アラーの国のフットボール

W杯PO湾岸対決へサウジ合宿は罰ゲーム?


海島健さん

海島健さん (2)

2009/08/26 21:40

 7、8月の湾岸はまさに「非人道的な暑さ(=最高気温45度は当たり前)」で、域内にある大学の多くが9月中ごろまで夏休みとなる。バーレーン大学の外国人教師達も母国への航空券を渡され一時帰国。筆者も日本一時帰国を終え、帰りに寄り道をしているところであり、まことに唐突ではあるが今はネパールのカトマンズにいる。今回は世界の屋根のふもとから、アラーの国のフットボールをお届けする。

 バンコクからタイ航空でカトマンズの空港に着いて案内板を見上げると、出発便の案内があった。一国の首都の空港というよりは、地方の小空港といった風情で出発予定便も10便程度しかなかった。エア・インディアとかパキスタン航空といった近隣国のフラッグキャリアがあるの当然としても、、湾岸系の航空会社が3つも出ていた。カタール航空にエアー・アラビア(UAEのシャルジャをハブにするアラビア半島を代表するLCC=ローコストキャリア)、そしてバーレーンのガルフ航空。バーレーン-カトマンズ直行便があることは知ってはいたが、こんなところで「GF Bahrain」の表示を見るとやはりなぜか「ウオーー」とのけぞるな~。

 これは湾岸とネパールの関係に絞っていえば、湾岸の人間がネパールに遊びに来るということより(カトマンズ市内ではアラブ人らしき人などほとんど見かけない)も、ネパール人が湾岸に出稼ぎに行くという意味合いが大きいのだと思う(もちろん欧州の観光客などもこの路線に乗っていますが)。バーレーンやUAEなどにも、数の上ではインド、パキスタンの労働者に圧倒されて目立たないけどわりと出稼ぎネパーリーっているのです。

 さて、W杯アジアプレーオフもあと10日ほど(=9月5日と9日)。330万ほどの神がいるといわれるネパールの空港の案内板で「お前は放浪期間中で、バーレーンサッカーをすっかりお忘れか?」というメッセージを唯一神アラーより奇しくも受け取るような形になった気がするが、もちろん忘れてなんかはいない。随時バーレーン代表(とサウジアラビア代表)の情報を追いかけており、それによるとバーレーン代表はメリハリの効いたいいスケジュールをこなしているようだ。

 

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 まずは7月の終わりから20日間ほどのオーストリア合宿を実施。この合宿中にヨーロッパのクラブチームと3試合をこなした。特筆すべきはあの元バルセロナのエトーも加入したインテルと対戦機会があったことだろうか。バーレーン国内でも大いに注目を集めそうなこのカード、残念ながらなぜかバーレーンでは放映されなかったとのこと。8月19日に代表はバーレーンに戻り、短い休みをはさんで8月26日から3カ国対抗(バーレーン、ケニア、イラン)を予定している。日本のキリン杯のような日程になっていて、

8月26日 バーレーン-ケニア
8月28日 イラン-ケニア
8月31日 バーレーン-イラン

 というスケジュールだ。
 カタールでシェイク・ジェシム杯のグループリーグが8月22日-29日にあるなどで、海外組の合流は遅れそうだが、28日のイラン戦までには何とかフルメンバーをそろえたいという、いつものありがちな悩みはつきまとうものの、固定レギュラーメンバーのケガなどはなくうまくいっているともいう。

 だが、カトマンズから電話をかけてバーレーンの友人マナフ氏に話を聞いてみると、ちょっと心配なことがあるようだ。彼の心配とは「湾岸の猛暑を避けてかなり涼しい欧州で合宿をしていたバーレーン代表は2週間ほどの期間でちゃんと体が順応するのか?」ということだった。

 実際、対戦相手のサウジアラビア代表が8月初旬に行った合宿地はオマーン(12日にはバーレーン代表とはW杯アジア3次予選で同組だったオマーン代表とサラーラで対戦し、1-2で敗戦)であり、19日からサウジリーグが開幕。27日からリーグを中断して、同時にサウジアラビア代表を再招集して合宿-といった具合に酷暑の湾岸に留まり続ける「罰ゲーム」のようなことをしているのだから、心配も無理はないのかもしれない。対してバーレーン代表はプレーオフにみごと滑り込んだ「ごほうび旅行」すら見える。

 筆者の素人考えではあるが、8月中にあの湾岸にいると基本的には猛暑(の中での特訓)と超冷房(での休憩や就寝)の間を行ったり来たりしながらの練習になるので、体には相当負担がかかり、これを夏の間続ける代表選手たちはひどい「夏バテ」のような症状にはなるのではないかと思うが、どうなのだろう。
 厳しい練習なんかしないで、普通に生きているだけでも何かフラフラするくらいですから。肉体的にも精神的にもリフレッシュしたバーレーン代表にさらなるアドバンテージがあるといいな、という希望的観測を、朝晩はしっかり気温がさがる快適な夏のカトマンズで思うのであるが…。

※写真はサウジアラビア代表(北京五輪予選時)

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