真はスタジアムで応援するバーレーンサポーター(撮影・海島健)

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海島健 2009-10-15T01:30:27+09:00
湾岸の誇りをかけ世紀の“紅白戦” http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/133080  W杯南アフリカ大会出場権をかけた大陸間プレーオフ、バーレーン-ニュージーランドの初戦(10月10日)が近づいている。ニュージーランド代表オールホワイツ(ラグビーのオールブラックスにあやかったニックネームのようだ)は10月5日にUAEのドバイに到着し合宿をスタート。バーレーンには試合前日の9日に入ると報じられている。一方のバーレーン代表は、けが人が今のところほとんどないという意味では、万全の態勢で...  W杯南アフリカ大会出場権をかけた大陸間プレーオフ、バーレーン-ニュージーランドの初戦(10月10日)が近づいている。ニュージーランド代表オールホワイツ(ラグビーのオールブラックスにあやかったニックネームのようだ)は10月5日にUAEのドバイに到着し合宿をスタート。バーレーンには試合前日の9日に入ると報じられている。一方のバーレーン代表は、けが人が今のところほとんどないという意味では、万全の態勢で迎え撃つことになりそうだ。そして、いつもの金銭的なバックアップ以外に、メンタル面での援護を、それも他国からありがたく受け取った。

 

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 その援護とは、元クウェート代表ジャセム・ヤクー氏のバーレーン訪問だ。同氏は82年W杯スペイン大会に出場しており、クウェートのみならず湾岸でも「一目会いたい」とあこがれる人が大勢いる超有名人だとか。そのヤクー氏がW杯切符をつかもうとしているバーレーン代表選手に訓話のようなものをしてくれたようだ。内容は明かされていないが、W杯出場を目前にして気をつけなければならない落とし穴などを中心に、メンタル面をアドバイスをしてくれたと思われる。

 適切なたとえかどうか分からないが、20年後にアジアのサッカー勢力図が劇的に変化し、タイ代表がW杯出場のチャンスが目の前にある時期に、親善大使中田英寿氏がバンコクに出向いて激励をするといった感じと言えばいいだろうか。

 ところで前々回の「リヤドの奇跡にマナマ歓喜の夜」でお伝えしたサウジアラビア戦勝ち抜きボーナス6000BD(約150万円)は、このニュージランド戦前のグッドタイミングで各選手に手渡された。そして、バーレーン政府は今後のサッカー協会の活動に対する追加支援として80万BD(約2億円)を出すことを発表した。

 コラムでもたびたび触れているように、湾岸ではこういった大事な時期に金銭的な支援はよくある。ニンジン作戦には慣れっこになっている?選手には、お金よりもこうしたメンタルケアは効くでしょうね。そもそもクウェート代表は、バーレーン人にとって、かつては雲の上の存在だった。幼いころ彼らにあこがれていたであろうバーレーンの選手たちに、子どもの頃の英雄がやってきて勇気づけてくれるのだから。サウジアラビアという巨大な壁を乗り越え、ニュージーランド戦に向けてバーレーン代表選手の慢心を諌めたいマチャラ監督もニンマリだったに違いない。

 かつてアジアを席巻した湾岸勢も、今回の予選では5位の座をサウジアラビアとバーレーンで争うという凋落(ちょうらく)ぶり。ヤクー氏でなくとも「お前ら何とか切符を取ってこい!」と言いたくなるというものだろう。レッズ(バーレーンのユニホームは赤)vsホワイツのW杯切符をかけた世紀の「紅白戦」は湾岸諸国からさらなる注目とサポートを集めることは間違いないだろう。

※写真は白いユニホームのニュージーランド代表(00年撮影)

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海島健 2009-10-07T23:56:53+09:00
予選敗退サウジに噴出する批判 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/130886  W杯4大会連続出場を誇っていた中東の雄、サウジアラビアがプレーオフでバーレーンに敗れ、サウジ国内はもとより湾岸エリア全域でも騒然となっている。「サウジアラビアがここまで落ちてしまったのはなぜなのか?」とか「どうしたらサウジサッカーの再生はできるのか?」といった切り口の特番や特集を多くのマスメディアが取り上げている。そのなかでもかなり鋭く「本音」を語ったと思われる、アブダビ・スポーツ・チャンネルの...  W杯4大会連続出場を誇っていた中東の雄、サウジアラビアがプレーオフでバーレーンに敗れ、サウジ国内はもとより湾岸エリア全域でも騒然となっている。「サウジアラビアがここまで落ちてしまったのはなぜなのか?」とか「どうしたらサウジサッカーの再生はできるのか?」といった切り口の特番や特集を多くのマスメディアが取り上げている。そのなかでもかなり鋭く「本音」を語ったと思われる、アブダビ・スポーツ・チャンネルの特番をまず紹介しよう。

 まず、アブダビ・スポーツ・チャンネルだが、アブダビという地名からもわかるようにこれはお隣UAE(アラブ首長国連邦)のテレビ局。この局の特番にサウジアラビアのサッカー評論家やコメンテーターが集まり、討論などをしたもの。サウジ国内のテレビ番組では言いにくいことまで踏み込んでおり非常に興味深い。

 「96年にサウジアラビアサッカー協会が目標としてぶちあげたのが、2010年大会でのW杯優勝だったわけだが、W杯出場すらできずアジア予選のプレーオフで敗退。このことが意味するのはもちろん大失敗だ。したがって、サウジサッカー協会のスタッフは全員やめるべきだ」とまずは協会スタッフの総退陣を求めた。「全員」と言うからにはサッカー協会会長のアミール・スルタン・ビン・ファハッドまでを含んでおり、かなり危険な発言であることは間違いない。

 

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 続けて「今回に限らないが、サウジアラビアの代表チーム優先は度が過ぎた」と批判。日本からすればうらやましくなるほどの思い切った代表選手招集、代表強化策を打ち出せるサウジだが、クラブチームとのバランスが取れていない面もあり、クラブ側が悲鳴をあげる場面も多く、(クラブでのしっかりした活躍の上で代表でもやらせる)という面がおざなりになった点を指摘した。

 たとえば、アルイテハドは今夏スペインで行われたピース杯(7月24日開幕)に出場したのだが、協会の通達により代表選手は遠征には帯同できず代表の活動に専念しなければならなくなり、Rマドリードやリガ・デポルティバ(エクアドル)との対戦機会を棒に振ることになった。主力を欠いたアルイテハドも当然と言うべきか2戦2敗でグループリーグ敗退。

 また、代表のストライカー、マレック・モアドは08-09シーズンは全治7カ月の大ケガをしたのだが、ある程度治ったあとはなんと代表でリハビリ。所属クラブのアルアハリでの活躍もあまりないまま(サウジリーグでは結局5ゴール)、代表ではヤセル・アル・カフタニとの2トップということもあり、バーレーンとのプレーオフ初戦もこの組み合わせで無得点。

 当コラムでも「それはうらやましいですよね」といったニュアンスでお伝えした「巨大ニンジン」も批判の的になっていた。「W杯に出場したら選手などに渡すとした賞金も大会ごとにバンバン釣り上げていき、今回はもう非常識なほどだった」と批判。長いこと「ニンジンまみれ」になり、ニンジンなしではなかなか走らなくなったということなのか。事実、W杯最終予選B組最終節の北朝鮮戦の前にぶらさげた「巨大ニンジン」も効果が薄かったのか、引き分けに終わっている。

 「サウジアラビアサッカー協会はメディアの批判を許してこなかった」とも発言し、今後のサウジアラビアにおける協会とメディアとの関係も変えていかなければ発展はないとした。また、だからこその湾岸他国の特番への出演なのだろう。

 身の危険も顧みず? TVで勇気のある批判や改善策をのべた有名コメンテーター達。一方のサウジアラビア国内にいる一般のファンたちも今回ばかりは黙っているはずはなく、匿名で意見を書き込めるアル・ワタン紙のサイトにもいろいろな声がよせられた。

 「固定メンバーへの過度の依存をやめろ(=今後は思い切った世代交代を断行せよ)」
 「監督をしょっちゅう変えるのを自重しろ、エースFWヤセル・アル・カフタニの不調がすべて(=それにもかかわらずヤセルにこだわったアル・ヒラル閥への批判)」
 といったサウジ国外でも知られるようになったサウジアラビアの問題点などが取り上げられた。少数意見ながら、同紙があえて面白いとして取り上げた改善策が2つある。
(1)国籍取得選手の獲得も視野に入れる
(2)各クラブチームにもっと現代的なマネジメントを

 というものだ。

 (1)は日本のファンにとっては意外かもしれない。サウジアラビア代表には国籍取得選手はほとんどいないのだ。日本が今回W杯予選で対戦した、バーレーンやカタールなどの国籍取得選手のことが何度も話題になり、湾岸のチームといえばやたらと輸入選手のたくさんいるチームという印象をもたれたかたも多いことと思う。サウジアラビアの場合は湾岸きっての大国(人口が多いという意味で)で、湾岸他国とは違い、生粋のサウジ人だけで競争も激しく十分やってこられたという面と、イスラム諸国の中でも一番といっていいほど戒律が厳しく、そう簡単に「よそ者」が入り込める環境にないという面がある。ただ、今回まさに紙一重の差で敗れた相手バーレーン代表はドイツ大会予選までは「タブー」であったこのテーマにあえて挑んでの代表強化が実を結びつつあり、サウジアラビアにおいても将来的には全くありえないことではない。

 (2)はクラブの運営をする人がスポーツマネジメントには疎い、あるいはほとんど関心がないといったケースを指しており、友人によると個人的な権力や財力を誇示するためにクラブをもっているのではと思われるケースもあるという。

 この手の批判や提言がサイト上で匿名とはいえ出てくるのは、時代の流れとはいえ、驚きでもある。筆者は個人的には、「サウジ選手に国外での経験をもっと積ませろ」という意見を支持したい。このあたりは現実的な線かなとは思うのだが、今までもサウジ側は自国のスターを他国に手放すのを極度に嫌ってきた歴史があり、それほど簡単ではないらしい。

