アラーの国のフットボール

オマーン完敗に地元紙怒り爆発「火星のゲームプラン」


海島健さん

海島健さん (0)

2008/06/05 02:45

<W杯アジア3次予選:日本3-0オマーン>◇2組◇2日◇日産スタジアム

 前回「ヨレヨレのオマーン代表は内部崩壊目前?」では、オマーン代表の守りの要である2枚のCB、モハメッド・ラビアとカリーファ・アイル(ともにカタールのアル・サッド所属)が横浜での試合に出場できなさそうと書いたが、やはりそろって欠場。この2人は湾岸エリアではDFトップ10に入るほどの実力者で、かなり長期にわたって固定して使われていた。このため代役のDFの実力も経験値もかなり落ちるという、オマーンにとってはあまり認めたくない事実を大きすぎる代償を支払って実証したゲームだったと言えよう。

 空中戦のスペシャリストを2枚欠き、最初の失点がCKからの中沢のヘッドだったことは象徴的だった。早い時間に先制され、ゲームプランが大きく狂う。第2戦のタイ戦でイエローカードを延べ9枚も受けたのが影響したのか、いつものような球ぎわの厳しさもなく、接戦でよく見るラフプレーも皆無に等しかったのが逆に印象に残った。

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 さて、0-3の完敗を受けて、翌6月3日のオマーン各紙は厳しい批判を代表に向けている。中でもジュリオ・セザール・リバス監督に対しの非難が目立つ。
 「火星のゲームプラン。代表は風で吹き飛ばされた」(オマーン・デイリー紙)
 「3点だぞ、リバス!! 守備的戦術の代償は負け戦と、消えかかる(最終予選進出の)希望」(アル・ワタン紙)
 「日本代表、オマーン代表をものともせず」(オマーン・オブザーバー紙)
 オマーン・デイリー紙は「こういった結果を予想していなかった。オマーンサポーターは代表のレベルの低下にショックを隠しきれない。90分の間、監督が何かを工夫した様子が見られなかった」とし、「今回のゲームプランは(地球のものとは思えない)火星のものだ」と激しい怒りをタイトルに託したようである。
 「点を入れられてからもしゃかりきになってボールを奪おうともしなかったし、日本のGK楢崎はまるで観客のように突っ立ったままだった」と相手ゴールをほとんど脅かすことなく終わった自国代表選手にも手厳しい。


 だが、やはり一番の怒りの矛先は監督のようだ。0-3になった後半10分、モハメッド・アル・ムシェイヒに代わって出場したのがハイサム・ハミスという選手だった。あまり見たことがない選手だなと思っていたのだが、これが国際Aマッチ初出場だったようで「大きく負けている時に何ということだ!!」と他紙の記事に出ていた。日本代表が後半39分に香川真司を余裕ある形で送り出したのとは対照的である。
 ケガや累積警告などで離脱者があまりに多かったせいであろう。「イエローカードをもらわないように、とにかく気をつけろ」というコンセプトがあったのは筆者にも感じられた。あの状況だと、かなりラフに来るのがオマーン代表というチームだから。
 「マスカットではまったく別のオマーン代表になるから要注意だ」という意見に全面的に賛成したいところだが、オマーンには更なる頭痛の種がある。あれだけ気をつけていたはずの警告をエースFWイマド・アル・ホスニが受けてしまい次の日本戦(7日)には出られないことに。


 リスクを負ってでも攻勢に出なければいけない試合に、現監督との不仲がうわさされるバデール・アル・マイマニとホスニという飛車角がともに欠場になりそう。そうすると、タイ戦でイエローを2枚もらって退場させられた、タラール・ファルハンあたりが戻ってくるとはいえ、前線のコマ不足はかなり深刻だ。ボランチのアハメッド・カヌーあたりが積極的に攻撃参加しないと得点のチャンスも生まれにくくなってくる。そうなると、守備が手薄になってくると、悩みは尽きないのがオマーン代表の置かれた現状だろう。
 最後の望みをかけて、7日のゲームにはスタジアムに多くのサポーターがつめかけるのであろうか。リスクを覚悟で前がかりにならざるを得ないオマーン代表。日本代表がアウェーゴールを決めた瞬間に、ほとんどの客が発炎筒をたいて帰路につくだろう。筆者にとってはまさにドイツW杯アジア1次予選で見たデジャビュである。4年前の光景が再現される可能性はかなり高いと思う。
 「バーレーンはね、オマーンと一緒に最終予選に行きたいんだよ」などと言っていたバーレーン人も日本-オマーン戦の後は一転して、「やはり4戦目はともに勝って、はやばやと最終予選進出を決めちゃおう」などと言っておりますし…。

※写真は日本-オマーン戦より。空中戦は日本の圧勝に(撮影・為田聡史)

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コメント (10)

プーアールさん

プーアールさん (0)

2008/06/05 12:09

海島さん

はじめてコメントさせていただきます。
それにしても、バーレーン、オマーンともに結果を見越した完璧な状況把握をされておられますね。

今後も中東情報をのぞきに寄らせてください。

今回のW杯予選でも、韓国・オジー・日本の3強は頭1つ抜けていると考えております。
そして、ライバル国は本調子ではありませんが、5強に含まれるサウジ・イランだと思ってます。

しかし、どうしてもUAEが既に3強に迫る実力をつけてきているように思えてなりません。

去年の中東ガルフカップでそれを確信したのですが、海島さんはどう分析しておられますか?

