アラーの国のフットボール

バーレーン歴史的快挙で次は打倒日本


海島健さん

海島健さん (1)

2008/02/08 21:56

 W杯アジア3次予選、日本がタイを4-1で破った4時間後、同組の裏カードであるオマーン-バーレーン戦がオマーンの首都マスカットでキックオフされた。

 ミラン・マチャラ監督指揮のもと親善試合4試合(クウェート、シリア、イエメン、デンマーク)をこなし、徐々に調子を上げてきた(直近の2ゲームはともに勝利)バーレーン代表と、つい最近監督交代劇があり混乱の続くオマーン代表との一戦。内容も結果も両チームの状態を如実に反映するものとなった。

 以前のコラムでバーレーン代表のスターFWアラー・フバイルの代表引退をお伝えしたが、バーレーン協会の懸命の説得が実を結び復帰した。1月30日のデンマーク戦でスタメン出場し、多くのファンもスタジアムに戻ってきている。

 この日のバーレーン代表はデンマーク戦までの4試合で採用した4バック(4-4-2や4-5-1)ではなく、ここ最近では珍しい3バックで挑んだ。GKセイエッド・モハメッド・ジャファ、3バックが右からアドナン、ババ、モハメッド・フセイン。MFはダブルボランチにジャラルとサルミーン、右にオマル、左にサルマン・イサ。トップ下にファッタイ。2トップがともにクウェートのプロリーグ所属のイスマイル・アブドルラティフとアラー・フバイルであった。

 このスタメンの特徴は3バックとダブルボランチの5人すべてがW杯ドイツ大会の予選を戦い抜いた経験豊富な者であることだろう(親善試合では4バック1ボランチでもここに必ず2~3人の北京五輪世代を入れていたので大一番の最後に外した)。逆に前線の5人の中の3人は(FWイスマイル、MFのオマルとファッタイ)北京五輪世代を登用しスピードあふれるプレーで見事に相手をかく乱した。


バーレーン代表に復帰したアラー・フバイル(04年撮影・鹿野芳博)

 空席が目立った埼玉スタジアムとは対照的に4万の観客でほぼ満員となったスルタン・カブース・スタジアムのゲームで先制したのはビジターのバーレーンだった。前半11分、MFジャラルの蹴ったCKのこぼれ球をFWファッタイが頭で合わせ、オマーンのGKアル・ハブシがはじいたところを詰めていたFWアラー・フバイルが決めた。

 アウエーで早々にリードしたバーレーン代表は、CKなどのセットプレーをちんたらスローにやるいわゆる“中東戦法”の状態になる。そして、時折オマーンのスキをついて鋭いカウンター。前半39分にはMFオマルの弾道の低いクロスが相手GKの前に入り、そこにFWイスマイルが飛び込む惜しいプレーもあった。

 後半20分あたりまではオマーンの攻勢にさらされる時間もあったが、ダブルボランチとフセイン、アドナンのセンターバックを中心に冷静に対処。35分以後は前がかりで攻めてくるオマーンに対してカウンターのチャンスが多く生まれ、3回GKと1対1の場面も作った。そこはプレミアリーグ、ボルトン所属のGKアル・ハブシにセーブされたが、そのままゲームセットとなりアウエーで貴重な勝ち点3をあげた。

 バーレーンがオマーンに敵地で勝ったのは、1986年以来実に22年ぶりの歴史的快挙だった。

 試合後DFのアドナンは「われわれがオマーン代表をこの(アウエーの)マスカットで打ち負かすと予想した人はいないだろう。この勝利でわれわれはより楽観的になれるし、大きな自信になる」と話し、DFのフセインは「勝ち点3でのスタートは素晴らしい。次の日本戦には多くのファンにスタジアムに来てほしい」とコメントした。

 最近の公式戦では、ガルフ杯で2回続けて(04年12月と07年1月)準決勝で当たって敗れていた苦手意識の強い相手だっただけに喜びもひとしおだろう。何より、マチャラ監督が自分をクビにしたオマーン相手の勝利という意味でも注目を集めたのである。

 そういったデータはともかく、2位争いの当面のライバルと目されているオマーンに勝ったことで、日本戦に大きな弾みになるのは間違いない。筆者は今のバーレーン代表の状態はピークを迎えつつあり、3月26日にホームに日本を迎える試合はかなりの好ゲームが期待できそうな気がする。

 さて、W杯3次予選の日本代表のチケットがあまり売れなかったと聞く。その理由の1つに今回日本が入ったグループが比較的簡単な組であると認識するサポーターが多いからというのもあるようだ。バーレーン代表も好きな筆者にとってそれはちょっと悔しいし、このグループはそう簡単ではないとかたく信じている。

 3月にイランとの親善試合を経て、日本との試合に挑む。ジャイアントキリングのバーレーンが本領を発揮するだろうか。期待と不安が交錯する今日この頃であるが、楽しみであることは間違いない。

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