 最後に今回のW杯予選敗退に関してのちょっと気の利いたコメントを記しておこう。それは、
 「今回のW杯出場をのがしたのは、非常に悲しいと同時にうれしい」
 というもので、敗退決定後しばらくして少し冷静になったあたりで新聞やテレビ、ネットの掲示板でよく言われるようになった。「悲しい」というのはわかりやすいだろう。南アフリカの大会では16年ぶりにサウジアラビアの国旗がはためかないのだ。他国の戦いぶりを「傍観」せざるをえない大会。「うれしい」もわかる方にはわかるだろう。本大会に出られたとしても、今のサウジアラビアの状態では02年日韓大会(ドイツに0-8大敗などで勝ち点1も取れず)、06年ドイツ大会(グループ最下位)のような無様な戦いを世界にさらすだけだからでなくてよかったんだということ。日本代表がW杯予選を突破したはいいが、本大会に向けては大きな不安を覚える日本のファンも多いだろうから「なるほど」とうなずけるところだろう。

 大きな犠牲を払いつつも、サウジアラビアには将来にむけての抜本的な改革のチャンスを与えられたたと考えることも可能だろう。サウジアラビアの構造改革への道は第1歩を踏み出したばかりだが、湾岸の雄が本当に再生できるのか、その行方に注目したい。

※写真はW杯米国大会予選時のサウジアラビアの中心選手アルジャバー。当時のサウジアラビアはアジアでもトップの力を誇っていたのだが…。

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海島健 2009-09-21T22:48:42+09:00
「リヤドの奇跡」にマナマの歓喜の夜 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/129344 <W杯予選アジア5位決定戦:(2)バーレーン2-2サウジアラビア(2)>◇第2戦◇9月9日◇リヤド※カッコ内は2戦合計得点  バーレーンが劇的なロスタイムの同点ゴールでアジア5位を決めて悲願のW杯出場に大きく前進した。  初戦をホームで0-0で引き分けての第2戦は、敵地リヤドでの一戦とあり1-1以上の引き分けでもアウェーゴールの差で5位が決まる。考えようによってはサウジアラビアよりも有利と言える... <W杯予選アジア5位決定戦:(2)バーレーン2-2サウジアラビア(2)>◇第2戦◇9月9日◇リヤド※カッコ内は2戦合計得点

 バーレーンが劇的なロスタイムの同点ゴールでアジア5位を決めて悲願のW杯出場に大きく前進した。
 初戦をホームで0-0で引き分けての第2戦は、敵地リヤドでの一戦とあり1-1以上の引き分けでもアウェーゴールの差で5位が決まる。考えようによってはサウジアラビアよりも有利と言える状況で、前半をFWジェシン・ジョンの同点ゴールで1-1で折り返す理想的な展開。
 しかし、最後の最後にアラーの神は劇的な結末を用意していた。勝つしかないサウジアラビアが後半、猛攻をかける。バーレーンの選手が、恐らくは時間稼ぎのためピッチに倒れこむが、サウジアラビア側は全く無視してのプレーオン。倒れたら相手が有利になるだけ-これがW杯の切符がかかった試合だ。


 1-1でロスタイム3分の表示。スタンドに王族がズラリと並びホームの圧倒的な声援を受けるサウジアラビアは、バーレーンのゴールラインを割りそうなボールもあきらめずに追いかけ、サウジFWヤセルがライン手前で追いついてマイナスのクロスを折り返す。バーレーンのゴール前にふわりとあがったボールにハマド・アル・モンタシェリがヘッドで合わせると、ボールはバーレーンゴールに吸い込まれた。シャツを脱いで走り回るモンタシェリにサウジの選手が次々と抱きつき歓喜の輪が広がる。

 「ハラース」

 筆者がテレビ観戦するバーレーンの首都マナマのカフェ「ベランダ」で、横に座った男が呟(つぶや)いた。「ハラース」とはアラビア語で「終わりだ…」といった意味だ。ロスタイムの残り1分もない状況での失点。しかも敵地。店内は歓喜するサウジアラビアの選手を映し出すテレビの音声だけが響き、まるでお通夜のような状況に。そこで席を立って家路につく気力さえない、という感じでバーレーン人はただ、ぼう然と座っていること以外にやることなどなかった。日本人である筆者にはドーハの悲劇(1993年)を思い起こさせるようなこの「幕切れ」に、バーレーンを応援していて何度も味わった屈辱の数々がよみがえった。いいところまでいきながら決してタイトルをとることはなかった歴史に、また今回もそれが加わるだけだ、と自分を納得させることで結果を受け入れるしかなかった。だが、ドラマは終わらなかった。

 テレビの画面に映っていたのは歓喜にわくサウジアラビアサポーターと選手達、サウジアラビアの王室の方々のお顔もアップで映され、「ドラマの終わり」の準備もできていた。しかしそこにちょっとした弛緩が読み取れないこともなかった。ほんのちょっとのゆるみだ、いま考えれば。

 時間つぶしのボールキープにこだわらず、さらに攻めあがってきたサウジアラビアからバーレーンがボールを奪取すると、ボールをとにかく前に運び、最後はサルマン・イサが相手にボールをぶつけてCKを獲得する。もう時間はほとんどなく、いつもならファウジやサルミーンが蹴るはずのCKを、そばにいたサルマン・イサがそのまま蹴る。ボールはゴールの前にゆっくりと上り、赤いユニホームの選手が3人くらい固まっている場所へ。イスマイルが頭で合わせるとボールは相手GKの手の先を抜けてゴール右隅に転がっていった。その瞬間、立ち木が倒れるようにサウジアラビア選手がピッチに崩れ落ち、赤のユニホームが歓喜の輪を作っている。その横を1人のサウジアラビアの選手がボールを持ってセンターサークルへと走っていく。

 その瞬間、筆者のいるカフェ店内は大騒ぎになった。「ウォー!!」と全員が立ち上がり、知らない人間同士が抱き合い、歓喜の雄叫びを上げる。「アンビリーバーボー」とか「ミラクル」とか、そんな英語を口にして筆者に抱きついてくる。そんな大騒ぎがしばらく続くと、やってきたのは幸福な脱力感。多くの人が「こんなことがあるのか?」という感じで喜び疲れてイスに座り込んでいる。こうしてマナマの歓喜の一夜はすぎていった。

 

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 翌日のアル・アヤム紙は「我々のチームは次のステージへ、国王もみんなを祝福」とのタイトルで報じ、「各プレーヤーに6000BD(約174万円)をボーナスとして渡すことになった。次のニュージーランドにも勝ったらさらに3000BD」とあった。夢のW杯はいよいよ現実のものとなりつつあるのを実感させられる。

 試合前に「日本やサウジアラビアなどと違い、超小国バーレーンにとってはW杯出場のチャンスなんていうのは、今回が本当に最後だろうな」と周囲で観戦していた友人がもらした。それが正しいかどうかはさておき、この一点突破にかける熱い思いは恐らくバーレーンサポーターが共有しているものであろう。それが今回のバーレーンサッカー史の大きなひとコマとして今後もずっと語り続けられるであろう「リヤドの奇跡」を生み出したのだろうか。

 「ホイッスルが鳴るまでボールを追え」というサッカーの基本的ともいえる教訓を今回の試合が教えてくれた。次は大陸間プレーオフ。ニュージーランドを倒せば人口70万人の小国バーレーンが世界の舞台に立つのだ。ドラマの最終章が見えてきた。

 

※写真はサウジアラビア戦の結果を報じるアル・アヤム紙

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海島健 2009-09-11T00:11:09+09:00
バーレーン無念のドローで9・9決戦へ http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/128998 <W杯予選アジア5位決定戦:バーレーン0-0サウジアラビア>◇第1戦◇9月5日◇マナマ  ホームのバーレーンが攻めに攻めたが結果はドローに終わった。W杯への道は9月9日の敵地リヤドでの第2戦にすべてが託されることになった。サウジアラビアにアウェーゴールを許さなかったのは収穫だが、バーレーンサポーターの「ホームできっちり勝てたのに…」との忸怩(じくじ)たる思いを翌日のバーレーン各紙が代弁していたよう... <W杯予選アジア5位決定戦:バーレーン0-0サウジアラビア>◇第1戦◇9月5日◇マナマ
 ホームのバーレーンが攻めに攻めたが結果はドローに終わった。W杯への道は9月9日の敵地リヤドでの第2戦にすべてが託されることになった。サウジアラビアにアウェーゴールを許さなかったのは収穫だが、バーレーンサポーターの「ホームできっちり勝てたのに…」との忸怩(じくじ)たる思いを翌日のバーレーン各紙が代弁していたようだ。
 
 「負けにひとしい引き分け、リヤドで決着!!」(アル・ワクト紙)
 「得点はなし、希望はまだあり」(アクバール・アル・カリージ紙)
 「サウジよりずっとよくプレー。サウジはうまく逃げ切った」(アル・アヤム紙)
 「あー落胆!! すべてのチャンスを無駄に」(アル・ワサット紙)

 序盤からゲームの主導権を握り、前が少しでも開けばシュートを放ち、クロスも積極的に入れた。前半は獲得CKがバーレーン10本に対してサウジアラビア2本と数字の上からも圧倒的だった(ここまでサウジを苦しめるとは!! 過去の対戦成績などを知っている者としては涙ものだ)。

 だが、サウジアラビアの最後の砦GK、ワリード・アブドラ(アルシャバブ)がバーレーンの前に立ちはだかった。バーレーンの怒涛の攻撃をことごとくしのぐ。DFモハメッド・アドナンの強烈なロングシュートもFWジェシー・ジョンの終了間際の2回の決定機などもすべて止めた。まさに新聞のタイトルにもあるようにサウジに逃げ切られてしまった。

 バーレーンにとっては大きな追い風もあった。当コラムでも何度もとりあげたサウジアラビア代表の「お宝」FWナイフ・ハザジィ(アルイテハド)が、直前の親善試合のマレーシア戦で右膝じん帯を痛め、全治6カ月となってしまったのだ。抜群の決定力を持つナイフ不在の「追い風」を生かしきれなかったのだ。

