アラーの国のフットボール

カタール激怒「最終予選の抽選は陰謀だ」


海島健さん

海島健さん (2)

2008/07/01 17:41

 W杯アジア最終予選のドローはこちらバーレーンでもARTなどで生中継された。組み合わせがオーストラリア、日本、バーレーン、ウズベキスタン、カタールに決まり、湾岸の国が2つ日本と同組(しかも25%の確率をビンゴしてバーレーンと再び一緒)になり筆者がにんまりしていると早速バーレーン人からメッセージが入った。
 「おめでとう日本代表、また同じ組だね。最終予選の初戦はあの(思い出の)場所でバーレーンvs日本だよ、ひっひっひっ」

 筆者の見ていたARTはドローの現場を映しただけで解説はなかったのだが、知人によると組み分けに関しての感想を語り合っていたTV局もあったようだ。前回コラム「イラクvsカタール場外乱闘、最後まで死の組」でもご紹介したカタール系のアル・カス・チャンネルはまたまた「お怒り」であったようだ。

 それによると、まず、A組はW杯出場経験国が日豪2カ国だけで、B組はすべての国が出場経験がある(韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、UAE)が、見た目とは違って自国カタールの入ったA組のほうが実質的には厳しい組であり、再び「死の組」に入ったと言うのだ。

 

qatar 

 

 筆者もこれにはかなり同意できる面がある。2006年W杯ドイツ大会(含むアジア予選)での実績だけをみても、オーストラリアが本大会16強、日本が本大会出場、バーレーンとウズベキスタンがアジア最終予選のそれぞれ5位と6位であり、ここに入ったのだからカタールサイドが嘆くのも当然であろう。
 B組はイランが本調子に程遠く、北朝鮮も最近の実績はドイツW杯アジア最終予選進出までで、UAEなども格下視していることも影響があるのだろうか。

 3次予選では日本でも“死の組”と呼ばれた一番の激戦区(オーストラリア、中国、イラク、カタール)に放り込まれ、それをやっとのことで勝ち抜いた喜びもつかの間、最終予選はまた試練の組に入ってしまった、というわけだ。議論は多少エキサイトしたようで、「カタールはいつもタフなグループじゃないか。AFCにはカタールの本戦出場を望まない人間でもいるのではないのか。陰謀だ、これは!」とまで言っていたとのこと。今回のドローはW杯本大会のドローと違って、複数の人間がかかわるのではなく、1人の担当者がすべてを仕切っていたが、そのあたりにもケチがつけられていたようだ。

 アル・カス・チャンネルが見たカタールの有利な面はスケジュール。今回の最終予選ではカタールは第5ポット扱いになったが、この第5ポットは初戦と2戦目を両方ともホームで戦うことができ、対戦相手がそれぞれ第4ポット(ウズベキスタン)と第3ポット(バーレーン)なので、この2戦でいいスタートを切って、波に乗って上位国との対戦といったイメージも持ちやすい。

 さて、同じく湾岸の小国バーレーンの報道はどうだろう。
 ドロー翌日のGDN紙にはバーレーン代表のチームマネージャーであるハッサン・ファルハンのコメント(マチャラ監督は休暇中のためであろう)が出ていた。「W杯に出たいのであれば、出場経験もありW杯のレベルにある日豪を倒さなければいけない。マチャラが休暇に出る前にも日本と再びあいまみえる可能性も話し合っており、本当にそうなった。最終予選がこのように厳しいのは当たり前のことだ」。

 初戦の日本戦に向けた同氏の言葉も威勢がよく「バーレーンには大きなアドバンテージがある。最終予選の初戦の日本戦がマナマのスタジアムであること。3月に(日本から)1-0の歴史的勝利をあげた場所なんんだからね。1回勝ったわけだから、日本代表は(今までイメージしていたような雲の上の存在なんかではなく)勝てる相手だと、みな信じているよ」と日本人にとってはあまり思い出したくないポイントをつついてくる。

