破滅型ギャンブル記者のナルシスト宣言

魂の走り /競輪・競艇


2008/04/28 18:41

 昨日は、まったく競輪とはかかわりの持たない日となった。自分の中では「空白の一日」-。こんな日は久しくなかったような気がする。


 この日も用事を済ませて、青木のサンシャインワーフで海を見ながらiポッドで真心とユーミンを聞きながら、読みかけの羽田圭介の「走ル」を読了。
 たわいもない青春小説なのだが、題材が自転車なので、やはり競輪のことを思い出してしまった。陸上部の朝練習の帰りに、ふっと思い立って東京から青森までロードレーサーまで駆け抜けてしまう話。高校時代しか持ち得ないような一瞬の心のたかぶりをめくるめくロードの中で切る取るよくできた技巧小説のように感じて、深い感動はなかったが瑞々しい気持ちには立ち還れた。

 それよりも競輪のことである。ほとんど見ていない武雄記念のことより、現場にいたびわこ競輪最終日決勝の村上義弘の走りについてである。

 最終日の現場の記者席では、レース前、決勝の村上の走りについてちょとした議論となった。自称競輪記者40年のベテランのS紙の記者は「村上は、こんなところで、自分が死ににいくような先行はしない。金沢を逃がしてまくりだよ」と確信に満ちた言葉でいう。もちろん本命は村上。それはH氏のベテラン記者も同じ見解だった。「後ろのヤス(伊藤保文)や中井護はどれだけ、村上に世話になっているんや。勝ちに行く競争にきまっているやろ」が本命の理由だ。

 しかし僕は紙面でも書いたが、村上は「勝ちにこだわる競争より、力を出し切る競争」と言い切った話を信じた。そしてはきっぱりと「僕がコメントと違う競争をしたことがありますか」と、質問を返されたのだ。


 村上はいいとき、悪いときもはっきりと真摯に答えてくれる数少ない選手の一人だ。そして今回は「まさに見ての通り。2月の肉離れから体力の戻ってない今、こんなもんです」とあわやズボズボをくらいそうになった準決勝が、現状なのだということを伝えてくれたのだ。

 それでも強い気持ちで熱い走るをするのが、村上。だから迷いなく番手の伊藤に本命が打てた。村上に対抗の○を付けたのは敬意を表したもの。本線はあくまでも伊藤=中井の突き抜けと金沢と村上のやり合うケースの伊藤=幸田(金沢番手)だった。


 伊藤は後ろを固めてくれた地元勢のためにも、村上の熱い走りにこらえるためにも、番手から出なくてはならなかった。それが、3コーナー手前になってしまうとは思わなかっただろうが…。そしてホームで無理足を使ってまで金沢をたたき切った村上の走りは〝魂〟の走りだった。批判される筋合いのないものだ。


 最近読んだ為末大の「インベストメントハードラー」の中で最も感動したのは、為末がスポンサー先の社長に「一生、半身不随になっても五輪でメダルを取りたいか」の質問に「もちろん」と答えた言葉だった。為末も村上も、僕が見たスポーツや現場で最も感動を与えてくれたアスリートだった。

 頂点を目指すプロアスリートたちは本当に命を削って、トレーニングをして、競争で最高のパフォーマンスを見せてこそ。為末もそして村上もそれを今まで見せてくれたからこそ、ファンに感動を与えてくれたのだ。為末が北京で、村上がGⅠの舞台で必ず復活劇を見せてくれることを心から信じている。




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コメント (2)

ゴルフ担当・木村有三記者さん

ゴルフ担当・木村有三記者さん (26)

2008/04/30 00:38

武雄記念決勝。

北津留は、自分が勝つ競争をしようと思えば、できたのに、後ろの地元荒井のために、早駆け。

荒井も魂の走りで、先に抜け出した大塚を交し、北津留の走りに応えました。

そのへんの「心の読み」も、競輪のおもしろさであり、難しさなんですよね~。



ナルシストさん

ナルシストさん (3)

2008/04/30 01:31

 さすが木村記者。競輪をわかってらっしゃる。武雄記念は、荒井の、荒井により、荒井のための記念で、車券や勝ち上がりのレースにはまったく興味を持てなかったけど、優勝した後に、大塚が祝福の握手を求めても、しらんぷりを決め込んだ荒井がいかにも荒井らしくて良かった。同期でも、肌が合わないやつもいるし、ライバルなら敵対視しても当然。それが〝人間〟競輪だし、選手間の〝心の読み〟を見切ってこそ、予想がなりたつものだと思う。これからも車券頑張ろうね。



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