 バーレーンのマチャラ監督は会見で「この試合でサウジアラビアへのアドバンテージを得られなかったことに落胆しすぎるのはいけない。今日はわれわれの日ではなかった。リヤドでは最善を尽くすよ」と述べ、ファンや選手の落胆を戒めた。

 

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 筆者もマチャラ監督の発言には同意できる部分が多い。まず、何といってもこの初戦の内容が非常によかったこと。CKの数、ボール支配率はもとより、1対1でも相手からしっかりボールを奪取できていたし、ディフェンスでも相手に抜かれないように冷静だったこと。前をむいてのどん欲な(時には無謀な)シュートが非常に多く、きっちり相手ゴールを脅かし続けたこと。こういったことは中3日での2連戦なら同じようにプレーできる可能性は高い。

 それと、小国らしからず選手層がかなり厚くなってきたのも頼もしい。初戦には代表復帰した2人、FWのフセイン・アリとMFジャラルが先発したが、そのせいでベンチには豪華なメンバーが座っていた。
 ◆アラー・フバイル=日本戦でもゴールを決めたバーレーンの英雄)、
 ◆ジェシン・ジョン=ナイジェリアから国籍取得しベルギーリーグでプレー
 ◆ファッタイ=マチャラの一番好きな? 絶対的な司令塔
 ◆リンゴ=ウズベキスタン戦2勝の立役者「ロケットFK」で有名

 以上、日本のファンにもおなじみになったような顔がベンチに並んでいたわけだ。。W杯ドイツ大会のプレーオフでは選手層が薄すぎて「とにかくイエローをもらわないように」というバーレーンらしからぬ弱気な戦い方を強いられたが、今回は必要以上に過敏にならなくてもいいのはありがたい。次戦はゲームメーカーのサルミーンが累積警告で出場停止となるが、ベンチの顔ぶれを見ればその穴は埋められるだろう。

 サウジアラビアとバーレーンの両国を眺めるとその物理的な大きさの違いはまるで巨象とねずみ、いや巨象と蚊くらいに違う(単純計算で面積は3000分の1)。W杯予選アジア5位決定戦という大舞台で湾岸の横綱サウジアラビアを倒す絶好のチャンスを逃してほしくない。5日の試合で確かな手ごたえを感じたに違いないバーレーン代表(=赤のマラリア蚊)はきっとやってくれるはずだ。

 

※写真はバーレーン代表のマチャラ監督

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海島健 2009-09-08T18:44:18+09:00
中東の超有名ブランド「ガンバ大阪」 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/127958  8月26日にG大阪FWレアンドロ(24)がカタールのアルサードに移籍することで両クラブの合意が成立した。今夏のブラジル人ストライカーのJリーグから「中東リーグ」への移籍は2人目。日本のファン、とりわけG大阪ファンは「このリーグ戦の大事な時期にまた強奪か!」といった感想を持つかもしれない。  近年、毎年のように起きるJリーグ出身外国人FWの中東流出(輸出成功?)。一体、その背景にあるものは何なの...  8月26日にG大阪FWレアンドロ(24)がカタールのアルサードに移籍することで両クラブの合意が成立した。今夏のブラジル人ストライカーのJリーグから「中東リーグ」への移籍は2人目。日本のファン、とりわけG大阪ファンは「このリーグ戦の大事な時期にまた強奪か!」といった感想を持つかもしれない。

 近年、毎年のように起きるJリーグ出身外国人FWの中東流出(輸出成功?)。一体、その背景にあるものは何なのかを考えてみたい。

 

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 まずはここ最近で話題になったJリーグから中東各国リーグへの外国人選手移籍をまとめてみた(移籍時期などはアラブ系のサイトを参考にした)。

選手名  ~ Jリーグ最終所属クラブから(場合によってはほかのチームを経由して)中東所属クラブに移った時期。

レアンドロ     09年08月  G大阪→アルサード(カタール)
ダビ        09年07月  名古屋→ウムサラール(カタール)
バレー       08年07月  G大阪→アルアハリ(UAE)
マグノ・アウベス  07年11月  G大阪→アルイテハド(サウジアラビア)【08年9月にウムサラール(カタール)に移籍 】
クレメンソン    07年夏   G大阪→クルゼイロ(ブラジル)→アル・ガラーファ(カタール)
エメルソン     05年7月   浦和→アルサード(カタール、一時フランスのレンヌへ移籍もフィットせず復帰)→フラメンゴ(ブラジル)

 こうしてみると以下の点が分かる。
 1)Jリーグの最終所属クラブは6人中4人がG大阪で断トツ。ほかは浦和、名古屋で、いずれもクラブもアジアCL制覇(浦和)、今年のアジアCLベスト8勝ち残り(名古屋)といったアジアサッカー界の有名クラブである。
 2)「中東」移籍とはいえ、実際に選手を獲得しているクラブはカタールのクラブが圧倒的で、他がUAEとサウジアラビアの金持ちビッグクラブに限られる。(要するに湾岸リッチクラブ)
 3)選手獲得は湾岸各国リーグのオフシーズンである夏に行われる。Jリーグはシーズン真っ盛りなので、獲得は欧州などから引っ張る場合よりも強引にならざるをえない。
 4)驚くには値しないかもしれないが、全員がブラジル人ストライカー

 さて、なぜ「中東(=湾岸)」サイドが毎年のように多額の金を積んでJ出身のブラジルストライカーを「強奪」したがるのか。ここから先は筆者の私見だ。
 バーレーン代表の多くが所属するカタールスターリーグ(=QSL)は筆者も見る機会が多いし、J出身のストライカーが加入したクラブは気になってQSLでなくてもそのクラブの試合をテレビでたまに見たりするのだが、その際にここ2-3年のJリーグがらみで湾岸にいて感じることは主に3つある。

 1)Jリーグのブランド化
 2)G大阪の超有名ブランド化
 3)中東リーグ、なかでもカタールリーグにおけるJ出身ブラジル人ストライカーの活躍(特に加入した初年度)

である。
 1)のJリーグのブランド化というのは、特にここ2-3年におけるJクラブのアジアCLでの活躍やクラブW杯での浦和、G大阪の善戦をこちらサイドでは驚きとある種の憧れをもって見ていることから生じている。アジアCLでは今年も16強にJクラブのすべてが進出したり、浦和が07年に続けてG大阪が08年にアジア王者になったりしたことなどがその憧憬に拍車をかけていることだろう。

 2)については、まずこちらのサッカー中継の場面から説明したい。たとえばQSLのゲームなどをテレビで見ているとアナウンサーが「ガンバオオサアーカー」と絶叫することがある。これはガンバ出身のマグノ・アウベスやクレメンソンがいいプレーをしたりゴールを決めたりするとなされることが多く「いいですか、この選手はあのアジアの王者クラブG大阪から持ってきたんですよ」というニュアンスに聞こえなくもない。ちょっと前までだと「浦和レッズ」もよく聞いたのだが、08-09シーズンはとにかく「ガンバオオサアーカー」の回数が非常に多かった。

 さらに08年12月のクラブW杯、マンチェスターU戦でのG大阪の戦いぶり(08年12月18日、マンチェスターU5-3G大阪)も、こちらでは絶賛されたのでG大阪の超有名ブランド化はさらに進んでしまったのではないだろうか(詳しくは過去コラム「アラブ世界がG大阪を絶賛、カミカーゼ・ヤバン!」参照)。

 3)についても過去コラムと大きくダブらない程度にごく簡単にまとめてみよう。カタールリーグを例にするといいだろうが、このリーグの優勝チームは00-01年シーズンから順に、アルワクラ(00-01)、アルガラーファ(01-02)、カタールSC(02-03)、アルサード(03-04)、アルガラーファ(04-05)と連覇チームなしであった。05年7月にエメルソンがカタールに上陸し、アルサードの一員になる。このエメルソンが入ったアルサード、とくに彼の2年目のシーズンは18ゴール(27試合)の大活躍で05-06シーズンと06-07シーズン連覇を果たし、アルサード黄金時代を予感させた。

 しかし、そうはいかなかった。ライバルチームのアルガラーファは07年の夏に大きな補強を行い、当時ブラジルのクルゼイロに在籍していたクレメンソンを引き抜いた。クレメンソンは1年目に27ゴールを挙げ得点王になり、07-08年度はアルガラーファが覇権を奪回。続く08-09年度も20ゴールの活躍で、チームは2連覇となったのである。結果だけを見るとJ出身のブラジル人ストライカーはまるでリーグ優勝のための「お守り」みたいではないか(ちなみに、08-09年度のQSL得点王はサウジアラビアのアルイテハドからカタールのウムサラールにやってきたマグノ・アウベス=25得点)。

 なるほどアナウンサーが「ガンバオオサアーカー」と何度も何度も叫んでいたわけだ。そういう流れの中で、大金を投じてまで7月にウムサラールがダビを獲得し8月にアルサードがレアンドロを獲ったことの意味や彼らに託された非常に大きな期待などが見えてくる。

 やはり優勝チームがころころ変わるお隣りUAEリーグにおいても「お守り神話」は実現。去年、バレーの加入したアルアハリも08-09年シーズンを制し、同国で行われるクラブW杯の出場権を見事に手にしている(もっともバレー自身はUAEリーグへの適応に意外にてこずったようだ。2年目の活躍に期待しよう)。

 チームが優勝するには他にもいろいろな要素があるとはいえ、これってかなりすごいことのように思う。
 湾岸の金持ちクラブが極東担当のスカウトあたりに「今回の補強はとにかく日本から頼むよ。お金はいくらでも出すから、できればアナウンサーがよく絶叫しているあのチーム。エーとなんだっけ、そうそうガンバオオサカから。レオナルドね。だめなら今年のアジアCLでゴールをたくさん挙げているのがいいな。レナトとかジュニーニョあたりかね。あとはJリーグの得点ランキングの上位につけているのも見ておいて。エジミウソン、ダビ、マルキーニョスなんかはビッグクラブ在籍だしいいんじゃないかね?日本の生活経験者はなぜかこちらでのフィットも早いからな」なんてささやいていそうだ。まあ、勝手な想像(=創造)ですが。

