アラーの国のフットボール

バーレーン無念のドローで9・9決戦へ


海島健さん

海島健さん (2)

2009/09/08 18:44

<W杯予選アジア5位決定戦:バーレーン0-0サウジアラビア>◇第1戦◇9月5日◇マナマ
 ホームのバーレーンが攻めに攻めたが結果はドローに終わった。W杯への道は9月9日の敵地リヤドでの第2戦にすべてが託されることになった。サウジアラビアにアウェーゴールを許さなかったのは収穫だが、バーレーンサポーターの「ホームできっちり勝てたのに…」との忸怩(じくじ)たる思いを翌日のバーレーン各紙が代弁していたようだ。
 
 「負けにひとしい引き分け、リヤドで決着!!」(アル・ワクト紙)
 「得点はなし、希望はまだあり」(アクバール・アル・カリージ紙)
 「サウジよりずっとよくプレー。サウジはうまく逃げ切った」(アル・アヤム紙)
 「あー落胆!! すべてのチャンスを無駄に」(アル・ワサット紙)

 序盤からゲームの主導権を握り、前が少しでも開けばシュートを放ち、クロスも積極的に入れた。前半は獲得CKがバーレーン10本に対してサウジアラビア2本と数字の上からも圧倒的だった(ここまでサウジを苦しめるとは!! 過去の対戦成績などを知っている者としては涙ものだ)。

 だが、サウジアラビアの最後の砦GK、ワリード・アブドラ(アルシャバブ)がバーレーンの前に立ちはだかった。バーレーンの怒涛の攻撃をことごとくしのぐ。DFモハメッド・アドナンの強烈なロングシュートもFWジェシー・ジョンの終了間際の2回の決定機などもすべて止めた。まさに新聞のタイトルにもあるようにサウジに逃げ切られてしまった。

 バーレーンにとっては大きな追い風もあった。当コラムでも何度もとりあげたサウジアラビア代表の「お宝」FWナイフ・ハザジィ(アルイテハド)が、直前の親善試合のマレーシア戦で右膝じん帯を痛め、全治6カ月となってしまったのだ。抜群の決定力を持つナイフ不在の「追い風」を生かしきれなかったのだ。

 バーレーンのマチャラ監督は会見で「この試合でサウジアラビアへのアドバンテージを得られなかったことに落胆しすぎるのはいけない。今日はわれわれの日ではなかった。リヤドでは最善を尽くすよ」と述べ、ファンや選手の落胆を戒めた。

 

umishima090908 

 

 筆者もマチャラ監督の発言には同意できる部分が多い。まず、何といってもこの初戦の内容が非常によかったこと。CKの数、ボール支配率はもとより、1対1でも相手からしっかりボールを奪取できていたし、ディフェンスでも相手に抜かれないように冷静だったこと。前をむいてのどん欲な(時には無謀な)シュートが非常に多く、きっちり相手ゴールを脅かし続けたこと。こういったことは中3日での2連戦なら同じようにプレーできる可能性は高い。

 それと、小国らしからず選手層がかなり厚くなってきたのも頼もしい。初戦には代表復帰した2人、FWのフセイン・アリとMFジャラルが先発したが、そのせいでベンチには豪華なメンバーが座っていた。
 ◆アラー・フバイル=日本戦でもゴールを決めたバーレーンの英雄)、
 ◆ジェシン・ジョン=ナイジェリアから国籍取得しベルギーリーグでプレー
 ◆ファッタイ=マチャラの一番好きな? 絶対的な司令塔
 ◆リンゴ=ウズベキスタン戦2勝の立役者「ロケットFK」で有名

 以上、日本のファンにもおなじみになったような顔がベンチに並んでいたわけだ。。W杯ドイツ大会のプレーオフでは選手層が薄すぎて「とにかくイエローをもらわないように」というバーレーンらしからぬ弱気な戦い方を強いられたが、今回は必要以上に過敏にならなくてもいいのはありがたい。次戦はゲームメーカーのサルミーンが累積警告で出場停止となるが、ベンチの顔ぶれを見ればその穴は埋められるだろう。