 一般のバーレーン人にこの組の予想を聞くとかなり謙虚に「やっぱり日豪でしょう、バーレーンは3位でプレーオフをサウジアラビアとやるよ」などと言ってはくるものの、その言い方からして、どこかでバーレーンの2位以上を信じているフシもなくはない。それが証拠に3次予選の組み合わせの後は、本気で(目が本気だった!!)「勝ち抜けは日本とオマーン」と言ってくるか、(バーレーンの勝ち目がないと見て)興味を失った人が多かったから。

 マナマでの日本戦決勝ゴールを決めたFWアラー・フバイルもやはり9月6日の日本戦を意識しており、「予想していたこととはいえ、本当に厳しいグループ。みんなで協力しないといけない。新しいチャレンジであり、違う種類のチャレンジだ。バーレーン代表をめぐるいろいろな問題(監督と選手のあいだの軋轢や国籍取得選手のことなどか?)は忘れて、準備に集中しなければならない。9月6日の日本戦はとても重要だ」(アル・アヤム紙)。

 バーレーン代表選手だが、バーレーンやカタールのリーグも終わり、6月22日の日本代表との3次予選最終戦から3週間の休暇が与えられている。始動は7月中旬からの2週間のオーストリア合宿になるようだ。

 バーレーン、カタールともに自国のリーグ日程を最終予選を戦いやすいように組むことを検討している。バーレーン代表選手がカタールリーグに何人もおり、このあたりは両国ともに最終予選に進出したアドバンテージになりそう。自国の代表のW杯出場がかかっているとあれば、要所要所でリーグを中断したり日程変更するのは当たり前だ。この組でのバーレーン-カタールの湾岸ダービーもし烈なものになりそうだが、一方で両国の「共同戦線」もまた注視すべきポイントといえそうだ。

 筆者の夢(日本、バーレーンがW杯にともに出場)はかなうのであろうか? かなうとしたらどんな形になるのであろうか。ドラマの幕開けは2カ月後だ。

※写真は北京五輪最終予選で日本と対戦したU-22カタール代表。A代表には何人が出てくるのか(撮影・蔦林史峰)

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コメント (12)

プーアールさん

プーアールさん (0)

2008/07/02 00:01

北京五輪サッカーのグループ分けの時も、開催国の中国が比較的ゆるいグループに入ったと論議を呼びましたが。。。

その時に想ったのは、中国五輪チームの実力ではどこに入っても厳しいだろうと。^^

同様に、アル・カス・チャンネルとカタールには悪いですが、どんなグループ分けになっても彼らにとっては厳しかったでしょう。

日豪も自分達のサッカーができずに悩んでいる状態ですから、本当に混戦になるのではないでしょうか。^^;
日本は俊輔に依存し過ぎている事が気がかりでなりませんね。

海島健さん

海島健さん (2)

2008/07/02 14:33

フーアールさんへ

>同様に、アル・カス・チャンネルとカタールには悪いですが、どんなグループ分けになっても彼らにとっては厳しかったでしょう。

おっしゃるとうりです。
前回の3次予選死の組がかなりトラウマになっているのではないでしょうか。


海島健さん

海島健さん (2)

2008/07/02 14:43

そういえば、07年UAE開催ガルフ杯もすごかったです。

サウジ、イラク、バーレーン、カタールがひとつの組

UAE,オマーン、クウェート、イエメンがもうひとつの組

クウェートはW杯出場経験はあるものの近年は不調続きで草刈場にちかい状態でしたから、多少の異論を承知で言えば、片方のグループに上位4カ国集結にちかかったのですね。

そして、結果がUAEの初タイトルでした。
私が07年アジア杯の時にそれほど(ガルフ杯王者のタイトルを持つ)UAEを恐れていなかったのもこのあたりがひとつの理由でした。

カタールはこのときも死の組ですね、考えてみますと。

プーアールさん

プーアールさん (0)

2008/07/02 23:47

このガルフカップの組み分けはひどい偏り方でしたね。^^;

私のような中東情勢に疎い人間には、カタールといえば、アルジャジーラの本拠地程度の知識しかありませんが、バーレーンやサウジやUAEの属国になりかねなかった歴史から東アジア諸国に対する闘志よりも中東諸国に対する対抗心の方が強いんでしょうか?(そう想えるのですが。)