 以上述べてきたような事情が湾岸サイドにはあるため、また9月あたりにもう1、2件あってもおかしくはないだろうし、ダビとレアンドロの大活躍でウムサラールはカタールカップ戦(と今年のアジアCL)を制し、アルサードはカタールスターリーグを早々独走でリーグタイトル奪還なんていうことになったら、今度は来夏を待たずにまた湾岸スカウトたちは動き出したりするのかもしれない。

※写真は移籍直前、G大阪のサポーターにあいさつするレアンドロ(撮影・益子浩一)

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海島健 2009-08-31T23:11:36+09:00
W杯PO湾岸対決へサウジ合宿は罰ゲーム? http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/127296  7、8月の湾岸はまさに「非人道的な暑さ(=最高気温45度は当たり前)」で、域内にある大学の多くが9月中ごろまで夏休みとなる。バーレーン大学の外国人教師達も母国への航空券を渡され一時帰国。筆者も日本一時帰国を終え、帰りに寄り道をしているところであり、まことに唐突ではあるが今はネパールのカトマンズにいる。今回は世界の屋根のふもとから、アラーの国のフットボールをお届けする。  バンコクからタイ航空で...  7、8月の湾岸はまさに「非人道的な暑さ(=最高気温45度は当たり前)」で、域内にある大学の多くが9月中ごろまで夏休みとなる。バーレーン大学の外国人教師達も母国への航空券を渡され一時帰国。筆者も日本一時帰国を終え、帰りに寄り道をしているところであり、まことに唐突ではあるが今はネパールのカトマンズにいる。今回は世界の屋根のふもとから、アラーの国のフットボールをお届けする。

 バンコクからタイ航空でカトマンズの空港に着いて案内板を見上げると、出発便の案内があった。一国の首都の空港というよりは、地方の小空港といった風情で出発予定便も10便程度しかなかった。エア・インディアとかパキスタン航空といった近隣国のフラッグキャリアがあるの当然としても、、湾岸系の航空会社が3つも出ていた。カタール航空にエアー・アラビア(UAEのシャルジャをハブにするアラビア半島を代表するLCC=ローコストキャリア)、そしてバーレーンのガルフ航空。バーレーン-カトマンズ直行便があることは知ってはいたが、こんなところで「GF Bahrain」の表示を見るとやはりなぜか「ウオーー」とのけぞるな~。

 これは湾岸とネパールの関係に絞っていえば、湾岸の人間がネパールに遊びに来るということより(カトマンズ市内ではアラブ人らしき人などほとんど見かけない)も、ネパール人が湾岸に出稼ぎに行くという意味合いが大きいのだと思う(もちろん欧州の観光客などもこの路線に乗っていますが)。バーレーンやUAEなどにも、数の上ではインド、パキスタンの労働者に圧倒されて目立たないけどわりと出稼ぎネパーリーっているのです。

 さて、W杯アジアプレーオフもあと10日ほど(=9月5日と9日)。330万ほどの神がいるといわれるネパールの空港の案内板で「お前は放浪期間中で、バーレーンサッカーをすっかりお忘れか?」というメッセージを唯一神アラーより奇しくも受け取るような形になった気がするが、もちろん忘れてなんかはいない。随時バーレーン代表(とサウジアラビア代表)の情報を追いかけており、それによるとバーレーン代表はメリハリの効いたいいスケジュールをこなしているようだ。

 

umishima090826 

 

 まずは7月の終わりから20日間ほどのオーストリア合宿を実施。この合宿中にヨーロッパのクラブチームと3試合をこなした。特筆すべきはあの元バルセロナのエトーも加入したインテルと対戦機会があったことだろうか。バーレーン国内でも大いに注目を集めそうなこのカード、残念ながらなぜかバーレーンでは放映されなかったとのこと。8月19日に代表はバーレーンに戻り、短い休みをはさんで8月26日から3カ国対抗(バーレーン、ケニア、イラン)を予定している。日本のキリン杯のような日程になっていて、

8月26日 バーレーン-ケニア
8月28日 イラン-ケニア
8月31日 バーレーン-イラン

 というスケジュールだ。
 カタールでシェイク・ジェシム杯のグループリーグが8月22日-29日にあるなどで、海外組の合流は遅れそうだが、28日のイラン戦までには何とかフルメンバーをそろえたいという、いつものありがちな悩みはつきまとうものの、固定レギュラーメンバーのケガなどはなくうまくいっているともいう。

 だが、カトマンズから電話をかけてバーレーンの友人マナフ氏に話を聞いてみると、ちょっと心配なことがあるようだ。彼の心配とは「湾岸の猛暑を避けてかなり涼しい欧州で合宿をしていたバーレーン代表は2週間ほどの期間でちゃんと体が順応するのか?」ということだった。

 実際、対戦相手のサウジアラビア代表が8月初旬に行った合宿地はオマーン(12日にはバーレーン代表とはW杯アジア3次予選で同組だったオマーン代表とサラーラで対戦し、1-2で敗戦)であり、19日からサウジリーグが開幕。27日からリーグを中断して、同時にサウジアラビア代表を再招集して合宿-といった具合に酷暑の湾岸に留まり続ける「罰ゲーム」のようなことをしているのだから、心配も無理はないのかもしれない。対してバーレーン代表はプレーオフにみごと滑り込んだ「ごほうび旅行」すら見える。

 筆者の素人考えではあるが、8月中にあの湾岸にいると基本的には猛暑(の中での特訓)と超冷房(での休憩や就寝)の間を行ったり来たりしながらの練習になるので、体には相当負担がかかり、これを夏の間続ける代表選手たちはひどい「夏バテ」のような症状にはなるのではないかと思うが、どうなのだろう。
 厳しい練習なんかしないで、普通に生きているだけでも何かフラフラするくらいですから。肉体的にも精神的にもリフレッシュしたバーレーン代表にさらなるアドバンテージがあるといいな、という希望的観測を、朝晩はしっかり気温がさがる快適な夏のカトマンズで思うのであるが…。

※写真はサウジアラビア代表(北京五輪予選時)

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海島健 2009-08-26T21:40:34+09:00
サウジアラビア名門チーム「日本人買います」 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/123606  湾岸は今猛暑の季節。各国リーグはシーズンを終了、休養期間に入り、どのチームも来期に向けた補強を着々とすすめている。名古屋のダビがカタールのウム・サラールに移籍を決めたのもこの大きな流れの1つ。Jリーグ所属(か経験のある)の外国人ストライカーが中東、とりわけ湾岸に移籍という流れは今後も続きそうだ。それとは別に今年は興味深い新たな流れが加速している。湾岸クラブがアジア枠を使っての日本人選手の獲得に動...  湾岸は今猛暑の季節。各国リーグはシーズンを終了、休養期間に入り、どのチームも来期に向けた補強を着々とすすめている。名古屋のダビがカタールのウム・サラールに移籍を決めたのもこの大きな流れの1つ。Jリーグ所属(か経験のある)の外国人ストライカーが中東、とりわけ湾岸に移籍という流れは今後も続きそうだ。それとは別に今年は興味深い新たな流れが加速している。湾岸クラブがアジア枠を使っての日本人選手の獲得に動いたことだ。今回は結局実現しなかったものの、それなりの金額を積んで日本代表クラスに働きかけた。
 
 地元紙で「ほぼ合意!!」とまで報じられた例がある。グルノーブル移籍となった松井大輔である。今年の6月中旬ごろサウジアラビア紙で報道され、直後に松井大輔ベストプレー集が移籍先と言われていたアル・ナスルのサイトに載せられ、あとは松井がサインをしてやってくるのを待つばかりの状況だった。
 
 その当時のサウジアラビアのアル・ワタン紙にはこんな記事が出ていた。「アル・ナスルクラブの副会長アーメル・アル・ザルハム氏がジュネーブで松井のエージェントと接触。2年契約の320万ユーロで合意に達した模様」。続けて「以前から松井にラブコールを送っていた同クラブ。松井側はサウジアラビアに行くことを当初は拒否していた(=その理由は不明)。クラブ側はその後もあきらめず、契約内容などをさらに松井サイドに有利にするなどの誠意が通じたのか、松井側が最終的には首を縦にふることになった」と合意に至るまでのいきさつを紹介。「アル・ナスルには現在2人のアルゼンチン人と1人のブラジル人が在籍しており、松井は最後の枠で加入する外国人選手」といったチーム事情にも触れている。

 

umishima090731 


 
 サウジアラビアは、日本同様に、アジアCLに出場したすべての4クラブが決勝トーナメントに進んだ。その4クラブにサウジリーグ2強のアル・ヒラルとアル・イテハドはもちろん含まれ、それにアル・シャバブとアル・イティファク。アル・ナスルは現在これらのクラブの次くらいに位置する実力と見ていいだろう。たとえば08-09年度は、サウジリーグ5位、国王杯8強どまり、クラウンプリンス杯4強。とはいえ、80年代初頭から90年代にかけてはアル・ヒラルとアル・ナスルの2強時代だったこともある、リーグ優勝6回を誇るサウジアラビアの名門チームの1つである。
 
 94-95年シーズン以来、14年もリーグタイトルから遠ざかっており、今年の初めあたりからチームの方針を大転換し、大きな出費覚悟で過去の栄光を取り戻すべくなりふりかまわぬ補強に乗り出した。年初のガルフ杯ではオマーンが優勝したが、その立役者である得点王の超新星オマーン人FWハッサン・ラビアの争奪戦に勝利した(=半年のレンタル)。さらに、当コラムで何度も取り上げている、サウジアラビア代表の新国宝ナイフ・ハザジィ(アル・イテハド)の争奪戦にも参戦し2500万サウジリアル(約6億5000万円)の破格値を提示し、所属クラブのアル・イテハドも真っ青になったのもつい最近のこと(おそらくナイフはアル・イテハド残留)。
 