 サウジアラビアとバーレーンの両国を眺めるとその物理的な大きさの違いはまるで巨象とねずみ、いや巨象と蚊くらいに違う(単純計算で面積は3000分の1)。W杯予選アジア5位決定戦という大舞台で湾岸の横綱サウジアラビアを倒す絶好のチャンスを逃してほしくない。5日の試合で確かな手ごたえを感じたに違いないバーレーン代表(=赤のマラリア蚊)はきっとやってくれるはずだ。

 

※写真はバーレーン代表のマチャラ監督

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コメント (6)

プーアールさん

プーアールさん (0)

2009/09/08 23:18

バーレーン惜しかったですね。

サルミーンは次節出場停止ですか・・・。
となると、彼がボランチに構えて、ジョンの1トップなんていうアウェイの戦い方ではなくて、ファッタイを据えての撃ち合いになるんでしょうか?

そういえば、日本国内のニュース番組で、アフリカ予選で苦戦するエジプトのラマダンの影響について色々と議論するものを見かけました。

今までは、それほど配慮をされなかったイスラム諸国のラマダンですが、何か少し風向きが変わってきているように感じます。

次回のW杯予選からは、AFC内は東西に分けて、西ブロックはラマダンの影響を極力受けない日程で進めるなんてシナリオが・・・。
本当にあるかもしれませんね。

海島健さん

海島健さん (2)

2009/09/09 04:35



フーアールさんへ

鋭いですね。

ファッタイとアラー・フバイルは第1戦出場しなかったので、満を持してでてくると思います。ジョンはスーパーサブで後半の途中あたりからというのも、第1戦利いていたのでまたやるかもしれません。


東西分割ですか。
日本ではこの考え方は割と支持されているのでしょうか?
「もうアラブとはいいよ」みたいな?
同じグループに中、韓、北ってすごくやりにくそうな気がします。


「西」にしてもアラブ同士決戦が異常に多くなりますし、そこに少数派としてほうりこまれるウズベキスタン、イラン、トルクメニスタン、インドあたりは嫌がりそうです。

プーアールさん

プーアールさん (0)

2009/09/09 22:28

>東西分割ですか。
日本ではこの考え方は割と支持されているのでしょうか?
「もうアラブとはいいよ」みたいな?

いえいえ、ほとんどの人が現行の予選スタイル支持者だと思います。
打算的に考えてもW杯出場の可能性が高いですからね。
僕のような西アジアやアラブのサッカーも観たい人は少数派でしょうが・・・。

>同じグループに中、韓、北ってすごくやりにくそうな気がします。

これは地獄ですね。^^;
一昔前の巨人軍包囲網みたいになりますね。

あくまで、東西分割のキーを握るのはFIFAやAFCへの影響力を持つ一握りのアラブ諸国の考え方次第だと想います。
特に今回の予選結果などをどう捉えるのか、という事ですね。

BS1で明日の夜中にアジアプレーオフ第2戦の録画放送があるみたいです。明日一日、結果を知らずにいられるかどうか不安ですが、チャレンジしてみます。^^;

あっ、あと、カボレがカタールでお世話になるかもしれません・・・。

海島健さん

海島健さん (2)

2009/09/10 01:26



なるほど。

もし今回の予選を終えてアジアからはアラブ諸国がひとつもないとなると、まずいですね。アジアの5位(バーレーンかサウジ)はNZに勝つとかたく信じてはいますが、、、

ただ、今回の結果を受けてそうするということであれば、あまりに露骨すぎて「メンツのアラブ」としてかなり恥ずかしいことかなとは思います。アラブ勢の覇権奪回でがんばるのが筋のような気はします。現に一発勝負の07年アジア杯のトーナメントは決勝がサウジアラビアVSイラクでしたし、そこまで自信喪失してほしくはないです。

仮に打算一本槍でアラブ側が東西分割をおしすすめてきたら、きちんと対処するだけの準備が東アジア、特に日韓あたりにはありそうですか?

FIFAは反対しそうな気がしますがね。

海島健さん

海島健さん (2)

2009/09/10 01:52

とにかく、あと2時間ほどで第2戦キックオフ。

こちらのスポーツカフェで観戦です。

海島健さん

海島健さん (2)

2009/09/10 06:37


ロスタイム失点1-2のすぐあと、終了寸前にCKを決めて引き分けにし、 バーレーン勝ち抜けました。

あまりに劇的でした!!

いよいよ大陸間PO。
初戦はマナーマで、10月10日です。



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