破滅型ギャンブル記者のナルシスト宣言

感動の井上薫のラストラン /競輪・競艇


2008/06/27 17:33

 本当に感動した。正直に言ってこんなに感動するとは思ってなかった。というのは、僕自身は、もう晩年の頃の薫さんしかしらないし、強い時をしらない。もちろん、よく現場でもお会いしたけど、近畿のベテラン選手は、他社の古株記者との交流がプライベートでも深く、僕らぺいぺいが入り込む余地はなく、あまり多くをしゃべることがなかったからだ。


 井上さんの最後のレースは、引退セレモニーでの写真撮影のために、バンクの中で見た。競技のときは中で見たことがあるけど、実際の競輪競走をバンクの中で見たのは初めてで貴重な体験だった。


 とにかく出てくる時から声援が凄い。井上さん自身は、ずっとうつむいているように見えたが、後で話を聞くと、顔見世からレースの始まる前まで涙が止まらなかったという。

 今までやってきたことへの思いが強ければ強い人ほど、最後のレースに対する感慨がより深くなるということなのだろう。


 レースも見応えたっぷりだった。打鐘から果敢に先行態勢に入った目標の川村晃司を、必死の形相で追走する。中団には最も怖い園田に入られ、後方の北の徹底先行・森田もいつたたきにくるかわからない状態だ。

 最終バック過ぎから4番手の園田が仕掛けに入る。3番手を固めた渡辺がけんせいするが、距離を置かれて届かない。やはり出切られる勢いだったが番手から出た井上さんが懸命にブロック。直線で勢いは止まったかのように見えたが…。


 園田の若さと惰性そして、引退レースという特殊な状況でもガチンコで力勝負に挑んだ精神力が上回った。そして井上さんいもブロックにいった時点で余力はまったくなかった。


 7着。井上さんの頭からが一番人気だったが、岸和田独特の汚い野次はまったくなかった。むしろ「カオルさん、お疲れさん」「よう頑張った」と温かい声援がレース後の方が多くなってなってきた。


 引退セレモニーが本当に良かった。井上さんはステージに立つまで泣きっぱなし、息子さんと2人の娘さん、そしてお母さんがねぎらいの言葉と花束を贈られると、一層涙がこぼれていた。それでもファンへの挨拶は堂々たるものだった。「30年間応援ありがとうございました。ファンのかたがたの声援や師匠をはじめ関係者の方々の支えられてここまで頑張ってくることが出来ました」というのは本心からの言葉だろう。そうでなかれば、50歳直前までS級で踏ん張るなんてできなかったはずだ。


 セレモニーが終わった後も、大阪、兵庫の選手たちがみんな集まって途切れることなくねぎらいの言葉をかけてくる。こんなに祝福されて引退する井上さんの涙を通り越して幸せそうな顔ったらなかった。幸せものだ。少しうらやましくもなったが、人柄がそうさせたのか。


 「まだ先のことは考えてない」と話す井上さんだが、レースでは最後まで勝負をあきらめず、苦しい練習にも耐えてきたんだ。少しゆっくり休んで欲しい。そして同じ気持ちで第2の人生を歩めるなら、また開けてくると思う。本当にご苦労様でした。 

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コメント (1)

ゴルフ担当・木村有三記者さん

ゴルフ担当・木村有三記者さん (26)

2008/06/28 11:01

感動的なシーンでした。
僕も、現場に行きたかったです。

滝沢先生も引退ですか…。





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