 さらに6月になってものすごい国内移籍が成立した。FWモハメッド・アル・サフラウィのアル・カディーシャ(サウジアラビア2部、来季1部昇格)からアル・ナスルへの移籍だ。3200万サウジリアル(8億3000万円)がつぎ込まれ、ヤセル・アル・カフタニが05年にアル・ヒラルに移籍したときのサウジアラビア人としての記録2200万サウジリアルを大きく上回った。そして、スイスのヌーシャテルで活躍していたサウジアラビア代表のフセイン・アブドル・ガーニーも来シーズンはサウジアラビアに戻り、元所属していた(サウジアラビアの)アル・アハリではなくこのアル・ナスルと契約。
 
 日本では報道されたかどうか定かではないが、アル・ナスルは5月にセルティック所属の中村俊輔にも巨額オファーを出していたらしい。こちらの報道では、中村サイドは日本国外であればスペイン移籍を希望していたとのことで断念。そこで、急きょほかのアジア人を、特に日本人をということもあったようで、松井に白羽の矢がたてられた。中村獲得に用意しておいた巨額資金もあり、松井獲得の資金も十分すぎるほど用意できたのではないだろうか。
 結局、アジア枠では韓国代表のイ・チョンスを獲得。年棒10億ウオン以上の1年契約だという。ソル・ギヒョン(昨季アル・ヒラル)イ・ヨンピョ(今季アル・ヒラル)に続くサウジリーグで活躍する3人目の韓国人選手となる。個人的にはサウジアラビアを代表する強力なFWの下で、日本人MFが献身的なサポートをし、欧州リーグの経験のある屈強なCB2枚(=これは3人の外国人枠でとる)がいるクラブが誕生したらぜひもので見てみたいし、アジア枠を有効に活用してアジアCL優勝を目指すには理想的なチームになりそうな気がする。
 そういう意味でも来シーズンのアル・ナスルには筆者も注目している。
 
 アジア枠の選手も高いレベルの選手を獲得しないと国内リーグすら、生き残れないという必死さすら感じるこの松井獲得への熱意。湾岸の資金力のあるクラブではアジア枠の選手に対しても巨額オファーで魅力的な契約をもちかけてくる。そんな時代に入りつつあり、日本人のビッグネームが実際にやってくる日も近いのかもしれない。

※写真はグルノーブルに移籍した松井大輔(撮影・鹿野芳博)

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海島健 2009-07-31T15:52:15+09:00
橋を隔てた2つの国の明暗、さあ湾岸対決 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/117346  W杯アジア予選の最終節(6月17日)、バー レーンはホームでウズベキスタンを1-0で下し勝ち点10に到達。グループ3位を確保しアジア5位決定戦に駒を進めた。決勝点を挙げたのはマフモッド・ア ブドゥルラフマン(=リンゴ)で、FKによるもの。2月のタシケントの試合でもロスタイムにリンゴがFKを決めて勝っており、まさにリンゴのおかげで対ウ ズベキスタン2勝となった。ウズベキスタン代表のカシモフ監督もこ...

 W杯アジア予選の最終節(6月17日)、バー レーンはホームでウズベキスタンを1-0で下し勝ち点10に到達。グループ3位を確保しアジア5位決定戦に駒を進めた。決勝点を挙げたのはマフモッド・ア ブドゥルラフマン(=リンゴ)で、FKによるもの。2月のタシケントの試合でもロスタイムにリンゴがFKを決めて勝っており、まさにリンゴのおかげで対ウ ズベキスタン2勝となった。ウズベキスタン代表のカシモフ監督もこのFKに対しては、「マンチェスターUのGK(=ファンデルサール)でも今日のあのFK は止められない」と賞賛を惜しまなかった。
 
 試合翌日の見出しは当然のように「リンゴロケット」絶賛、リンゴオンパレードだ。
 「リンゴの足はウズベキスタンの敵」(アクバル・アル・カリージ紙)
 「赤の軍団、リンゴのゴールで飛び立つ。プレーオフ出場権獲得」(アル・アヤム紙)
 「リンゴロケットのおかげでプレーオフの対戦予約をとりつけた」(アル・ワサット紙)
 
  マナマのスタジアムでバーレーン代表の歓喜と安堵を見届けたあと、マクハ(=地元の人の喫茶店)に駆けつけサウジアラビアvs北朝鮮をテレビ観戦。後半開 始に何とか間にあうタイミングで到着し「さて、プレーオフの相手はどこなのだ」とつかの間の高みの見物。すでにゲームが終わった韓国vsイランはドロー だったのでリヤドでのこのゲームが始まる前の時点での3チームは勝ち点11で並び、順位は暫定で以下のようになっていた。
順位  国      勝ち点  得失
2位 北朝鮮     11   +2
3位 イラン     11   +1
4位 サウジアラビア 11    0
 
  と壮絶なもの。サウジアラビアとすれば、勝てばW杯出場、引き分ければプレーオフ、負ければ予選敗退という状況。前回コラム(サウジの巨大ニンジンで北朝 鮮は「今度で終わり」)で紹介したサウジ代表選手の前にぶら下がった巨大ニンジン(各選手5000万円相当のボーナス)ネタはこちらのサポーターにもよく 知られており、興味は「巨大ニンジン効果で、一体何点差をつけて北朝鮮を負かすのか」といったところだった。
 
 同じアラブ勢ということもあり、当然のようにマクハではサウジアラビアへの声援が多かった。が、圧倒的に攻め込みながら北朝鮮の鉄壁の守備に阻まれ引き分けに終わると、意外な結果に驚くとともに「ああーー、サウジアラビアが相手かーー」と、ため息がもれる。

umishima090621 
 まさかのドローにサウジアラビアのメディアは後半での失速(=選手のガス欠)を批判。
  「サウジの酷い試合で北朝鮮にW杯切符を手渡す」(アシュラク・アル・ワサット紙)と逃したW杯自動出場権を悔やむものになっていた。記事では「以前の審 判のミスジャッジの代償をここで払わされている」(=昨年の11月、ホームでの韓国戦などでのものを指している)と述べるなど、批判の矛先をずっと以前の 試合の審判に向けざるを得ない状況だ。
 
 サウジアラビアはW杯アジア最終予選の前半4試合で1勝1分け2敗で勝ち点4、後半4試合は2 勝2分けで勝ち点8という結果だった。結局前半戦で2敗したのが最後まで響いたと見ることができそうだ。第3戦韓国、第4戦北朝鮮と連敗したが、せめて、 どちらかと引き分けて勝ち点1を上積みしていれば、とは誰しもが思うのではないか。W杯予選は「負けないこと」が大事と言われる。わずか8戦で2敗は大き すぎたということだろう。もっともこの日、イランが韓国に勝っていれば、サウジアラビアは北朝鮮と引き分けたら4位で予選落ちが決まったわけで、そう考え れば希望がつながっただけでもよしとせねば、という考えも成り立ちそうだが。
 
 それはともかく、サウジアラビア・サッカー協会は早速今後のプレーオフに向けたスケジュールを発表した。ちょっと長いが紹介してみよう。
◆8月7日-14日 代表合宿(暑さの残る時期の湾岸対決になるのであえて国内か?、12日と14日に親善試合)
◆8月19日 サウジリーグスタート(本来は8月26日スタートのはずが前倒し)
◆8月27日 代表再招集 サウジアラビア東部のダンマン(ここからちょこっと橋を渡ればバーレーン)にて合宿
◆8月30日 親善試合(相手未定)
◆9月5日  バーレーンとのプレーオフ第1戦
◆9月10日 バーレーンとのプレーオフ第2戦
(以下はもしサウジアラビアが勝った場合)
◆10月4日 親善試合(相手未定)
◆10月10日 ニュージーランドとの大陸間プレーオフ第1戦(サウジのホームゲーム)
◆11月4日 合宿スタート
◆11月8日 親善試合
◆11月14日 ニュージーランドとの大陸間プレーオフ第2戦(アウェー)
 
  ちなみにサウジアラビアのビッグクラブである、アル・イテハド(ナイフ・ハザジィやモハメッド・ヌールの所属クラブ)は今夏スペインで行われるピース杯 (7月24日開幕)に出場し、あこがれのRマドリードなどと対戦する予定なのだが、代表選手は代表重視ということでスペイン行きをあきらめろとの通達まで 出される始末だ。ごほうびを含めているであろうこのスペイン遠征に参加できない選手は、さぞかしがっかりだったに違いない。
 
 W杯チケットを手にするまでのスケジュールを聞かされたサウジアラビアの選手たちは改めて逃した魚の大きさを思っただろう。
  一方のバーレーンは前回大会予選に続くプレーオフの「常連」で、マチャラ監督なども3月の日本戦の前あたりから「現実的に3位を狙う」と公言してきて、選 手にもその覚悟がずっとあったのは間違いない。そして、最終節で負ければ3位の座をウズベキスタンに持っていかれる危機を乗り越えてのプレーオフ獲得で歓 喜アンド安堵のバーレーン代表。モチベーションはしっかりしている。
 
 両国ともアジア5位の座をかけた相手が同じ湾岸勢でやりにくいの は同じだ。初出場目指す小国バーレーンvs5大会連続出場目指す湾岸の超大国サウジアラビアは、今回は歓喜のバーレーンvs落胆のサウジアラビアという図 式になり、地力に勝ると一般的に思われるサウジアラビアの苦戦は免れないように、希望的観測込みで思うのだが…。

※写真はW杯出場を決めて喜ぶ北朝鮮の選手(AP)

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海島健 2009-06-21T23:02:37+09:00
サウジの巨大ニンジンで北朝鮮は「今度で終わり」 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/116446  中東の雄サウジアラビアは10日のW杯アジア最終予選でアウエーの韓国戦で退場者を1人出しながらもスコアレスドローでしのぎ、貴重な勝ち点1をゲットした。6月17日の最終戦での自力2位突破の夢とともに勇躍、帰国した。  ペセイロ監督は「引き分けの結果には満足だ」と会見で話し、マスコミもW杯出場が決まる2位突破を願う見出しが翌11日に並んだ。  「W杯出場の夢に大きく近づき、緑の軍団(=サウジアラビア...  中東の雄サウジアラビアは10日のW杯アジア最終予選でアウエーの韓国戦で退場者を1人出しながらもスコアレスドローでしのぎ、貴重な勝ち点1をゲットした。6月17日の最終戦での自力2位突破の夢とともに勇躍、帰国した。
 ペセイロ監督は「引き分けの結果には満足だ」と会見で話し、マスコミもW杯出場が決まる2位突破を願う見出しが翌11日に並んだ。

