2008/02/23 23:59
ここ2週間ほど派遣の仕事でお世話になった人が、地元大阪に帰るということでお別れの挨拶をした。 許永中の顧問をしていたヤメ検の田中森一弁護士に似た人で、初めて仕事をしたときからとても厳しくて、私としては「何でこんなに厳しいんだろう。別に厳しくしないでもいいじゃないか。どうせ俺は使い捨ての駒なんだし」という思いでやっていたので、しかられる度に「次何か言われたらキレて帰ってやろう」と心に誓っていた。結局そんな度胸などなく、1日が過ぎ2日が過ぎ、1週間が過ぎたある日の休憩中、その人が私に向かってぼそっと言った。 「自分、慣れてきたやないの。動きわかってきたか?」 まさか褒められるとは思わず、逆に動揺してしまったが、 「休憩する度に、役に立ってるかなー大丈夫かなー、なんて自問自答をしてるんですよ」と笑って返すと、 「なに言ってるんや、自分のおかげでほんま助かってるんやで。心配すんなや。職人は口が悪いさかい、厳しく言ってるように聞こえるだけや。自信を持てぇ」 と言ってくれた。やめる度胸も無いから逆に仕事の内容を覚えてその都度適切な動きを心がけようと思っていたが、そういう変化をわかってくれたのだろうか。ともかく私はキレて辞めようなんて馬鹿な考えをしたことを恥じ、より一層頑張ろうと誓ったのだった。 休憩中もいろいろな体験を話してくれて、またギャンブルが趣味なので話も合った。 仕事で失敗しなくなり、叱られることもなくなったとき、 「明日俺は大阪に帰る。よく頑張ってくれた。本当に感謝してるよ」と告げられた。次に来るのは来年だという。私は今までの間違いをわびる代わりに、その人が吸っていたタバコであるキャビンマイルドを東京駅で渡した。 「今は喫煙車も一番後ろの車両だけや」 そう言って車両に向かう背中は寂しげに見えた。本当にお世話になりました。
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