FRAGILEの日記

浦和レッズの決算発表に株式公開の可能性を考える /サッカー


2008/04/25 11:05

浦和レッズの運営会社である株式会社三菱自動車フットボールクラブが2007年度決算を公開した。
http://www.urawa-reds.co.jp/Club/managdata.htm

営業収入は79億64百万円、うち入場料収入が30億8百万円、広告料収入が23億84百万円などとなっている。
一方の営業費用は77億43百万円、うち事業運営費が33億2百万円、選手・監督・コーチ報酬が28億41百万円などとなっている。
営業利益は2億2千万円、経常利益は2億35百万円、純利益は62百万円となっている。

上記ホームページでは2003年度からの推移が見られるようになっており、2006年度からの比較で見れば、入場料収入が増え、事業運営費も増え、利益はほぼ変わらず、といった状況が分かる。
具体的なクラブの活動に照らし合わせてみれば、ACLを戦ったことで試合数が増え、入場料収入が増えたが、海外遠征が多かったことで運営費も増えてしまったというところだろう。
選手・監督・コーチ報酬も3億円ほど増えているが、阿部の補強と前年のJリーグ優勝によるベースアップが図られたのであれば、納得できるところだろう。

ところで、このページではコメントとして「2004年度まで、責任企業との間で『損失補填契約』を締結していました」と書かれている。
逆に言えば、2005年度以降は契約は締結されていないわけで、よく言われるような親会社のバックアップはすでになく、単独の事業会社として利益を上げていることが分かる。

そんな企業の資本金は1億6千万円。株式の過半数は三菱自動車工業株式会社が持ち、埼玉県とさいたま市が5%ずつ、残りをスポンサー企業27社が保有している。
これをいずれかの株式市場に上場し、株式公開してはどうだろうか。

メリットとしては、まず単純に資金の調達手段が増えることが挙げられる。
新たな株式発行を行うことで、直接市場から資金の調達を行い、クラブの財政を強固にすることができる。
また、サポーターが株主になることができるため、より地域とサポーターに密着したクラブ運営を行うことができる。

さらに株式の利用法としては、選手へのインセンティブとしてもよい。現役である期間が短いサッカー選手にとっては、引退後の生活が不安なものだが、退職金の代わりに株式を支給することにより、その配当や運用で生活基盤の一助にもできる。
直接行うのが面倒であれば、選手会のようなものが株主となり、年金のように運用してもよいかもしれない。

そして最も大きなポイントは三菱自動車のものというイメージからの脱却である。
いまだに日本のプロスポーツはプロ野球のシステムから抜けられないでいる。
そのため、いまだにサッカーも企業スポーツのイメージで語られることは少なくない。
実際に親会社からのバックアップはなくなっているのにも関わらずである。

もちろん、デメリットもある。
株主の数が単純に増えることで経営に意見を出せる人が増え、スムーズなクラブ運営ができなくなるリスクもある。
ただ、現在もクラブはサポーターとの対話を重視しており、その機会も年に何度か設けているし、監督交代などのトラブル時にはスタジアムでの対話も辞さない。
その姿勢を崩すことがなければ、株主から無理難題を突きつけられることはないだろう。

また、株式を公開すると言うことは、資金さえあれば多くの株式を保有する大株主の出現の可能性も意味する。
イングランドのプレミアリーグのクラブのように他国の資金で買収される可能性もある。
ただ、それも株式市場で行われる限りは合法的な防衛策も高じることができるし、すでに株主となっているサポーターが買収劇に関わることもできる。
現状では、過半数を保有している一企業の思惑で株式が移譲される可能性もあるわけで、それよりは健全な姿であると思いたい。

まぁ現実的には実現可能性は限りなく少ないと思われるが、新しいスポーツビジネスの姿として夢想してみるのだった。

ところで、同じように決算報告を公開していないものかとプロ野球各球団のホームページを見て回ったが、そのようなデータはまったく見当たらなかった。

ソーシャルブックマークへ投稿(ソーシャルブックマークとは はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク

コメント (2)

nainlaurinさん

nainlaurinさん (7)

2008/04/25 12:57

レッズの株式公開は以前に討議がありました。
しかしサポーターの反対も多かったため中止になったようです。
理由が、他チームのサポーターによる買占め及び発言により不利なチーム作りを宣言した人が結構いたからだそうです。現にIT企業の社長の何人かはレッズの株を買い、いじれば自分の好きなチームが勝てる、と発言したこともあります。
そおいう意味でも、今のところ公開しないほうがいいのでしょうね。

FRAGILEさん

FRAGILEさん (0)

2008/04/25 17:42

確かに浮かんでは消えるネタのようですね。
以前の討議がいつの話だったのか寡聞にして存じませんが、一昨年より前のことであれば、以後にライブドア事件があり、村上ファンド事件があり、ファンドによるTOBがいくつか話題となる中で、企業の側の買収防衛策も整備されてきました。
サポーターの意にそぐわない経営を行う大株主が出てきた場合には、議決権のない優先株発行によりお引き取り願うことも可能になっています。
また、IT企業の社長がそういうことをして本業にどれだけのダメージを受けるかも、だいたいイメージされてきたのではないでしょうか。

現時点でも三菱自動車の経営を握れば、子会社である浦和レッズも手に入るわけで、リスクとしては変わらないようにも考えられるのです。



トラックバック (0)

トラックバック URL

http://sns.nikkansports.com/users/ni5135/diary/trackback/51731

トラックバック一覧

受信したトラックバックはまだありません。