 「W杯出場の夢に大きく近づき、緑の軍団(=サウジアラビア)は韓国を飛び立つ」
 「ソウルでの勝ち点1のおかげで、リヤドでの歴史的瞬間の準備が完了-退場者を出しながらもドロー」
 「北朝鮮よ、冒険旅行も今度で終わりだよ」

 果たしてそこまで威勢がよくていいのかと思うが、まずは大混戦のまま最終戦を迎えるB組の状況を改めて見てみよう。
順位   国       勝ち点 得失
★1位 韓国       15  +8  ※W杯出場決定
 2位 北朝鮮      11  +2
 3位 サウジアラビア  11   0
 4位 イラン      10  +1
 5位 UAE      1  -11  ※予選落ち決定

 勝ち点1差に3カ国がひしめく混戦状態。最終戦が韓国-イラン(ソウル)、サウジアラビア-北朝鮮(リヤド)でイラン、サウジアラビア、北朝鮮の3チームに2位になれる可能性があって、2位(W杯出場)と3位(プレーオフ出場)と4位(予選敗退)に分かれる。天国か地獄か、とりあえずは希望をつなぐか、究極の三叉路に差しかかっている状況。決して楽観視できない状況にあるのだが、とはいえ“究極の三叉路”にまでサウジアラビアがたどりついたこと自体、立派と言うべきで、そうであるからこそのマスコミのはしゃぎぶりなのだろう。サウジアラビアは最終予選の最初の4試合で1勝1分け2敗の勝ち点4と低迷。さすがに出場権黄信号と思われたが、その後3戦で2勝1分けで勝ち点7を荒稼ぎして一気に圏内に浮上してきた。

 

umishima090616 

 

 最終戦は予定では韓国-イランが先にゲームを終了し、その結果を踏まえてサウジアラビアはホームで戦えることから、アドバンテージがあるかなという気がするがどうだろう。この日のイランの勝敗にかかわらずとにかく最後にホームで勝てばいい、勝つしかないというシンプルな状況も悪くない。

 そして、つい先日のアル・ワタン紙にサウジアラビア代表を後押しする援護射撃の記事が出た。カンのいい読者はお分かりかもしれないが、湾岸得意の(ニンジン大作戦)だ。ぶら下がったニンジンの大きさも半端じゃない。記事の概要はこんな感じだ。「電話会社ゼインが来年度よりサウジプロリーグのスポンサーになった。(それとは別に)来る17日の北朝鮮戦のチケットは同社がすべて買い上げ観戦希望者に無料配布をすることにした。さらに、この試合でW杯出場を決めた場合すべてのプレーヤーに200万サウジリアルのボーナスを同社が出すことにした」とある。

 すでに他のスポンサーやサウジアラビアサッカー協会などもそれなりのボーナス(数社共同で25万サウジリアルなど)を出すと、表明しているのだが、このゼイン社の出すボーナスは破格。記事を訳してくれた友人に何回も確認したのだが、200万サウジリアルで間違いないという。ちなみに1サウジリアルが25円だから、5000万円なんですけど、選手1人の受け取り分が…。

 一時は脱落しかけながら、ここまで盛り返した勝負強さ。最後に1人5000万円のボーナスに満員のスタジアム。中東の雄に条件はそろった。「北朝鮮よ、冒険旅行も今度で終わりだよ」と言いたくなるのも分かる気がする。

※写真は2月11日、平壌での北朝鮮-サウジアラビア戦(共同)

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海島健 2009-06-16T23:48:06+09:00
日本の戦いぶりに注がれるバーレーンの熱視線 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/115266  日本が6日にウズベキスタンを苦しみながらも1-0で下しW杯南アフリカ大会への出場権を獲得すると、筆者はお祝いのメッセージやメールをバーレーン人からもらった。同組のバーレーンにとってはこの日、オーストラリアも出場権を獲得したことで2位以内の可能性が消えた日とも言えるのだが、なぜかニンマリ顔のサポーターが多い。彼らには現実的な目標がある。そう、プレーオフ進出権利が得られるA組3位確保だ。  そうい...  日本が6日にウズベキスタンを苦しみながらも1-0で下しW杯南アフリカ大会への出場権を獲得すると、筆者はお祝いのメッセージやメールをバーレーン人からもらった。同組のバーレーンにとってはこの日、オーストラリアも出場権を獲得したことで2位以内の可能性が消えた日とも言えるのだが、なぜかニンマリ顔のサポーターが多い。彼らには現実的な目標がある。そう、プレーオフ進出権利が得られるA組3位確保だ。

 そういった意味で日本がウズベキスタンをキッチリと下してくれたのは何よりもありがたい。これでウズベキスタンの勝ち点は4のままで、第10節のマナーマでのバーレーン戦を残すのみ。バーレーンの現時点での勝ち点は7で、残り2試合あるから対ウズベキスタンということでは気持ちの上での余裕はかなり出てきた。

 

umishima090609 

 

 少なくない誤算としては、豪州がドーハでカタールと「引き分けてしまった」ことだ。豪州vsカタールはW杯アジア3次予選と最終予選で同居し、過去3試合は3-0、3-1、4-0と常に豪州の圧勝だっただけに、バーレーンとしても予想外の結果になった。これでカタールが勝ち点1を上乗せし合計で5となり、首の皮一枚つながった。この勝ち点1の持つ意味は翌日のカタール各紙の報道を見れば分かる。

「3位になる夢、いまだ消えず。日豪はW杯出場を決める」
「カンガルー軍と引き分けてW杯出場の夢あり」
「カタール、W杯出場の望みを拾い上げる」

 さて、改めて3位争いの状況を見てみよう。

順位 国      勝ち点  得失点差 残り試合
3位 バーレーン   7    -1   2(豪・ウ)
4位 カタール    5    -9   1(日)
5位 ウズベキスタン 4    -4   1(バ)

 バーレーンとすれば、10日の豪州戦に勝てば勝ち点10で文句なしに3位に滑り込めるし、引き分けて勝ち点8(得失点差 -1)となれば得失点差を考えれば、ほぼ安全圏。ただし、豪州戦は酷暑の湾岸から慣れない厳寒の地に長距離移動してのアウェー戦となるので、引き分けに持ち込むのもそう簡単なことではない。バーレーン代表は目の前の試合に集中しなければならないが、バーレーンサポーターとしては豪州-バーレーンの約30分後にキックオフ予定の日本-カタールの行方も気にしながらのTV観戦となりそうだ。

 「10日のカタール戦、日本はまじめに戦うんだろうね?」といった心配をするバーレーンサポーターはかなりいる。もしバーレーンが日本の立場だったら、残りの消化試合2つは主力クラスの選手には一斉にお休みのご褒美をあたえて2軍クラスでやるのが「常識」のようなところがある。実際に去年のW杯アジア3次予選でも第5節にアジア最終予選進出を決めると、最終の日本戦はかなりメンバーを落としてゲームに臨んだのをご記憶のファンも多いことだろう。

 バーレーンにとって幸運なのはカタールとやる相手が、アジア予選を戦う国々の中でも良くも悪くも屈指の「まじめさ」を誇る日本であることだろう。W杯出場という大目標はなし遂げた日本が「次は世界を驚かす」「W杯4強を目指してさらにチームを強化する」と早速新たな目標を掲げて出発し、「そのためにはグループ1位通過じゃないと話にならない」と目の前に迫った残り2試合をまずは真剣に取り組む。そういったある種の「くそまじめさ」は日本にいれば空気のように当たり前なのかもしれないが、こちらの感覚に慣れてきた筆者にとっては改めて新鮮な清々しさすら感じさせる。

 つまり、日本の戦いぶりには対戦するカタールはもちろんバーレーン国民も注目しているわけで、日本への思いは同じ湾岸でも正反対の状況だ。仮に岡田監督がカタール人とバーレーン人と話をしたら、こんな感じになるだろう。

 岡田監督 「これから僕たちのチャレンジが始まる」
 バーレーン「大きな目標のためにアジア1位通過は大前提です。がんばれ、ニッポン!」
 カタール 「そのチャレンジのために、大事な本番の前にケガでもしたら大変じゃないですか。とりあえず俊輔や遠藤、中沢あたりを使わない方向で…」

 岡田監督 「W杯4強を目指すんだ」
 バーレーン「アジアの盟主が欧州や南米の強豪を倒すことを、期待しています。もはや、日本はアジアで負けることは許されないんです。どんな試合でも絶対に負けてはいけません
 カタール 「素晴らしい信念です。すべてはW杯のために、です。そのためには予選で主力がレッドカードを受けるのは避けないといけません。長谷部の悲劇を繰り返さないためにも、闘莉王や中村憲剛あたりも温存した方が…」

 岡田監督 「われわれは世界を驚かせるんだ」
 バーレーン「日本ならやれます。大きな目標のために、まずは目の前の敵を倒すことが大事です」
 カタール 「消化試合で必死になって、世界を驚かせても仕方ないでしょう」

 こんな感じでしょうか。自分たちは露骨に手を抜いた実績がありながら「日本よ真剣に戦え」というバーレーン人を日本的価値観に照らして責めないでほしい。これが湾岸、アラーの国の人々なのだ。

 そんなわけで日本の戦いぶりに不安を感じている人たちに「日本がこの2試合で露骨に手を抜くなんてことはほぼないから、バーレーンは自分の試合に集中すれば、おのずといい結果が出るはずだよ」と自信を持って返事をすることができるのは、筆者にとっても悪くない状況ではある。
 11月の大陸間プレーオフ決着まではまだまだ長く険しい道だけど、がんばれよバーレーン! 今度こそ一緒に南アフリカへ!

