08年センバツ密着レポート

石川駿の見事な押し込むバッティング


小関順二さん

小関順二さん (9)

2008/03/27 18:53

「利き手で押し込む」という表現をよくする。わかりづらいと思っている人も多いだろう。そういう人には北大津高の石川駿(二塁手・右右・177/70)のバッティングを見てもらいたい。大会6日目の第2試合、優勝候補筆頭の横浜高を奈落の底に突き落としたのが石川の「利き手で押し込む」バッティングだった。4回の第2打席が0-2からのカーブ(116キロ)を強引に押し込んでレフト線に落とした同点二塁打、6回の第3打席がライトからレフトに吹く浜風にも乗せたが、やはり右腕(利き手)で強引に押し込んだレフト最前列へのホームランという具合。
 小さい一本足でゆったりと始動し、ステップもすぐにポンと出さずに慎重に前足を出すのが石川の特徴である。「ゆったり」とか「慎重に」という言葉に反応してもらいたい。ボールを手元まで呼び込むためには「ゆったり」とか「慎重に」という緩い動きが必要になる。ボールを手元(捕手寄り)まで呼び込めば、当然差し込まれるリスクを負う。非力な打者は差し込まれた時点で終わりだが、利き手(後ろの手)で押し込む自信がある選手なら差し込まれることを恐れない。差し込まれることはボールを長く見られることだからプラスの面もある。石川のバッティングがまさにそうだ。
 プロの一流選手も「押し込む」という表現を頻繁にするが、①そこにはボールを長く見られる(球種、コースを見定めることができる)、②押し込む力があるので差し込まれることが怖くない、という2つの要素が入っているのである。
 敗れた横浜高では土屋健二(投手&外野手・左左・179/73)の投打に注目した。石川のようなテクニカルな背景は感じられない。ただ、ひたすら素質がいいと感じさせる選手である。バッティングはごく常識的なミートポイントでボールをとらえ、ピッチングは先天的なヒジ使いの柔らかさでボールを操っているという印象なのだ。このまま20歳くらいで体に力がつけばどれくらいの選手に成長しているのか、ちょっと想像がつかない。その先天的な素質に石川クラスの工夫があればさらに凄い選手になると思うし、是非そうなってもらいたい。

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