アラーの国のフットボール

日本はサッカーやめてPCでも作ってなさい(笑)


海島健さん

海島健さん (0)

2008/04/01 00:18

 バーレーンでは日本戦大金星の余韻は試合から数日を経過した3月末現在も続いており(新聞などで来場をよびかけ無料開放したにせよ)、それまでと一変してスタジアムに大勢の観客が日本戦当日に詰めかけたことを含め、あらためてバーレーンにおける日本(代表)ブランド崇拝のようなものを感じている。

 試合から2~3日は、もう会う人会う人がゲームの話題で、先日のイランとの親善試合ではスタジアムがガラガラで、ほとんどバーレーン代表に振り向きもしなかったのがウソのようだ。

 遠慮がちに「昨日のゲームは見ましたか」と会話をスタートさせるバーレーン大学の女子学生もいれば、「バーレーンはこんなに小さいのに、超経済大国でW杯3大会連続出場国の日本を破ったね!まあ、力関係も逆転したことだし、日本は今後はサッカーなんかやめてせっせとコンピューター作りにでも専念したほうがいいよ」とこれを機会とばかりに思い切り(冗談半分にだが)日本をこきおろす輩までとさまざまで、とにかくうるさい。6月までゲームがないのであと2カ月ほどはこのネタでいじられそうな気配である。

 繰り返すが、あの3月21日のイラン戦までバーレーン代表に興味を示すバーレーン人なんてほとんどいなかったのに…。

 悔しいが、紙面をのぞいてみよう。(特に断りのない限り試合翌日の3月27日のもの)まずは各紙の見出しなどから。
 「アラーのゴールで日本代表に負けを味あわせた」(アル・アヤム紙の一面見出し、アラーのゴールシーンの写真とともに)
 「いかにバーレーン代表が創造的かを見せ付け、日本城を破壊」(同紙の小見出し)
 「赤の軍団、歴史的勝利でグループ首位になる」(アル・ワサット紙の一面見出し)
 「JFAは試合に負けて凍りついた。FIFAはバーレーンをbig winnerと称える」(アル・アヤム、試合2日後の28日のもの)
 といった具合である。

バーレーン紙 

  また、多くの新聞が選手のインタビューを掲載しており、バーレーン代表の歓喜が伝わってくる。

 MFサルミーン 「タクティックなチーム(いつ守るべきか、いつ攻めるべきかがしっかり戦術として徹底されているアジアのベストチーム)との対戦だった。ホームで久しぶりにビッグゲームを制してうれしいし、アラーが代表でもゴールを量産し始めてうれしい。これからもアラーにゴールし続けてほしいね、インシャアッラー」。

 GKセイエッド・モハメッド・ジャファ 「立ち上がりはとても緊張していたが、ファンの大声援のおかげもあって次第に雰囲気に溶け込んでいった。チャンスを多く作り得点し、DFも最後まで集中を切らさずにいた。日本の攻撃は怖さを感じなかった」。さらに文中でオマーン戦に続くW杯3次予選での完封で「赤いライオンの家を(自軍のゴールのこと)守る絶大な自信」と評された。

 そしてやはり、2試合連続の決勝ゴールを決めFWアラー・フバイルのインタビュー記事は一番大きく取り上げられている。「日本戦は楽観していた、自分がゴールしたかどうかはあまり重要ではない」とのタイトルで紹介されていた。

 FWアラー・フバイル 「日本戦を通して選手とサポーターの良好な関係が久しぶりに戻ってきた。難しい試合で、タクティックなゲームだった。ファンが盛り立ててくれたおかげで、試合が終わるまで戦い続けることができ、高価な勝利を得ることができた。お返しに決勝点を決めることができ、ファンが歓喜してくれたので、この日本戦でのゴールは私のキャリアのなかでも最も高価なものになった。まだ最終予選進出が決まったわけではない。あと4試合ある。が、大きな前進であることは確かだ」。

 昨夏のアジア杯などでゴールを決められなかったアラーに対してマスメディアから「アラー・フバイルをはずせ」の論陣を張られた時期もあった。アフリカ系の選手に国籍をとらせスタメンで使いながら、結果が出ないことに対しファンから大きな反発が生まれ、バーレーン代表崩壊寸前まできていた時期もあったのだが、今回の日本戦大金星でバーレーン国民のバックアップもこれからは得られそうで、今後の3次予選や最終予選は、前回のW杯ドイツ大会最終予選以来の大フィーバーになりそうな勢いだ。

 さて、そのアル・アヤム紙の記事には「バーレーンは日本コンピューターのウイルスになった」というこじゃれた表現があった。言うまでもないが、面積も人口も、GNPも国内リーグの整備具合も格段に劣るバーレーンが、巨人日本をなぎ倒したことを表している。
 ウイルス駆除ソフトはいつ開発されるのであろうか。先日の試合を見た限りでは開発に時間がかかりそうな気がしてしょうがない。

※写真は歓喜を伝えるバーレーン紙(撮影・海島健)

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