08年センバツ密着レポート

沖縄尚学の1、2番コンビが勝利をたぐり寄せた


小関順二さん

小関順二さん (9)

2008/04/03 00:38

 4月2日に行われた準々決勝2試合で好印象をもったのは、投手では佐藤翔太(東洋大姫路高)、東浜巨(沖縄尚学高)、打者では投手で名前を挙げた佐藤翔、亀井優輝(東洋大姫路高・一塁手)、古田昇平(天理高・一塁手)、そして沖縄尚学高の伊志嶺大地(右翼手)と伊古聖(中堅手・右左・167/63)の6人である。データを細かく紹介した伊古がもちろん、今日の主役である。驚かされたのが、試合前のシートノックで見た強肩。厳密に言うなら、ホーム返球するときのフォームの大きさだ。メジャーと日本プロ野球の違いはたくさんあるが、その中の一つが外野手がボールを投げるときのフォーム。日本人は捕ってからの速さを要求されるためフォームがコンパクト(小さい)。逆にメジャーリーグでは捕ってからの速さを犠牲にしてでも大きいフォームで、強いボールを投げろと教えられる。つまり、伊古の送球フォームはメジャーリーガーにより近いということである。カットマンの内野手にノーバウンドで返球される強く低い球筋は、今大会ではトップレベルと言っていい。
 バッティングは安定して打つための“成功法則”ゆっくりと出すステップをものにしている。こういう打ち方ができる選手はボールを長く見られるため、ボール球に手を出さない。俊足も伊古の個性を際立たせている。第2打席の左中間三塁打のときの三塁到達が11・79秒。これはプロを含めても上位にランクされる速さである。また、第3打席がレフト線に運ぶ二塁打。ボールを呼び込んでの逆方向への長打は伊古のセールスポイントと言っていい。
 この伊古と1、2番コンビを組むのが伊志嶺である。第1、3打席の送りバント、スクイズのときに記録した一塁到達は3・96秒、3・97秒という速さ。また、3月31日の明徳義塾高戦ではともに第3打席、連続セーフティバントを成功させ、このときの一塁到達が伊古3・93秒、伊志嶺4・08秒だった。今大会で最も脚力がある1、2番コンビと言ってもいいだろう。プロ野球でも屈指の1、2番コンビを擁すチームは中日(荒木雅博、井端弘和)、日本ハム(森本稀哲、田中賢介)が昨年、リーグ優勝を果たしている。強烈な投手ライナーをヒザに受けた東浜の回復次第という条件はつくが、4校の中で最も優勝に近いのは得点パターンを確立させている沖縄尚学高だと思う。さて、甲子園の女神はどのチームに微笑むのだろうか。

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