08年センバツ密着レポート

異能の本格派・大塚椋司の素質


小関順二さん

小関順二さん (9)

2008/03/24 18:39

 センバツ2日目は強豪校や有力選手が数多く出場したが、ドラフトという視点で見ると満足できる選手が少なかった。三村傭平(履正社)は昨年秋、今中慎二(元中日)を思わせる柔らかなフォームに魅了された選手。それがひと冬越しても体に強さが見られず、昨年は気にならなかったヒジを使えないアーム式がこの試合ではえらく目について、腹立たしいほどだった。大学経由、社会人経由でのプロ入りを考えたほうがいい選手だと思う。三村以外では聖望学園の大塚椋司(右右・178/76)に注目した。
 この日の最高スピードは146キロ。これに120キロ台中盤のスライダー、縦割れのカーブ、130キロくらいで小さく横に変化するカットボールを組み合わせて小松島を翻弄。1時間32分の省エネ投法で完封勝ちした。中学3年時に1回見たときも、昨年夏、秋に見た時も大塚は体を開いて投げる。そして、この日も大塚の左肩は普通の投手よりかなり早い段階で開く。高校2年秋までは「あと1年ある」という目で選手を見るため多少の癖は気にならない。むしろ「未完の大器」が印象づけられるため、癖や欠点は好ましく見えるほどである。しかし、高校3年春にもなるとある程度の“完成度”はほしくなる。悪癖を直すことが想像以上に難しいことを知っているからだ。
 大塚の左肩の開きは、投げに行きながら開くのではない。最初から開いているのだ。肩の可動域が狭いという生理的な問題があるのかもしれない。しかし、そういうクセを抱えながら146キロのストレートを投げるのだから素質のよさは只事ではない。ただし、146キロとガン表示が出たのは1回だけ。それ以外では140キロが最速である。甲子園球場のスピードガン表示はあてにならないので、大塚は甲子園球場で140キロしか記録できなかったと思ったほうがいい。そして、左肩を開かずに投げる投球フォームを追求・模索してほしい。天賦の才もプロセスを誤ればゼロになる。もし、大塚の左肩が夏に開かなくなっていたら、それだけで僕の中の大塚評はワンランク跳ね上がる。技術を追求できる選手だと思うからだ。それはプロのスカウトにしても同じはずだ。
 大塚以外では第4試合に出場した鹿児島工の3番打者、中道優輔(一塁・右左・180/81)がよかった。小さい体重移動でも力強いトップを作ることができ、ボールを手元まで呼び込めるのが最高の長所。第2打席の右前打の打球の強さは「ドラフト候補」の名に恥じないものだった。フォームのいい選手は大学、社会人でグンと成長するので今後も注目していこうと思う。

ソーシャルブックマークへ投稿(ソーシャルブックマークとは はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク

コメント (0)

コメントはまだありません。



トラックバック (0)

トラックバックは受け付けていません。