アラーの国のフットボール

名古屋のゴールで悲劇、58歳サウジ男性ショック死


海島健さん

海島健さん (2)

2009/10/27 18:18

<アジアCL:アルイテハド6-2名古屋>◇10月21日(日本時間22日)◇準決勝第1戦◇サウジアラビア・ジッダ
 日本でもアジアCLに対する注目度は高まっているようだが、湾岸地域では熱の入り方が違う。特にサウジアラビアの場合、W杯予選で敗退したという事情もあり、「せめてクラブではアジアの頂点を」という思いもあるのだろう。恐らく、日本のファンには想像もつかない盛り上がりとなっている。

 

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 名古屋をホームに迎えたアルイテハドは、前半こそ数的優位をあまりうまく生かせず多くのチャンスをふいにして1-2とリードを許したが、後半は5発で爆発。この大勝によって第2戦(10月28日)で決勝進出を決めたら、決勝までサウジアラビアには戻らず日本滞在という「ゆったり」プランはかなり現実的なものとなってきた。
 翌朝の各紙は当然ながら威勢がいい。

 「アルイテハド地震が6度も名古屋を襲う」(アッカブ紙)
 「名古屋ドルフィン、アルイテハド海にて溺れる」(アシュラク・アル・ワサット紙)
 「今日のこのアルイテハドのパーフォーマンスこそがサウジアラビアの実力」(アル・メディナ紙)
 「アルイテハドはJリーグ勢のマッチブース(=湾岸エリアの炊き込みご飯)になることをきっぱり拒否」

 などと、サウジアラビア勢がアジア最大のライバルJリーグ勢を地元で「撃沈」した喜びが伝わってくるものとなった。

 今回の対戦はサウジアラビアのファンからは2つの意味で注目を集めた。1つはアジアの盟主の座。過去2度アジア王者(04年と05年)に輝いたアルイテハドvs2連覇中のJリーグ勢(07年浦和、08年G大阪)の「代表」名古屋という意味で、事実上の決勝戦とも呼ばれた。
 もう1つはAFCベストプレーヤーをめぐる戦い。両チームに所属する候補者MFモハメッド・ヌールvsDF吉田麻也の戦い。初戦に限ってはモハメッド・ヌールの圧勝(後半にハットトリック達成)で、ベストプレーヤー候補として1歩リードした印象だ。「ストイコビッチ監督も(ヌールのすごさは本当に予想外。すばらしかった)と絶賛」などと報道されアルイテハドのファンもさぞかし気分が良かったことであろう。

 こうしたバックボーンがあるだけに、熱狂度は常識を超えたものとなる。それが悲劇を呼ぶことになった。アルイテハドのサイトなどによると1-1の前半34分に名古屋の中村がゴールを決め1-2と勝ち越しを許した場面で、テレビで試合観戦をしていたモハメッド・カーセム・アル・ヤマニさんという58歳男性が心臓発作を起こし死亡したという。ヤマニさんはアラムコという大企業に勤務する人だったそうだが、そうした一般の人を巻き込むすさまじいまでの熱狂はスタジアム以外の様々な場所でも共有されているということなのだろう。試合の翌日の朝、多くの人がこの男性ファンに祈りをささげた。恐るべき湾岸の熱狂。これがアラーの国のフットボールなのだ。

 歴史的大勝を飾ったカルデロン監督は試合後、「今日の試合は私がアルイテハドを率いてからベストゲームの1つ。アジアのベストチームの監督でいられて光栄だ」とコメント。ハットトリック達成のモハメッド・ヌールは「大きな夢にかなり近づいた」と述べた。同じ湾岸のUAEで今年の12月に開催されるクラブW杯出場に向け、大きな追い風が吹いていることは間違いないであろう。

※写真はアルイテハドに逆転負けし、頭を抱えて引き揚げる名古屋田中(左端)ら(共同)

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コメント (3)

プーアールさん

プーアールさん (0)

2009/10/29 22:40

海島さん、こんばんわ。

第2戦のアル・イテハドですが、リスクマネージの効いた良い戦い方でしたよ。
彼らも勝つ気までは無かったと想いますが、かなり無理な特攻を仕掛けてきた名古屋とのマッチアップでカウンターが有効となり、結局は勝利まで手にしました。
強いチームのH&Aの闘い方でしたね。

海島さんがサウジに潜り込んでいた頃の1999年頃のアルイテハドに比べると穴は多いようにも想えますが、アタッカーの個々の能力は今回のチームの方が断然上ですね。
多少の失点覚悟の打ち合いではアジア最強のような気がします。
おそらく先制点を取られて、スペースを消すリトリートをされない限りは負けないでしょう。

日本では決勝の浦項戦の集客が心配されていますが、かなりサッカーの内容的には僅差の面白い試合になるように想います。
なんかタダ券もらえそうな話もあるので、そうなれば行ってきますね。

アルイテハドは少し脆弱なCBがアキレス腱だと想いますが、今まで通りの戦術で浦項が来てくれれば必ず点は獲れるでしょう。
最終ラインに工夫を凝らすのか、中盤のオーガナイザーを潰しにくるのか、システムも含めた浦項の対策が今から楽しみです。

サウジからは大応援団は来ないのかな?

海島健さん

海島健さん (2)

2009/10/31 02:05



フーアールさんへ

いつもコメントありがとうございます。
日本で行われるアジアCL決勝ですから、名古屋VSウム・サラール(ダビ+マグノアウベス)というのが一番集客力があったのでしょうが、うまくいかないものです。3位決定戦なんかを組んでおいてもよかったのかもしれません、今さらですが。

浦項が先に1-2点リードする状況で始まり、アル・イテハドが無理やりこじ開けるような展開だと面白いでしょうね。逆の展開だとかなり大差がつくのではないでしょうか。

CBには脆弱な印象をもたれているようですが、モンタシェリの魅力はやはり機をみた攻撃参加ですし、カルデロン監督も攻撃的なサッカーを標榜しておりますので、「取られても下をむかずに取り返す」打ち合いこそ最後の舞台では見せ付けたいのではないでしょうか。

海島健さん

海島健さん (2)

2009/11/28 02:47




アジアMVPにガンバ大阪の遠藤選手が見事選ばれました。
こちらのファンも遠藤選手がこの賞をもらうに充分値する
といってくれています。
特に日本代表と対戦機会の多かったバーレーンのサポーターはそうです。


ただし、アル・イテハドのファンは「モハメッド・ヌールが全
く忘れさられているのはなぜなのだ?」と怒っております。
最終候補にもいれてもらえず、アル・イテハドの幹部も「なぜなのだ」
と問い詰める場面もあったとのこと。



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