2008/04/07 02:47
こんにちは、藤中慎一郎です。 ある日、RMUの打ち上げで皆と食事をしていた時、代表の多井隆晴から 「藤中さん、ブログでなんか書いてくださいよ。っていうか書け!」 との指令(?)が飛んできました。 あまり文章に自信のない私ではありますが、代表命令とあらば無視できず、今回の掲載に至った次第でございます。 つたない文章ではありますが、お付き合いの程よろしくお願い致します。 これから月に1~2回の頻度ではありますが、今までの競技者人生の中で印象に残った局や場面を紹介していこうと思います。第1回目としましては、今回このような機会を作ってくれた多井隆晴に登場してもらいましょう。 彼とはこの世界に足を踏み入れた時からの付き合い、いわゆる同期の桜というやつで、彼の対局を一番観てきたのが私であると自負しています。 今でこそ自他ともに認めるトッププロでありますが 「こいつすげえな!」 と初めて思わせられたのが8年前の某タイトル戦の決勝での一場面でした。 ③④88西白白白中中 發發發ポン 9巡目に上記の手牌、そこに持ってきた牌が4枚目の白。当然大三元を狙う手なのでツモ切りがセオリーです。 ところが彼は躊躇なく白をアンカンしました。 するとなんと! リンシャンにいた牌は中、確定大三元のテンパイを果たしてしまいました。 これだけ書くと彼が無謀なアンカンをし、ラッキーな役満をテンパイさせただけと思われてしまうので、細かく解説していきましょう。 それまで他家3人は、中張牌ばかりの多井の捨て牌を不穏に思い、受け気味に打ちまわしていました。 これを敏感に感じた多井は (もう三元牌は出てこない、あとはツモに頼るのみだろう) と思っていたのでしょう。 そして、このアンカンは他家3人にある疑問を抱かせました。 (大三元が狙える手だとしたら、ビッグタイトル決勝の舞台でアンカンするだろうか?残りの中は持っていないのでは?) すると上家の親が、中のアンカンによるカンドラが乗り、次巡平和ドラ3のテンパイが入ってしまいます。 そして…まるで魅入られるかのように、今まで絞っていた2pが押し出され、役満放銃となってしまいました。 なるほど、上家が親ということも関係していたようです。 あのままでは25pのチーですらさせてもらえなかったでしょう。 他家3人がメンゼンという状況ならば、カンドラ、裏ドラという餌を与えてあげれば前に出てくるかもしれない。 そういう狙いもあったのです。 白をよどみなくアンカンすることによって、他家に色々な攻守の可能性を与え、さらに自分の手牌を読みづらくさせ、和了を手に入れた一局となりました。 例えるなら、リングの上で1人暴れまわっていて、対戦者がロープの外で静観している状況から、そのうちの一人を無理やりリングの上に引きずり上げ、一瞬でKOしてしまったような感じでしょうか。 多井の心理面、戦略面での駆け引きのうまさをうかがい知ることができました。 対局後多井に「あのカンは凄かったね」というと彼は「だろっ」という感じで笑うだけでした。 その時の笑顔は今でもはっきりと覚えています。
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