小関順二の日記

野球のことをつらつらと /野球


2008/01/19 15:03

 草思社が民事再生法の適用を申請――1月早々にこのニュースを耳にして非常に驚いた。角川春樹氏だと思うが、「理想の出版社は草思社」と言ったことがある。雑誌をやらず、文庫も新書もやらず、一般図書だけに専念し、毎年のようにミリオンセラー本を出す。それが多くの出版人の心をとらえたのである。僕が『プロ野球 問題だらけの12球団』を出版したのは00年のこと。1月上旬、のちにこのシリーズ本の担当編集者になる碇高明さんが現れ「小関さんの本を出したい」と言われた。前年11月に『小関順二の必殺ドラフト』という本を出したばかりなので、「来年なら」と答えると、「今年のペナントレースが始まる前に出したい」と言うので「それは無理です」と固辞すると、日を改めて今度は碇さんと木谷東男(現社長)さんが現れ、「ホテルで集中して書けば1カ月で書けるでしょう」とサラッと言われ、「それでは」と始めた。その折、木谷さんから「ベストセラーを狙っているんです」と言われ、耳を疑った。それまでに『ドラフト王国』『挟殺』『必殺ドラフト』を出していたが、最も売れたのは『ドラフト王国』の9000部。そういう人間の本がどうしてベストセラーになるのか理解できなかった。
 ところが売れた。ベストセラーにこそならなかったが4万5000部・7刷まで版を重ねたのである。1カ月に3通も4通も重版の通知がくるという得難い経験を初めてした。その頃付き合いのあった大手出版社の知人からは「うちでは小関さんの本をあれほどは売れない」と言われた。「売れない」とは重版を思い切りできないという意味である。草思社は重版をためらわない。それがベストセラーを次々と生み出す要因の1つだったのかもしれない。本の企画力、著者を発掘するアンテナの張り方、さらに重版をためらわない勇気、それらは人間力(マンパワー)以外の何物でもない。
 先日送付されてきた「お詫びとお知らせ」には「援助を検討してくださる出版社も何社かおられますし、また『草思社』という名前を失うことなく出版活動を再開できる可能性も残されております」と書かれていた。草思社の復活を僕は信じているし、あれほどのマンパワーを他社が放っておくわけもない。『プロ野球 問題だらけの12球団』の08年度版だが、草思社から出すことは不可能になった。それでもぴあが出版を申し出てくれたので、例年のように3月には店頭に並ぶと思う。楽しみにしていただきたい。

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コメント (2)

ポロペロさん

ポロペロさん

2008/01/19 17:25

そういう出版社があったんですね。なんとか復活して欲しい気がします。

ヨシ様さん

ヨシ様さん (70)

2008/01/19 17:27

 はじめまして小関さんの著書はほとんど持っております。

 2度ほど山梨県で行われた関東大会でお目にかかり緑ヶ丘球場でサインを頂いた者です。記憶が思い出されてくれたら幸いです。

 上記の本は私のバイブルです。私の野球観が変わりました。これからよろしくお願いいたします。



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