同様に、何があっても日本にだけは負けたくないという東アジア諸国と同グループにならなかったのは、日本にとってはラッキーだったと想います。


海島健さん

海島健さん (2)

2008/07/03 21:25

湾岸GCC諸国はイスラム教、アラビア語、アラブ人という(基本的な文化)を共有してはいますが、国民性には似妙な違いがあります。

域内大会や親善試合で何度も対戦していますので、W杯最終予選で再びあいまみえるとなると燃えるのも当然でしょうね。

男はつらいよさん

男はつらいよさん (25)

2008/07/06 15:02

カタール系のアル・カス・チャンネルの言い分は、よく分かります。カタールから見たら、そう思うでしょうね。

しかし、オーストラリアにしても、、日本にしても絶対的な強さは現状では、無い(特に日本)と見ています。

だから、3位争いではなく、2位や1位(これは分からない)争いに進出する可能性だってカタールにあると思いますよ。

今の日本代表はチームとして方向性が無い(監督があいまいな指示しかしない)ので、中村俊輔が病で倒れたり、ケガで出られない時、どうなるか分かりません。

年内の3戦(バーレーン、ウズベキスタン、カタール)で、特に初戦のアウェーでのバーレーンで負けるようなことになると、岡田監督の更迭問題が出る可能性が大きいですね。。。

海島健さん

海島健さん (2)

2008/07/07 23:41

男はつらいよさんへ

カタールの上位食い込み、充分ありえます。

アル・カスがこういって騒ぐのも、「今回も死のグループに入ったけど3次予選以上の応援よろしく。これも突破しちゃったら、本当に快挙だもんね。」といった含みがあるのでしょう。

カタールの1,2戦目注目しましょう。

男はつらいよさん

男はつらいよさん (25)

2008/07/08 21:19

確かに、カタールの第1戦、第2戦と比較的、やりやすい相手と出来ますね。

2008年 9月 6日 カタール - ウズベキスタン
2008年 9月10日 カタール - バーレーン
2008年10月15日 オーストラリア - カタール
2008年11月19日 カタール - 日本

この2戦のホームで、連勝すれば乗ってくると怖い存在になりますね。。。
 

サイトヲさん

サイトヲさん (1)

2008/08/12 11:58

ご無沙汰してます。7月末にサウジから帰国しました。
最終予選の組み合わせですが、サウジ人の知人からは一様に「日本の方が厳しいグループだ」という意外な指摘を受けました。
同じ湾岸のカタール、バーレーンや、3次予選でサウジがチンチンにされた(アウェイで0-3)ウズベキスタンは、彼らの中では相当な難敵とみなされているようです。

男はつらいよさん

男はつらいよさん (25)

2008/08/12 12:43

ウズベキスタンが、そのような評価をされているのですか。日本は、最近のウズベキスタンとは対戦していないので、日本にとってはベールに包まれた恐い存在ですね。

岡田監督も、ふんどしを引き締めて掛からないとうっちゃられて敗戦となる危険性もはらんでいるということですね。。。

サイトヲさん

サイトヲさん (1)

2008/08/12 13:28

>男はつらいよさん

もっとも、リヤドで行われた最終節では4-0とサウジがウズベキスタンを一蹴してはいるんですけどね。
両国とも主力を欠いていた上、観客も少なかったので件のサウジ人も印象に残ってなかったのかもしれません。
私はこのサウジvsウズベキスタン戦をスタジアムで観たんですが、正直ウズベキにはそれほど怖さを感じませんでした。
シャツキフなど欧州組がいなかったことを差し引いても、
総合力ではサウジの方がかなり上かな、と。

男はつらいよさん

男はつらいよさん (25)

2008/08/12 13:51

>サイトヲさん

そうですか、それを聞いて少し安心しました。

サウジは2007アジア杯で対戦し、かなり強い印象を持ちましたからね。ヤセル、アル・バハリ、マレクなどスゴイ印象があります。。。



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