※写真はW杯出場を決め選手から水を掛けられ祝福される岡田監督(撮影・鹿野芳博)

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海島健 2009-06-09T18:44:21+09:00
W杯予選に集中できない?サウジアラビアの苦悩 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/113240  W杯アジア最終予選、混戦B組で2連勝とやっと波に乗ってきたサウジアラビア代表だが、残る2試合がアウェーの韓国戦とホームでの北朝鮮戦という厳しい戦いが待っている。国民の期待は当然グループ2位以内に入ってW杯出場決めることだ。  国内リーグはアル・イテハドが最終戦でアル・ヒラルとの直接対決を制して優勝を決め、4月12日に終了。サウジ国王杯も5月15日に決勝戦が行われ、アル・シャバブがアル・イテハド...  W杯アジア最終予選、混戦B組で2連勝とやっと波に乗ってきたサウジアラビア代表だが、残る2試合がアウェーの韓国戦とホームでの北朝鮮戦という厳しい戦いが待っている。国民の期待は当然グループ2位以内に入ってW杯出場決めることだ。

 国内リーグはアル・イテハドが最終戦でアル・ヒラルとの直接対決を制して優勝を決め、4月12日に終了。サウジ国王杯も5月15日に決勝戦が行われ、アル・シャバブがアル・イテハドを4-0で圧倒し、アル・イテハドの2冠を阻止した。国内リーグも無事終了して国を挙げてのバックアップ態勢がとられて…と言いたいところだが、なかなかそうはいかないのが中東のサッカー大国の現実だ。本来ならばちょっとしたお休みが与えられて余裕で代表合宿をスタートさせているはずなのだが、代表戦士がきちんと集まれるのが5月29日以降にずれこみそうだ。

 

umishima090527 

 

 まずは2つの親善試合を含めたサウジアラビア代表の今後のスケジュールを確認してみよう。

5月26日  カタール戦(ドーハ)
6月4日   中国戦(天津)
6月10日  W杯予選・韓国戦(ソウル)
6月17日  W杯予選・北朝鮮戦(リヤド)

 代表招集がスムーズにいかない理由は、アジアCLだ。日本勢も出場4チームが決勝トーナメントに進み決勝トーナメント1回戦(グループ首位のホームでの一発勝負)は6月24日に行われるが、W杯アジア最終予選の後になるので、まずはW杯予選に全力投球できる。しかし、アジアCL西ブロックでは決勝トーナメント1回戦が5月27日に組まれている。そのうち1試合は26日に行われ、アル・ヒラルはウンムサラル(カタール)にPK戦の末、敗れた。
 わざわざW杯予選の前に決勝トーナメントを組んだのは西ブロックに属する国のほとんどの国のリーグが4月から5月にかけて終わってしまい、シーズンオフに入るという事情からだろう。アジアCLのためだけに所属選手を(この猛暑の季節)さらに1カ月拘束するのはかなりの無理がある。
 
 サウジアラビアは出場4クラブすべてが1次リーグを勝ち抜いたため、26日の親善試合のカタール戦はアジアCLのため代表戦士がごっそり抜けた事実上のB代表になってしまう。このあたりが強豪国のジレンマでもある。大事なW杯予選の韓国戦へ、A代表は4日の中国戦1試合で調整しないといけない。
 
 さて、アジアCLのトーナメント1回戦のほかにサウジアラビアマスコミが騒いでいる話題がある。アル・イテハド所属のFWナイフ・ハザジィの移籍騒動である。当コラムでも何回か取り上げたように代表での大活躍で一躍、時の人となったヤングストライカー。代表での活躍のおかげで所属クラブでもスタメンを奪い結果を出しているクラブの至宝。このナイフは現在、公式には軍に所属しておりアル・イテハドでの扱いも正式なプロ契約ではないとのこと。月給7000サウジリアル(18万2000円)と言われる。

 この「新国宝」をめぐる争奪戦はすでに水面下で始まっているようで、具体的な金額とともに報道されることが多くなった。リーグ2位に終わったライバルチームのアル・ヒラルもラブコールを送っている。アル・ワタン紙によると、アル・ナスル(サウジアラビア)が2500万サウジリアル(6億5000万円)で、アル・ジャジーラ(UAE)が1500万サウジリアル(3億9000万、プラス出来高オプション)での契約を持ちかけているというから、争奪戦のすさまじさがよくわかる。

 「(所属クラブの)アル・イテハドは家と車をあげる約束をしたのに、まだナイフはもらっていないようだ」といった、本当かどうか怪しい情報とともにかなり移籍騒動もあおられている感がなきにしもあらずで、W杯予選の話題は今のところそっちのけなのである。

 というわけで、代表選手の多くは5月27日まではアジアCLに集中し、ほとんど休む間もなくアウェーの中国代表戦。その後が大切なW杯最終予選2試合となる。アジアCLの試合を前に持ってきた影響が一番大きいサウジアラビア代表。せめてナイフ争奪戦はW杯予選の後にしてほしいものだが、獲得を狙うクラブにすれば、そんな悠長なことも言ってられないという事情はある。アラブ勢のW杯出場全滅を避けるためにも、湾岸の各クラブには自制をしてほしいというのが多くの国民の希望だろう。「身内を傷つけたナイフ」ではシャレにならない。 

※写真は05年クラブW杯でのアル・イテハドのFWロナルド・ゴメス

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海島健 2009-05-27T20:44:22+09:00
FIFA理事選でアジア分裂、日韓の立場は? http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/111266  AFC選出のFIFA理事選挙が5月8日、クアラルンプールで行われ、カタールのビン・ハマム氏(60)が激しい選挙戦を制して当選した。ハマム氏の対立候補を推していた日本でも、その結果は今後のW杯招致に影響するといった論調で紹介されたのでご存知の方も多いのではないだろうか。選挙後の11日夜、カタール系のアル・カスチャンネルが約100日にわたって湾岸諸国でも議論の対象となった、激しい選挙を振り返る特番を...  AFC選出のFIFA理事選挙が5月8日、クアラルンプールで行われ、カタールのビン・ハマム氏(60)が激しい選挙戦を制して当選した。ハマム氏の対立候補を推していた日本でも、その結果は今後のW杯招致に影響するといった論調で紹介されたのでご存知の方も多いのではないだろうか。選挙後の11日夜、カタール系のアル・カスチャンネルが約100日にわたって湾岸諸国でも議論の対象となった、激しい選挙を振り返る特番を放映した。

 

umishima090514 

 

 対立候補がバーレーンのシェイク・サルマン氏(43)であったため、一見したところはカタールvsバーレーンの戦いに見えるが、背後にはいろいろな国の思惑が蠢(うごめ)いていたようだ。一方の当事者であるカタールから見た今回のドロ試合はどんな風景だったのかが、この番組を見るとよく分かった。

 番組は今回の選挙戦は「ハマムに対する戦争」だったとし、その“戦勝”を祝って始まる。まず、一般的な認識と重なるであろうが、参考までにカタール側がとらえたハマム派と反ハマム派(バーレーンのサルマン氏を支持)のグループ分けを記しておこう。

ハマム派-イラン、北朝鮮、中国、オーストラリア、UAE
反ハマム派-サウジアラビア、クウェート、日本、韓国、バーレーン

 まさにアジアのサッカー強国を2分しての戦いであり、このハマム派と反ハマム派で2組に分かれてW杯アジア最終予選となってもおかしくはないほどではないか。どちらを支持するのか最後まで決めかねた国も多かったようで、23対21という僅差の勝負でのハマム氏の勝利、再選となった。各国それぞれ思惑はあるのだろう。クウェートが反ハマム色を鮮明にする大きな理由の1つが、FIFAによる国際試合出場資格の凍結とみられる。これにハマム氏が大きくかかわっているとクウェート側は考えており、強硬な姿勢につながっているというのが、湾岸地区での一般的な見方である。

 ハマム氏はまず「私に反対を表明していた、サウジアラビア、クウェート、日本、韓国の4カ国は非常に強力で、正直なところ勝てないかもしれないと思っていた。(私の体制で)AFCが発展してきたことが評価されたから何とか選ばれたのだと思う」と今回の大接戦を振り返った(確かに彼はAFCの発展に欠かせない資金集めには手腕を発揮しており、それは評価に値すると思う)。

 続けて「ある国々のオリンピック協会、ある国々の外務省、ある大企業などが私の活動を露骨に妨害しようとした。選挙の前に私の理念を各国に説明して回り、31の協会が私の支持を表明していたのに、ふたをあけてみれば23票。圧力をかけられたり、買収されたりしたのだ」と言い、何とも生々しい話だが実例をあげてみせた。

 「例えばヨルダン。私がヨルダンを訪問して相手側にもこちらのビジョンを理解してもらえ、投票を約束してもらえたのに、そのあと(反対派であるクウェートの)アハメッドが行って話をしたらヨルダンは決心を変えてしまった。いかにアハメッドが中東エリアでパワーを持っているかの証拠だ」。

 この話の中で注目したいのは、本来は王室の人間に対する敬称の「シェイク」をつけたシェイク・アハメッド・アル・ファファッドと呼ぶべきところをインタビューの間、ずっと呼び捨てにしていたことだ。対立の根の深さを感じさせる部分ではある。

 反ハマム派の大国の4カ国の中でも、クウェートと韓国が特に激しい反ハマムを打ち出して活動していたのは、こちら湾岸地域でもよく知られている。クウェートが西アジアで、韓国が東アジアなどでともに反ハマムを強力に打ち出し、親ハマムと反ハマムの両派がお互いに激しすぎる舌戦を演じてきたのも記憶に新しい。

 日本に関しては、「サルマン支持に日本が回ったのは、2018年2022年のW杯立候補のことがあるから(日本もカタールも立候補しているためライバル関係)では?」などと軽く触れられた程度で、割と理性的に戦ったと見られているようだ。日本代表のサッカースタイル同様、日本らしいといえばらしい。そのおかげでハマム氏再選の傷は浅くて済みそうな気がするが、どうだろうか。

