08年センバツ密着レポート

天理高・鈴木紳吾捕手の好リードに注目


小関順二さん

小関順二さん (9)

2008/03/31 00:47

 大会9日目で面白かったのは第3試合の天理高対華陵高戦で、華陵の各バッターが打席のベース寄り一番前で構えていたことだ。天理のアンダーハンド・井口勇佑の外に逃げる大きなカーブを曲りっ端で捉えようとするのと、内角球を投げにくくさせ、外角の直・曲球を思い切り踏み込んで攻略しようとする2つの意図があったのだろう。これに対して天理高の捕手・鈴木紳吾(右右・175/68)は2回まで外角一辺倒のリードに終始し、華陵各打者の踏み込みを許し、2回には先制点を挙げられている。鈴木のリードが変わったのは3回からだ。主体というほど多くはないが、効果的な内角球がところどころに混ざるようになると、華陵打線から快音が聞かれなくなった。3回以降に許したヒットは5回の西岡伸悟の内野安打1本きり。キャッチャーのリードがいかに試合を左右するか、鈴木は改めて思い知らされただろう。
 鈴木はリードだけでなく打つほうでも目立った。結果から言うと5打数3安打2打点という内容。ステップに粘りがないので緩急の攻めには弱いはずだが、キャッチャーらしい配球の読みと、読み切ったときの思い切りのいいスイングが長所で、初戦の敦賀気比高戦でも4打数3安打と打ちまくっている。気になるのは、敦賀気比戦ではステップに粘りがあり、バッティングの始動も遅かった。バッティングは始動が遅いほど余計なバットの動きが制限されるのでヒットの確率が上がり、ステップをゆっくりするほどボールを手元まで呼び込めるという法則がある。それが華陵戦で出来なかったのは、華陵の投手がうまかったのか、あるいは鈴木が華陵の投手をなめていたかのどちらかである。僕は、前者であると信じたい。
 さて、もう1人目立ったのが堅田主審である。雨が強くなって点差が10対1と大差がついていれば、華陵寄りのジャッジをしても仕方ない。しかし、堅田主審は公平なジャッジを心がけ、辛抱強く「ストライク」「ボール」をコールし続けた。昨年夏の決勝戦で主審のジャッジが物議をかもしただけに、堅田主審の姿勢は非常に納得がいった。
 

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