教えていただけたら、心強いです。

海島健さん

海島健さん (0)

2008/06/05 18:30

リバス監督、更迭されました。
バデール・アル・マイマニは間に合うのでしょうか。

カタールリーグが終わってから時間が空きましたし、体を動かしてなかった可能性もあります。

日本とは大きくちがうところですが、代表からはずされるとお休みモードに突入することはこちらではよくありますので。

日本に対する脅しの意味でも選手登録はさせるかもしれません。

海島健さん

海島健さん (0)

2008/06/05 20:35

フーアールさんへ

ご愛読ありがとうございます。

UAEですね、私も注目しています。
地元開催の07年ガルフ杯優勝時はイスマイル・マタルに頼りきりのチームでして、そのイスマイルが爆発しての優勝。

同じく07年アジア杯では、そのイスマイルがかなりきつくマークされ、ベトナムに敗戦が大きく響いて、1次リーグ敗退。

南アW杯予選ではブルーノメッツ監督は若手のFWにチャンスを与え、時にはイスマイルを中心にして3トップのような布陣で戦っています。

先日のイラン戦もみましたが、アウェーでの引き分けにメッツ監督もにんまりでした。不調のイラン相手だったので、個人的には不満がのこりましたが、アウェーですからね。

俄然、次のホームで迎えるイラン戦に注目したいところです。
最終予選でもそろそろあたってほしい湾岸の小国です。

ブルーカーペットさん

ブルーカーペットさん (0)

2008/06/05 22:09

海島さん

毎回楽しく読ませていただいております。
貴重な中東サッカー情報、本当にありがたいです。 
 オマーンの監督ですが…実は僕は前から絶対にオマーンに合わない監督だなと感じていました。中東の文化を理解していないというかインタビューを見てても違和感がありましたし。
 ところでWC予選で中東の2強と思われたイラクとイランがかなり不調のようです。イラクは政治的なところで足を引っ張られているのかなと思いますが、イランは若手が育っていないとはいえここまでの苦戦は予想外でした。一体何が起きているのでしょうか。中東の現状をこれからも伝えて欲しいと思っています。頑張ってください、応援しています。

ながさんさん

ながさんさん (19)

2008/06/06 00:37

はじめまして、ながさんと申します。

NS2に登録して間がなく、その上中東のサッカーの情勢には疎いのですが...マスカットは酷暑だそうですが、日本代表は怪我人を抱えたまま乗り込んでいます。関西から関東は既に梅雨に入り、東京の最高気温は25~27℃であり、果たして10℃以上気温差に適応出来るのか危惧しています。

プーアールさん

プーアールさん (0)

2008/06/06 15:08

海島さん、お返事ありがとうございます。

UAE手強そうですね。^^
サッカー文化が浅く伸びしろの大きい中東においては、代表監督の能力は結果を左右する大きなポイントですよね。

オマーン、バーレーンにおけるマチャラ氏の影響からもよく判ります。

アル・アインを率いてアジアCLで優勝したメッツ氏は、文化から国民性までをよく理解した、UAEにとってはベストの監督ですよね。

確かに小国ですが、すでにドバイを含め、世界のトピックの中心ですもんね。

う~ん、恐るべきUAEとオイルマネー。^^;

海島健さん

海島健さん (0)

2008/06/06 22:51


ブルーカーペットさんへ

激励のお言葉ありがとうございます。
中東の情報を重宝に思ってくださるかたがいるのだとわかりますとより力がはいります。

おっしゃるとうり、イランの不調が目立ちます。
バーレーン代表にも親善試合(3月の日本戦の直前)
ではありますが、拍子ぬけするくらいころっと負けました。
今後詳しく調べてみますが、個人的にはイラン代表は外国人監督のほうがいいかなと思っています。

アリ・ダエイ監督は確かアゼルバイジャンに隣接した地域の出身だったとおもいますが、彼の現役時代から出身地域による強力な派閥がイラン代表にはありました。こういった土壌の国で自国民が指揮を執ると人選などに偏りが出てきそうなことは想像にかたくありません。

同じような問題が中国代表などにもあるようです。(北京系、上海系、広東系のような)国土は小さいながら、地域愛の強い韓国などはどうなんでしょうか?興味があります。

海島健さん

海島健さん (0)

2008/06/06 22:58

ながさんさんへ

コメントありがとうございます。
実は今日からマスカットにきております。

確かに気温は高いのですが、思ったほどではありません。まあ、私の肌は湾岸ボケしているので、あまりあてになりませんが。

07年アジア杯のときではありませんが、私も夏のハノイを経験したことがあります。あれは地獄でした。とにかく湿度が異常に高い。

日本代表はあの暑さを経験したばかりですから、割とうまく乗り切るのではと考えています。

そういったコメントも選手からでていますね。

ながさんさん

ながさんさん (19)

2008/06/07 03:33

海島さま

オマーン戦は、無理に攻めなければ日本には比較的楽なのかと思います。
無理押ししないで、オマーンの無理に上がった裏を狙えば良いわけです。

湿気は無くとも、
怪我人も多いので、そうなるとポゼッションサッカーは現実的ではないと言えます。

ながさんさん

ながさんさん (19)

2008/06/07 22:21

今日はどちらで観戦ですか?



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