 ちなみにハマム氏に敬称抜きで呼ばれたクウェートのシェイク・アハメッド・アル・ファファッド氏は、日本とは浅からぬ因縁がある。ハンドボールで「中東の笛」が話題になったが、北京五輪前に日韓のハンドボール協会と対立したのが、AHF(アジアハンドボール協会)会長の同氏だった。つまり、ハンドボールでは日本にとって宿敵であるのだが、サッカーでは手を取り合ってサルマン氏支持に回ったわけだ。このあたり何ともややこしいが、これがスポーツの国際パワーの現実なのだろう。

 この番組では対立候補だったバーレーンのサルマン氏についてはノーコメントであった。選挙戦の最中にはサルマン氏のことを「サウジアラビアやクウェートなどに利用されている<ただの紙切れ>にすぎない」とまで揶揄(やゆ)し、「選挙にたとえ勝てたとしても、その後のサポートはこれらの4大国などからは期待できない」などと自分との格の違いを強調していた。この日はコメントをしなかったのはサルマン氏はいわば「傀儡(かいらい)」であって自分とは格が違うという黙示的な意思表示なのか、あるいはそのバックにいる勢力へのうらみつらみなのか、それとも、その両方なのか。真意は分からないが、実際のところ、ハマム氏が一番腹を立てているのは「ハマムはFIFAではなく病院に行ったほうがいい。まるでマフィアのボスのようで、民主性にかけている」とまで言った韓国の鄭夢準FIFA副会長…ではなく前出のクウェート人、シェイク・アハメッド・アル・ファファッド(アジア五輪協会会長)のやり方だったようだ。それはこの番組内で、かなりきわどい発言を繰り返したことからも明らかだろう。

 「アハメッドは自分の影響下にあるすべての人に反ハマムになるよう仕向けた。ひどいのは賄賂で、彼はもしサルマン氏が選挙に勝ったらサポートした協会に60万米ドル払うと約束したのだよ」と、真偽不詳と思われる事実をぶちまけたのだ。

 アル・カスのインタビュアーもさすがに心配になったのか、「(敬称なしでシェイク・アハメッド・アル・ファファッドを)アハメッドとよんだり、賄賂のことをばらしたりして、今後の逆襲などは怖くないですか?」とふってきた。これに対して「世界で私に圧力をかけることができるのは3人だけ。カタール首長とカタール首相とシェイク・ジャセム(ハマド首長の息子)」と全く気にする様子はなかった。

 インタビューの最後には「この勝利は私のみのものではなく、アジアの貧しい国々のものでもあります。私に投票してくれた23カ国のためだけではなく、アジアのすべての46カ国のために働きます」と締めた。

 ハマムVSサルマンの対決は一応の決着したものの、ハマムVSシェイク・アハメッドの遺恨は今回の結果でさらにヒートアップすることが予想される。ヘタをすれば国際的な裁判沙汰になっていく可能性もなくはない。W杯アジア最終予選では苦戦が続く湾岸勢ではあるが、AFC内の勢力争いでは断然の中心であることが、今回の件で明らかになった。

 ※写真は韓国の鄭夢準FIFA副会長

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海島健 2009-05-14T20:47:50+09:00
バーレーン人の「がんばれニッポン」と場外乱闘 http://sns.nikkansports.com/communities/311/entries/show/106544  日本代表は試合がなかったW杯アジア最終予選第7節(4月1日)、日本の入るA組はオーストラリア-ウズベキスタン(シドニー)とバーレーン-カタール(マナマ)が行われた。3月28日の第6節まででウズベキスタン、バーレーン、カタールが勝ち点4で並んで(消化試合数も同じ)いたが、この第7節でこの3カ国の中ではバーレーンのみが勝ち点3を上乗せすることに成功し勝ち点7の単独3位となった。A組3位確保でプレーオ...  日本代表は試合がなかったW杯アジア最終予選第7節(4月1日)、日本の入るA組はオーストラリア-ウズベキスタン(シドニー)とバーレーン-カタール(マナマ)が行われた。3月28日の第6節まででウズベキスタン、バーレーン、カタールが勝ち点4で並んで(消化試合数も同じ)いたが、この第7節でこの3カ国の中ではバーレーンのみが勝ち点3を上乗せすることに成功し勝ち点7の単独3位となった。A組3位確保でプレーオフの可能性が大きく膨らんだ貴重な勝利となった。

 「バーレーンが微笑んだ~バーレーンがカタールに勝ちW杯出場の望みが復活」(アル・ビラル紙)
 「赤のハリケーンがカタールを吹き飛ばす」(アル・アヤム紙)

 あたりは素直な喜びの表現でOKだが、

 「マナーマからカタールにバイバイ」(アル・ワサット)

 などは過激なタイトルで、Qリーグ所属のバーレーン人たちに今後影響がないように祈りたいところだ。

 終わってみれば日本戦(3月28日、0-1敗戦)をある程度犠牲にしてでも、カタール戦(4月1日、1-0勝利)に全力を注ぐのだというバーレーン協会の方針は的中したと言えるかもしれない。日本遠征に帯同させず温存したFWアラー・フバイルとCBフセイン・ババはやはりカタール戦には先発。アドナン、ババ、そして日本戦で日本代表をある意味でヘルプしてしまったマルズーキで3バックを形成し、アラーとジェシン・ジョンの2トップで3-5-2という布陣で挑んだ。後半8分にファウジ・アイーシュのFKが直接カタールのゴールに入りそれを守りきっての勝利という、前戦の日本-バーレーン戦の逆パターン(後半2分に中村俊輔のFKが決まっての日本勝利)のような流れであった。

 日本のファンにはあまり興味がないかもしれないが、A組の3位争いは第7節終了時点で以下のようになっている。

3位バーレーン(勝ち点7、得失点差-1)
4位ウズベキスタン(勝ち点4、得失点差-3)
5位カタール(勝ち点4、得失点差-9)

 3チームは残り2試合。ここでスケジュールを確認してみよう。
◆3位バーレーン
第8節 試合なし
第9節 豪州戦(アウェー、6月10日)
第10節 ウズベキスタン戦(ホーム、6月17日)

◆4位ウズベキスタン
第8節 日本戦(ホーム、6月6日)
第9節 試合なし
第10節 バーレーン戦(アウェー、6月17日)

◆5位カタール
第8節 豪州戦(ホーム、6月6日)
第9節 日本戦(アウェー、6月10日)
第10節 試合なし

 こうしてみると、カタールがかなり厳しい状況なのは分かるだろう。対戦相手もA組の2強で、しかも先に日程を終えてしまう。得失点差まで考えると3位に入るのは相当厳しいように思う。

 日本が勝てばW杯出場が決まる6月6日の第8節はバーレーンがお休みでカタールvs豪州、ウズベキスタンvs日本を見守ることになる。勝ち点3をリードしているバーレーンにとって、この節で日豪両国がきっちり勝ってW杯出場を決めてくれるのがありがたい。どちらも勝てばW杯となれば必死に勝ちにいくだろう。そうであれば、ウズベキスタン、カタールともに「順当に」負けて勝ち点が増えないのは何よりうれしい。豪州も6日カタール戦(ドーハ)、10日バーレーン戦(オーストラリアで。17日もホームで日本戦)と連戦であり長距離を移動して季節的には猛暑(ドーハ)から真冬(オーストラリア)となるので、仮に6日に出場を決めることができれば、4日後の10日のバーレーン戦はかなりメンバーを落としてくることも状況的には許されるという計算も働く。

 反対に一番いやなのがウズベキスタンが日本相手に2点差くらいで勝ってしまいバーレーンに乗り込んでくるパターンだろう。引き分けでいいような状況だと多少、気が楽だが(このバーレーンvsウズベキスタンのカードは引き分けがかなり多い)、勝たなければならない状況だとちょっと困る。というわけで、6月6日は「日豪両国よW杯出場を(勝って、できれば大差で)決めてしまっておくれ」と願うバーレーンサポーターが多くなりそうである。

 A組は日豪の2カ国にほぼW杯チケットを握られてしまっただけに、残るチャンスは3位となって2度のプレーオフを勝ち抜くしかないから、残された3カ国は必死なのは分かっていただけるだろう。それを象徴するのがバーレーンvsカタールの場外乱闘である。大きなものが試合の前後に1つずつあった。

 バーレーン代表は4月1日のカタール戦の前に国内で短期合宿をしており、モーベンピックホテルに選手たちが宿泊していた。時を同じくしてQリーグに縁の深い某カタール人(新聞には実名がでている)がバーレーンに来ており同じホテルに偶然投宿していたという。病気療養が目的だったとのことだが、ホテルでQリーグ所属のバーレーン代表選手に会った彼は挨拶を交わしたようだが、時間が少し長すぎたのかバーレーンマスコミは「バーレーン選手を買収しようとした」などと報道。それを受けてマチャラ監督は「カタール人とは口をきくな」と厳重注意をしたようだ。

 この注意をされた選手がゴールを決めたモロッコ出身のファウジなのだから面白い。もちろんこの人がマン・オブ・ザマッチってシャレになってない。ゴールを決めた後に「これが俺のバーレーンへの忠誠心だ!」(国籍取得選手の忠誠心はよくバーレーン人に疑問視される)とマチャラに向かって叫んだとまで報道されており、どこまで本当なのか良くわからないがドラマチックではある。

 もう1つは国籍取得選手に関するもの。今回は負けたカタールがバーレーンに対してケチをつけた。カタール戦ではいつものトップ下に入ったナイジェリア出身のファッタイ。この選手がナイジェリアのユースチームで代表としてプレーしたことがあるとカタール側が騒ぎ出したのである。そう、W杯アジア3次予選のときに元浦和のエメルソンの資格に関してイラクにされたことと似たようなことをバーレーンにしているのだ(詳しくは過去コラム「イラクVSカタール場外乱闘、最後まで死の組」参照)。仮にそれが事実であったとしても、このイラクvsカタールの時もそうであったが、バーレーンvsカタールの試合結果にはまず影響はないはずだが、カタールの狙いは何なのであろうか。恐らくはファッタイ離脱によるバーレーン代表の今後の動揺を狙っているのであろう。

 いずれにせよ最終節まで続きそうな3位争い。バーレーン人にとって最終予選はこれからが本番なのだ。

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海島健 2009-04-16T02:23:51+09:00