08年センバツ密着レポート

野球の神様に見守られて溌剌とプレーする立岡宗一郎


小関順二さん

小関順二さん (9)

2008/04/06 10:40

 雨で日程が1日ズレた熊本大会準決勝は4月5日(土曜日)、曇天のもと無事に行われた。試合会場は両翼99m、中堅122mの広さで知られる藤崎台球場。スコアボードを包み込むように幹を伸ばし、枝葉を茂らせる7本のクスノキの威容は西南戦争で焼け落ちた藤崎八幡宮の名残だとか。まるでその枝に腰かけて野球見物している神様がいるような“ある気配”に満ち満ちた野球場。そんな場所は藤崎台以外、僕の知るところ甲子園球場だけである。この野球の神様に見守られて溌剌としたプレーを見せたのが鎮西高の3番・中堅手、立岡宗一郎(右右・181/82)である。
 2打数1安打2四球2盗塁というのがこの日の成績。8回の四球はすべてボール球だったので、敬遠と思っていい。立岡のいいところは走攻守の三拍子が揃っているところである。バッティングは第1打席では外寄りの球をバットの面を押し出して打ちにいったのでヘッドが出ない“ドアスイング”なのかと心配したが(左前打)、第2打席の遊撃ゴロでは球を上からひっぱたいていたので安心した。このときの一塁到達が4・25秒と速かった。
 俊足・全力疾走と認められる速さでも驚くほどの記録ではない。しかし、プルヒッティングして打ち終わったあとの体勢は三塁側に流れていた。それでも4・25秒で一塁を走り抜けているところに立岡の「俊足」を感じてほしい。また、第1打席の左前打のときが4・98秒だったので立岡に対して「速い」という意識がなかった。その分、4・25秒の速さは異様に速く感じられたのかもしれない。四球で出塁した6回表には二盗、三盗を成功させて、走ることの熱意も確認できた。
 守りではシートノックのときの強肩に注目した。中堅からホームへの強い球筋のワンバウンド返球が1本。ホーム返球がこれしかなかったので陸上競技風に言えば「未公認記録」でしかないが、僕の目には確かに強肩と映った。攻撃中の4回と7回にはブルペンで肩を作っていたので、「投手・立岡」も何となくおぼろげに想像できる。地肩の強さが普通ではないのだろう。
 もう1回バッティングに戻ると、外角の変化球にはインステップ、ストレートに対してはアウトステップしてボールを捉えようとしていた。球種を確認してからステップを変えるのだから、投球に対する反応はワンテンポ確実に遅れる。これは絶対に直してほしい。

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